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過去の自分を投影して胸が締めつけられたような作品。主人公の行動が唐突だなとたまに思ったが、これこそ子供から大人への成長段階だからということか。最近こういったカースト的な自分や同級生のランク付けした作品が増えてきたような。
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2013/12/7読了。
中学生の時のクラスでのヒエラルキーは、絶対的だった。
結佳と伊吹の関係は中学生になってからは変わってしまった。結佳のほうがヒエラルキーに敏感だからかもしれないけれど。
結佳の恋愛感情は中学生にしてはドロドロしている。欲望っていうイメージ。
無邪気な伊吹とのギャップがすごい。
結佳は容姿に自信がなくて
狭い教室のなかで自分の立ち位置をわきまえて必死に過ごしているけれど、
観察することで、自分が上だと意識する。
自意識過剰な年齢で
みんなが通りすぎる年代。
結佳を見ていると苦しくなってきます。
それでも結佳は伊吹への気持ちは止められない。
自分を卑下しすぎて本質を見てくれている伊吹を大事にできない結佳が切なかった。
それでも結佳は、きちんと伊吹へ思いを伝えてちゃんと嫌われて進もうとする。
殻に閉じ籠っていた結佳が一歩踏み出した姿は清々しい。
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どういうきっかけかは忘れてしまったが、「読みたい本リスト」に入ってたのに気づいて図書館で借りて読んだ1冊。
中学校でのいじめの場面が詳細に表現されていたので、いじめをテーマとした本として読みたい本リストに入れていたのかもしれない。
教員として読むと大変胸の痛む内容だが、冷静に客観的に読むと、主人公のような人物に焦点を当ててのストーリー展開が自分にとってはとても新鮮だった。
前半の章ではさすがに読み続けるのをくじけそうになったが、後半の章に入ると一転してぐいぐいと惹きつられるように読み進めることができた。
あと、「ヒエラルキー」と表現せずに「身分制度」と表現しているところが、主人公が中学生たる所以だなとリアリティを感じることができた。
印象に残ったフレーズを
「見返すなんてばかみたいだな、と私は思った。見返すということは、相手と同じ価値観を共有するということだ。ピラミッドの存在を肯定するということだ」(p138)
「道徳の教科書に何度か書かれても、私たちは教室を支配する大きな力に逆らえない」(p220)
「身分制度の外側に突き落とされていた私は、まだその渦中にいる若葉ちゃんを見ると、ちょっとほっとした。もうこれ以上落ちることはない、ということは不思議と私を安心させた」(p240)
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主人公が中学生になったくらいから、
心理描写がグサグサきたが、それも同じような場面が
何度も何度も繰り返されてくると
正直クドくて、もう、お腹いっぱい。
もう少し短くて切れ味のよいものにしたら
もっと評価はよかったでしょう。
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"学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。"帯文を読みながら、きらいだったとまではいえないまでも、好きだったことはあるのかなと思ったり。
読んでいて、鬼束ちひろの『流星群』の歌詞ががリフレイン。"呼ぶ声は いつだって 悲しみに変わるだけ こんなにも 醜い私を こんなにも 証明するだけ でも必要として"。傷口に抉る痛みが甘美とうそぶきたくなる小説。2日続けての傑作。
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生々しい。気持ち悪い。けれど懐かしい。学生のときは気楽でよかったよなとか思ってたけど、学生にもいろいろあったよなと、忘れていたこと思い出させる小説でした。
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王様のブランチで西加奈子さんが推薦されてて読みたくなりました。
続きが気になり一気に読みました。
今でいうスクールカースト的なのは学生時代あったなぁと。無難にやりすごそうとする当時の自分は確かに息苦しかった(そのことに気付いたのは社会人になってから。学生時代はその狭い世界しか知らないからそれが普通になっていた)
伊吹は小説だからこそ存在できるキャラクターな気がする。とてつもなく大人すぎて。現実だったら中学では結佳を変態扱いして、あっさり小川辺りと付き合ってしまいそう。
ただ本当に夢中になって読めた作品。
昔読んだ山田詠美の『放課後の音符』を思い出した。
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「人工的」にすくすくと拡大成長する予定の街が成長を止めたとき歪な街ができた。その中で暮らす少女たちも健全に成長することが難しい。学内のヒエラルキーは思春期特有の自意識過剰さから?こういう格付けは大人社会でもそこかしこに見られるのでは?要するに、思春期のままの大人が多いってことかー。高度成長期以降の日本の街作りもメチャメチャだもんねー。
