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現代の御伽噺の名手による、ろくでもない男の物語。どうして浅田次郎は情けない男をこんなにうまく書けるのだろう?
老いて病に衰弱しても背筋のしゃんとした母親との心の交流を、泣かせる会話で紡いで飽きさせない。思わず、ぐっときて通勤電車の中で目を赤くしてしまい、恥ずかしかった。ご注意あれ
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通勤途中でマジ泣き。
あざといなあ、と思うんだけどダメだ。情けない中年と人情を書かせたら右に出るものはいない。
これを読んで泣くとものすごくスッキリする。
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バブル崩壊で会社も金も失い、妻子とも別れたろくでなしの中年男城所安男。心臓病を患う母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるというサン・マルコ病院目指し、奇跡を信じて百マイルをひたすらに駆ける――親子の切ない情愛、男女の哀しい恋模様を描く、感動の物語。
予想以上にいい本で、曽我医師が出るところはかなり泣けるポイント。
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兄弟のキャラ設定がドライ過ぎる。
離婚の理由が書かれてなかったので、気になっていた。
(安男が不倫でもしたのかと思っていた)
結局、元のサヤに納まるだと!
やっぱ、マリだろ。ここは。
少なくとも、新宿の全キャバクラは捜査するべきじゃないか?
引越した後なんて、都合よすぎ…
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バブル崩壊で金も仕事もなくなった男はダメな生活を送る。よれよれのアルマーニがむなしい。
そんな時、母の病が悪化する。母の命を救うためボロの車に母を乗せ、病院まで連れて行く。
母のために全てを投げ出したダメ男の感動物語。
顔ぐしょぐしょになるまで泣ける。
ヒモ生活をしていたときの同居人、マリには幸せになって欲しいな。いい人すぎる。
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バブル崩壊で、家庭も崩壊。
借金地獄に、身内からも疫病神扱い。
そんなよれよれ中年が主人公。
母親の病気を治すために、ただ懸命に車を走らせる・・・
って、もう映画化するためにあるような小説じゃないか。
貧乏時代を思い出したくない、成功した兄弟たち。
いくらこの主人公に迷惑かけられたからって、
それと母親は別な気がするけどなあ~。
いくらなんでも、母親に対しては一生懸命になると思うけど・・・
ダメ主人公を、精神面でも金銭面でも支えた、包容力女性が、
最終的に身を引くところが、悲しい。
まあ、もしかしてそれって、男のご都合主義かもしれないけど。
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バブル崩壊で会社を失い、妻子とも別れ、法外な養育費を払い、同級生の助けで何とか生活している安男。心の優しい太ったホステスのマリのアパートに何となく居候して2年間を過ごしていた。
久しぶりに心臓病で倒れた母親を見舞いにいくと、症状は深刻であることが分かる。
母親は一人で貧しい中、安男と3人の兄姉を立派に育て上げたが、成功した兄姉は冷たい。
安男は母親に手術を受けさせるため、天才的な心臓外科医がいるサン・マルコ病院までワゴン車を借りて母を運ぶ。
その距離百マイル。
母の命と自分の将来をかけた百マイルの旅をする。
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年末年始の帰省のとき、実家で読んだ。
それがまずかったね。母親のいる場所で読むもんじゃない。読み終わって思わず、母親に
「長生きしろよ」と真剣に声をかけてしまった。
あとは「マリ」のように人を愛せる人間になりたいと思った。
おまえの器のデカさは、ハンパじゃないよ。
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無償の愛。綺麗事かもしれないけれどやっぱり素晴らしいこと。
マリの献身っぷりにはもう…
人間って捨てたものじゃないと思えます。
もちろんそうじゃない人もいるわけだけど。
電車の中で読んではいけません。
涙こぼれる寸前でした。落ち着くまで駅でたたずんでしまった。
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浅田次郎の作品には絶対的な「悪」が存在しない。
どんな「悪人」でもちゃんとその心持を書くことにより、そこに暖かみを感じてしまう。
この小説は特に、そんな作者のやさしさがよく現れている作品だと思う。
文句なく、お勧め。
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「だって、愛されることは幸せじゃないけど、愛することって、幸せだもんね。毎日、うきうきするもんね」
「ありがとうなんて、言うなよ。俺はそう言われるのが好きじゃないんだ。感謝されるのは、権威だからな。病気や怪我に打ち克って生きるのは人間の権利、それを支えるのは、医者の権利だ」「義務、じゃないんですか」「ちがう、権利だ。好きでやってるんだから、権利だよ。俺は、おまえのおふくろを切らせてもらう。いいか。」
「春名先輩の冠動脈形成手術は百パーセント成功している。俺は九十五パーセントで、あとの五パーセントはノーサイドだ。その五パーセントの意味をわかってほしい。ノーサイドを怖れるのは、俺も春名さんも同じだよ。つまり、切る勇気があるかないかだ。日本中の腰抜けどもに言いたいことは山ほどあるが、口では言わん。俺のメスで物を言わせてやる」
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天国というか、地上につくった楽園にむけて疾走するような話です。主人公の安男と、その母と、兄弟たち、離婚した妻、世話になっている女性の人間模様がどこか懐かしくて悲しい。。
読み終わったら、たまには実家に電話くらいしようかな・・・という気持ちになりました。
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浅田次郎は泣かせる小説が数多くある。私は、この本を読んでボロボロと泣いた。私の母は心臓弁膜症で、私が中1の冬に1度目。そうして私が42才になったときに心不全で倒れ、とうとう人工弁になった。その手術に耐えられる体力が出来るまで内科的治療を受け、違う病院まで私が母を車で送っていった。さすがに100マイルなんて離れた病院ではなかったが、それでも車の中でいろんな話をした。主人公とは違い、私は公務員で安定した生活ではある。しかし、手術前の母への想いは主人公と同じ。映画化され、映画も見に行きこれまた泣いた。中年の男性を泣かせる、ずるいツボを押さえた小説である。
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落ちぶれたダメリーマンが母親に捧げる無償の愛。底に落ちたからこそ見える母の息子に対する愛情。よかった。
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泣かせる系。でもって、復縁するか愛(?)をとるか、究極の選択みたいな話も出てきてせつなさすぎ系。話の引っぱり方が見事だよなー。