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色んな人の気持ちが絡み合って解け合って。
対極の物が混ざり合って分離して。
誰もが悪くて、誰も悪くない。
お互い、好きなのにね。
とにかく好きな本。ラスト2ページで泣く。
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又市がずっと引きずってるっぽい後手に回ってしまった話はこの二人のことだったんだ…!想い合ってるのにすれ違ってこんな結末になるなんて切なすぎる。
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隠坊堀で二人はどのように対峙したのか。『恨めしい』広辞苑によると『他からの仕打ちを不当と思い、その本当の心持を見ようとじっと堪えている気持』とある。向き合う二人は、お互いの、自分の、本当の心持を見据えたのか。終盤、すべての情念が解き明かされ、登場人物がぱたぱたぱたと生々しく印象を変える。あ、はれ。
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2回目。何年か振りに読んでみたら細かいとこを忘れていて、また感動してしました。様々な愛情がすれ違ってとっても切ないです・・・。全てを知ったときには、もっとうまく生きていけないものかと思ってしまう・・・。巷説百物語シリーズでは何でもうまくこなしてしまう、又市のもろさが見れます。あと、又市の普通じゃ語らない過去が知れるっていうのも面白いです。
(2007/6/17)
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これまた大学時代に読んだ1冊ですが、よかったです。
不器用で切ない様子がひしひしと伝わってきます。
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オーソドックスな筋の「四谷怪談」をちゃんと読んでから読めば良かったかな…。人物造形はしっかりしているし、話の筋立ても良い。比較して読む方が面白そうだ。『巷説百物語』シリーズもそうだが、原典を知っている方が楽しめるので注意。【061210古/070122】
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言葉が足りないと、こういうとき困る。
伊右衛門の最後があまりにせつな過ぎた。
いや、切ないっていったら、ばか者!なんて怒られちゃうかな。
あぁいう形でないと添い遂げることは確かに出来なかった。
江戸時代の武家屋敷での汚らしいやり取りの中、伊右衛門の頑なな清廉潔白な態度、上司への態度、そして岩の武家娘としての心情はあっぱれだった。
それに引き換え喜兵衛の汚らしいこと!
もう一度読まないと最後に何故?っていう部分が残ってしまうの。
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泣きました!従来の四谷怪談のイメージが払拭されて、岩と伊右衛門の純愛物語になってしまいました。女性として岩のような脆くも、優しく強い人に憧れます。ラストの情景は、とても柔らかな色彩が目に浮かんできました。
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四谷怪談の「お岩さん」のエピソードを例によって京極風味付けで読ませる。題名も「お岩」ではなくて「お岩」の旦那の「伊右衛門(いえもん)」を前面に出しています。
ただの怪談話では終わらせない巧みな語り口で、江戸時代の武士、町人の暮らしの矛盾、不条理を見据えながら、心根の清い人達の切ない愛の物語を紡いでいった作品です。
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今のところ友人に貸したっきり返ってきませんが・・・。帰ってきてー!!(泣)
お岩さんの話は有名でしたが、解釈を変えるだけでこんなにも悲しくて切ない話になるのですかと枕を濡らしました・・・。
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毒を盛られ、醜く変貌したお岩さんが狂い死んだ後、「恨めしや」と憎き伊右衛門を呪い殺す四谷怪談。本作は、その有名な怪談を登場人物や起こる事件はそのままに、実は岩と伊右衛門はすれ違いながらも愛しあっていたという新たな解釈で描く。四谷怪談をご存知ならば、その鮮やかな換骨奪胎に圧倒されるが、そうでなくとも、めぐらされた奸計の中、知らず悲劇に突き進み、死をもってしか通じ合うことのない2人の悲劇に、ただ涙することしかできない。美しく怪しい悲恋の物語。
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ぴちゃり、と音がした。
柄杓の雫が垂れたのだ。
「旦那――」
低い声である。
「人ってえのは」
ぴちゃり。
人ってえものは――直助は同じことを繰り返して黙った。
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愛憎、美と醜、正気と狂気…全ての境界をゆるがせにする著者渾身の傑作怪談。
鶴屋南北「東海道四谷怪談」と実録小説「四谷雑談集」を下敷きに、伊右衛門とお岩夫婦の物語を怪しく美しく、新たによみがえらせた、京極版「四谷怪談」
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映画観て再読。以前に読んだときはさらっと読み流しだったのですが、映像が作品世界に忠実に作られていてすごく感動しました。難しいと思うんです、京極作品の映像化。それを美しく仕上げたというのは評価できます。
四世鶴谷南北の「四谷怪談」とは趣の異なる作品であり、その両方を知っている人にとっては微妙だ、という点もあるのだと思いますが、私は好意的な言葉を多く聞きました。
凄惨な怪談物とは一転、情念と純愛を描いた作品に仕上がっています。
「お岩さん」で知られる岩が、凛とした正しい女性に、岩を裏切る極悪人である伊右衛門を実直な侍として描かれます。
その二人を取り巻く周囲の罠や策略によって、すれ違い引き離される二人。
人心の恐ろしさと狂気が存分に描かれたこの作品は、怪談物でありながら、おぞましい妖怪などで盛り上げるのではなく、最後まで恨みや復讐といった人の念を強く感じられます。悲恋の物語とはいえ、きっちりと現代的な怪談に仕上がっています。
(2004年2月20日)
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四谷怪談、お岩さんのお話。
お岩さんのキャラクターが今までにない感じで、サバサバしていて好みでした。
従来のお岩さんと云うと、従順で湿っぽくて恨んじゃう様なタイプなイメージでした。
が、京極お岩さんは湿っぽいどころか、凛としていて格好善いのです。
伊右衛門も傍若無人どころか善人過ぎるくらいでしたし、素敵だなあと思いました。
どの場面も雰囲気ばっちりで、素晴らしいのですが、特にラストシーンは凄く善いです。
もう是非、読んでいただきたいです。
私が買った本の表紙は、お岩さんの張り子だったんですが、なかったので仕方なくコレで。