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西加奈子さんが紹介していたので興味を持った。自分のどうしようもない感情や焦り。自分だけではないと安心感を感じてしまうと共に自分は特別な人間ではないと知らされてしまうような何かがある。少なかれど共感する部分があった。この本がこの年齢で読めたことがとても良かったと思う。
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ユリイカ推奨本。急拡大中の田舎っぽい新興住宅地に住む、結佳と若菜と信子は小学校の仲良し3人組。若菜は可愛くませた子で、信子は太り気味でセンスもいまいちだ。結佳はどうということもない普通の子?しかし結佳は習字教室で同級の小さな男子伊吹をおもちゃにしてキスをしたりする女子だ。中学に進学しクラスのヒエラルキーが確立すると、若菜はトップグループ、結佳は中位より下の地味真面目グループ、信子は最下層となり、伊吹は背も伸びクラスの人気者だ。しかし結佳の伊吹へのキス、というか彼の口内に舌を入れ唾液を舐める行為と言った方が的確な行為は続いている。しかもトップグループのリーダーは伊吹に多大な好意を抱いている。若菜が伊吹へ告白したことがばれて、最下層グループに堕ちたり(しかし女子はここまでしても一人でお昼を食べるのを恐れるのだろうか)、信子が上位組男子に無謀な告白をしたり、なかなかスキャンダラスな中学だ。しかも結佳は伊吹の家で強制フェラを敢行し精飲する。流石に伊吹との仲は気まずくなるが、ラストでは結局結ばれるのであった。女子中高生になれたら楽しいだろうと思うこともあったが、これほど大変な男子には判らぬ苦労があるなら、それはちょっと願い下げだなと思った。
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中学に行くようになると友達同士の上下関係やらグループやらいじめやらと嫌な人間関係を嫌でも経験しなくてはならなくなる。
努力して安定した居場所を見つける必要もある。
一部の何もしなくても強者でいられる人を除けば、皆、それなりに頑張っているんだと思う。
伊吹くんみたいなしあわせさんがクラスに数人いれば雰囲気も良くなるのに。
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何となくなんとなく、実体験では全く無いにしろ、新興地での学校で有るだろうなという生々しさく気持ち悪さも有るような部分も含め、リアルな感覚として受け止めて読めた。元々不安定な時期の登場人筒達の物語ってのもあって、後半の部分とかも違和感なく読み進められた。色々あったよねという記憶を蘇らせさせられる作品。
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誘拐犯は私なのかもしれなかった
彼だけが、何も知らずに、呑気にサッカーをしながら笑っている。恋をしてどんどん不自然になっていく私たちを嘲笑うかのように、自然体なままで。
傷ついたから、笑ってるんだよ!
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著者の著書を読んだのは2作品目。
前回と違って、今回はちょっと気持ち悪い、が先に立った。
親世代だからかな、と。
とは言っても、ページをめくる手は止まらず、一気読み。
小学校、中学校時代のカースト制度は、はっきりしたものでなくても、何となくあったなと思い出す。
伊吹のような幸せさんばかりだったら、学校からそんなカースト制度やいじめのようなことはなくなるのではないかと思う。
最後の展開には、親世代として、不安が残った。
危うい感じで結ばれてしまった二人。
ずっと思い合っていたとは思うけれど、欲望のままな感じが危険すぎる気がする。
考えすぎかな~
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「殺人出産」にドハマりしたので、こちらも読んでみました。うーん、女版桐島のようであり、「ツ、イ、ラ、ク」の主人公がそんなに魅力的じゃなかったらバージョンのようでもあり。
桐島は男目線だったから冷静に見れるけど、女子版はキッツい!
小学生~中学生時代のくだらない学校生活がすごくリアルに描かれていて、「うわあああ、忘れてたけど昔こうだった!二度と戻りたくない!大人で良かった!」「ここまでひどくなかったのは、私立に行ってたからかもしれない。。。うちの学区の公立中だったらこんなだったかも」などなど、恐怖感いっぱいで読みました。ところで背が低くて、無邪気で子どもっぽいところが人気の伊吹くんは、とっても魅力的かつよく意味がわからない謎キャラ。結佳の毒牙にかかるシーンはかわいそうの一言で、ラストシーンも全く感情移入できず。伊吹くん的にはトラウマになってないのかしら・・・。
さて「背が低くて子どもっぽくて魅力的な中学男子」というのはいまいちピンとこないので、読んだ人は、「はて?中学にいた○○くんみたいな感じかな?でもちょっと違うなー」と思いながら読むことでしょう。映画化するなら、誰が適任かなー。芸人系な気がするけど、思いつかないな。でも、地味キャラ女子が人気者男子に好かれるっていうのは、昔の少女漫画とかだったら鉄板なわけだけど、よく考えたら、
「そんなことになったら女子から総スカンでヤバい。全力で回避すべし!!」となって当たり前だよね。なんだか、少女漫画幻想がきれいにぶっとびました。そんなことには決してならないし、実現したらしたで面倒なのであります。昔の広瀬香美×大沢たかおとか、絢香×水嶋ヒロとか見てると、なんかイヤだもん。うらやましくないもん。
終わり方がいまいち納得いかなかった本作品ですが、舞台設定やキャラ設定は大好き。次は何を読もうかな♪