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伊吹、谷沢。
二人の関係性が危うく、脆く、儚く。
なんども何度も心臓が軋んで、涙をながしました。
歪んでる。
ものすごく歪んでる。
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ただ圧倒されました。
これほど読んでいる間中、息苦しさを覚える作品は初めて。
それでも、ページをめくる手が止まらず、
最後まで読むことが出来ました。
不遜と言ってもいいほどの自意識と、残酷で痛々しい小説。
振り返ってみると、私の時代にもグループの格付けのような空気は
何となくあったように思います。
なにより、”初恋”というにはあまりにこの二人の関係がつらい。
あんなに素直で純粋な伊吹が、なんだかかわいそうに思えて…。
村田紗耶香さん、はじめましての作家さんでしたが、つらい、息苦しいと感じながらも、最後まで読ませてしまうってすごい。
忘れられない一冊になりそうです。
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テレビで取り上げられていたので読んでみました。
なんだか胸が痛いなあ。
中学校時代を思い出したから。
心に宿る不安な気持ちと違和感の正体が何なのか知りたくて図書館であらゆる本を読み漁った中学校時代。
あの頃探していた答え合わせをしているような気持になった。
ニュータウンの完成を待つワクワク感、ニュータウンの建設によって失われる寂しさが、主人公たちの感情と交差して、物語を味わい深いものにしていた。
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ブランチで西加奈子さんがおすすめしてて。
今思うと学生時代の悩みってほんとにささいな事にすぎないけど当時は毎日の様に悩みが生まれていったのを思い出す。中学高校って進むにつれてスクールカーストは拡がっていく。
歪みすぎててちょっと共感まではいかない、でもラストまで読んだら少しだけ救われた。
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息苦しい。僕は男だからまだましなのかもしれない。それでも十分に息苦しい。僕はそこまで教室の中で自分自身を見つめたことはなかったかもしれない。強者と弱者を、上下関係として認識はしていなかった。たぶん。それでも十分に息苦しいのだ。記憶は蘇る。思い出しもしなかったことが、この本を読みながらいろいろと蘇った。そして、ますます息苦しくなっていった。小学生から中学生への過程の中で、確かにこれと似たようなことが自分の身の周りにもあった。そう、あったのだ。
結末は唐突で、だからといって明るい未来が待っているとは決して思えないけれど、少なくとも彼女にとっての確かな未来を手に入れたのだと思う。
読みながら、きっとどこかで大人になってからの再会シーンから始まる章があるに違いないと思っていたが、ついに最後までそれはなかった。よかった。たぶんそれを書いていたら、この物語はただの感傷になってしまっただろう。
でも、大人になっても、それなりには息苦しいよね。
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とにかく読み進めるのが苦痛だった。
私はノーテンキ過ぎるのかもしれないが、こういう事をぐしゃぐしゃ考えるのが鬱陶しい
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自分をさらけ出すことが難しい世の中だ。大人も子どもも。伊吹を見ていると、昔の自分やいろんな出来事・風景と重なって、すごく苦しく痛かった。物語は思春期の、男とは逆の立場から捉えた初恋物語だが、人とぶつかりあうことが苦手な全ての人への応援歌だなと思った。自分も含めて。出会えて良かったと思える作品。
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2015/9/11
「おもちゃ」にしてしまった伊吹に恋い焦がれてしまう結佳。
小学四年生の好奇心と自尊心、中学二年生のクラス内カースト。帯にあった「鮮烈」て言葉がぴったりの271P。
「教室」という世界しかなかった小〜中学時代のことがどんどん蘇ってきて苦しかった。
皆がわくわくしているものを、こっそりけなすと、なんだか自分がすごく特別な女の子みたいだ。
自分からちゃんと楽しんでる奴と、何もしない奴。楽しんでる奴は、調子に乗りやすくて、誰かを傷つけたりしてるのかもしんない。でも、自分から何もしないのに、つまんないって不満言ってる奴が、正しいっていうふうには思えない
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『私たちの身体は機械じかけで、ある程度身体の中が成長すると大人のスイッチが入って、そのしるしに少し血が出る。私は漠然と、そんなふうに思っていた。』
『朝が来ると、闇の魔法は解けて、私たちは黒い世界から白い世界へと引きずり戻されている。』
