投稿元:
レビューを見る
この本は結構前に読んで、読むのは辛かったんだけどこの本の言葉はずっと心に残っている。
人生には救いがないけど救われるものもあって欲しい。
投稿元:
レビューを見る
「豪快に殺している」という言葉の通り、全く相談に乗っていない新しい人生相談。解説が素晴らしい。
何を聞いても、普通に考えて私の人生のほうがもっと辛いよ?そもそも人生に救いなんて求めてるの?そんなのないのに?と作者に返される相談者。それだけならきっと途中で本を閉じますが、最後まで読んでしまうのは時折ハッとする言葉があるからだと思います。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしい本に出会いました。知らないままでいずにすんでよかった!朝日新聞に連載された車谷長吉さんの人生相談。ただ、なんとか悩みにこたえようとする人生相談とはまったく違う。ある悩みへの車谷さんの返答の冒頭が「あなたの相談を読んで、この人は一生救われないなと思いました」…!さらには車谷さん自身が重度の障害者であり、生まれつき鼻で息ができないという。手術のときは「失明してもよい」という同意書にサインをしたという。これではどんな悩みも吹き飛んでしまう。つまりは、人生には悩みがあって当たり前。解決しようなんて虫がいいんじゃないですかと。そんなメッセージを感じます。なにかに悩んだら、駆け込み寺のようにこの本を手に取りたいと思います。毒を持って毒を制す、ワクチンのような一冊。
投稿元:
レビューを見る
文庫の帯に加藤シゲアキが推薦文を寄せていたので読んでみた。
著者は2015年に亡くなった直木賞作家の車谷長吉。
朝日新聞土曜版に連載されていたもので、読者からの悩みに車谷氏が答えるというシンプルな人生相談形式なのだが、この回答のぶっ飛び具合がなかなか凄い。
一例を挙げると、定期的に教え子の女子生徒に恋心を抱いてしまうという妻子持ちの高校教師に対して
「生が破綻した時に、はじめて人生が始まるのです。」
「好きになった女生徒と出来てしまえば、それでよいのです。」
「阿呆になるのが一番よいのです。あなたは小利口な人です。」
と唆したと思えば、人の不幸を望んでしまう自身の心を入れ替えたいという主婦に対して
「まず思ったのは、この人は一生救われないな、ということでした。」
「あなたは人生の不幸を乗り越える力がありません。愚痴死が待っているだけです。」
と吐き捨て、妻が新興宗教にハマってしまった会社員に対しても
「夫であるあなたが説得することは出来ないでしょう。」
と身も蓋も無いことを書くという、真剣に悩んで相談を寄せた者からしてみたら唖然とするであろう回答ばかりなんだけど、第三者として読んでいる分には実に面白くて笑えてしまうのである。
特に「美禰子」のくだりは最高。まさか夏目漱石先生もダッチワイフに名前を拝借されるとは思っていなかったでしょうに。
初版から10年以上経っているけど、時代の経過を感じさせない魅力が本書にはあると思う。それは恐らく、世間一般でいうところの「道徳」とは対極にある、人間としての真理を突いた部分があるからではなかろうか。
投稿元:
レビューを見る
いずれ死ぬ、ということを覚悟した時から真の人生が始まる。始まることなく人生を終える人も多い。
人生に救いなどない。
鼻呼吸ができず、口呼吸のみの苦しさも共感。
救いのない人生を、どう生きるか。
読み終えて、さ、生きるか、と思える人生相談。