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紙の本
それなら永遠に トーマには二度めの死はないのだ
2017/04/09 16:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:片住一理 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語は、少年トーマの死で幕を開ける。
彼はおとなしく素直で容姿もかわいらしく、フロイライン(お嬢さん)と呼ばれている少年だった。死の土曜の朝、彼は一学年上のユーリへあてて最後の手紙を出していた。その手紙の内容に関する解釈に悩み、手紙を破棄した直後に、ユーリはトーマにそっくりの転入生エーリクと出会う。
(以下、少しネタバレにつき注意)
子どもの世界というものは、家庭と学校、ほとんどそれで全てだ。
彼らのような寄宿生なら、なおさら。
ユーリも、エーリクも、オスカーも、彼らは父または母のいずれかを亡くしている。
そして学校に対しても彼らはそれぞれ悩みを抱えている――ユーリはヤコブ館の二階のはしの部屋とトーマに、エーリクは亡きトーマと重ね合わされることに、オスカーは校長先生に。
エーリクとオスカーが家庭に対する葛藤を、愛に関する葛藤を乗り越えたとき、ユーリもまた明るい世界と神と愛を取り戻す。
逃げ続けていたトーマからの愛を受け入れ、他者を愛している自分を受け入れるのである。
人間が「自分」であり続けるために必要なものは、名前でも血筋でも肉体でもない。
他者との間の記憶と、記憶してくれる他者である。
(トーマが死を選択したことを礼賛するつもりではないが)現実にいる己に対する様々な愛の欠乏によって命を絶つ多くの自殺者と異なり、他者が未だ気付かぬその人に対する様々な愛をその人に気付かせるために命を絶った彼のことを、ユーリは一生記憶し続けるだろう。
トーマの心臓の音が止むことは、決してない。
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愛
2019/07/28 12:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぺろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけは知っていましたが、今回初めて読みました。
冬の寒い朝、トーマヴェルナーは陸橋から飛び降りて自らの命を絶ちます。
ユーリはトーマからの手紙(遺書)を読み、自殺したことを知り追い詰められた感じになりトーマの眠る墓地に行くのですがそこでトーマにそっくりな人を見かけ・・・。
少年の愛や友情をテーマに描かれた作品です。
電子書籍
ギムナジウムにて
2021/01/03 00:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ボリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
全寮制のギムナジウムに学ぶ少年達。トーマの死の真相とユーリの秘密が転校生エーリクの登場で明らかになっていきます。生真面目なユーリと大人びたオスカーのふたりが同室。美しい! 深く読んで思いをめぐらせたい。