『女の子同士の適当な褒め合いは、結局自分が褒められる言葉を引き出したくて相手を褒めているだけなのだ。』
『見返すなんてばかみたいだな、と私は思った。見返すということは、相手と同じ価値観を共有するということだ。』
『黒い世界は私の呼吸をいつも少しだけ楽にする。』
『伊吹はこんなふうに、容易く女の子にエピソードをあげてしまう。女の子の中で、それが宗教になってしまうのも知らずに。』
『女の子は妄想と現実を絡み合わせて、胸に巣食った発情を処理できずに、体の中で初恋という化け物を育てていくのに。』
『余計なことしなければいいのに。出すぎた真似をせず、教室の中の価値観に従ってやり過ごすのだ。大人しく、立場をわきまえて振る舞うこと。それが自尊心を傷つけられない、唯一の方法なのに。』
「ならいいけど。あんたくらいの子は、自分のことを世界で一番醜いと思ってるか、可愛いと思ってるか、どっちかなんだから。白雪姫の魔法の鏡が、故障しているようなもんなのよ。大人になったらね…」
『女の子の未成熟な身体の中で、エピソードは宗教になり、初恋は化け物になる。』
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読み始めて間もなく、自分が読む本ではないかなとの思いがよぎったが、西加奈子さんの解説にある通り、ページに留まらせるものがあった。
現実社会に照らして考えたのは、不安定なコミュニティーが学校の崩壊を招くのではないかということ。マンションの自治会のお金の使い方として、お祭りへの参加が問題であるという意見まで出てきていいるようだが、それも深刻と思いながら、年に1度の行事がいくるかあるだけではコミュニティーは育たないとも思う。縦つながりのある安定した地域があって、プライバシーなど関係ない全方位人格がさらされていて、各人の得意・不得意そして個性が理解されていないと、学校の時間だけの社会序列のなかでのいじめはなくならないのではないかと感じた。
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ひりひりする。
自分が小、中学生だった頃を思い出して。
こういう、少女時代を過ごさなかった人っているのだろうか。だったらすごくうらやましい。でも、そうでもないのかな…、こういう時を過ごすのも大切なのかも…なんて思ってぐるぐるしてます。
今、彼女たちの母親の年齢の方が近くなって、
「あんたくらいの子は、自分のことを世界で一番醜いと思ってるか、可愛いと思ってるか、どっちかなんだから。白雪姫の魔法の鏡が、故障しているようなもんなのよ。」
という言葉にものすごく同感。
だけど、きっと彼女たちの耳には入らないんだろうな。
自分がこの年齢の頃に出会いたかった。
信子ちゃんのかっこよさをわかりたかった。
ちゃんと気持ち悪くなりたかった。
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うーん、痛々しい…
いつ崩れてしまってもおかしくない精神状態で、心は何度となく血を流してるけど、誰も死ななくてよかった。ひやひやしながら読んだ。
ホントに伊吹は幸せさん、でも、ずっと変わらずにいてくれて(彼なりの成長も認めるが)そしてきちんと結佳をみてくれていてよかった。
小さな頃からそんな仕打ちされて、よくそんな眩しいほど真っ直ぐに育ったわね。
その幸せさんがみんなに伝染しますように。
自分は若葉ちゃんだろうか…小川さんや井上くんを幼き日の彼らに重ねる。あの馬堀さんはどうしてるだろうか…
身分とは恐ろしいもので、初老になった今でもあのランクのまま想い出にある。
母の全く愚鈍さが自分に重なって苛立つけど、ここは子供だけの世界。学校が街が舞台なのに先生や大人がほとんど出てこないのが、その白い世界にのめりこみやすかった。
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白い世界。黒い世界。まっしろで無機質な新興住宅街で、生き苦しさを抱えながら生きる主人公。
鏡の前で、自分の容姿を眺めて悦に浸ったかと思えば次の日には欠点を見つけて思い悩んでいたり、恋に苦しんだり、目が合っただけでその日が最高の1日になったり、自分の教室内でのランクを確認したり…自分にも経験のあることがたくさんありいろいろと思い出した。
主人公の心情描写がリアルで生々しくて後半は痛々しいほどだった。単なるスクールカーストがテーマの話ではなく、思春期特有のいろーんなモヤモヤが含まれてた。
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小中学生女子特有のカーストというか、その中で自分を持ってると逆にしんどいんだな…て感じがした。
伊吹とは最後はこれでいいんだか分からない。
二人の結末より教室でのこれからが気になる。
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この本を読んで、中学高校の自分をちゃんと泣いてあげることができた気がする。
自尊心の低さでぐちゃぐちゃめちゃくちゃになった結佳を受け止めてくれた伊吹の強さと優しさに泣けました。
2015/02/19