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成井昭仁のゆるいロード小説が好き。これも表面上ゆるい感じで推移していくものの、いつからかある村から出られなくなり、そしてやがて…という展開がすてき。
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BGM the end of asia / ryuichi sakamoto
やいとのおかげで快調です。
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「やいと」とは灸、お灸のこと。とある理由でプロボクサーを引退することになった主人公は、川崎のソープランド街でふらふらと自堕落な生活を送っていたが、父の突然の死をきっかけに父の仕事を引き継ぐ、というところから物語は始まる。
父の仕事はお灸の行商。主人公は父が死ぬまぎわまで肌身から離さなかった全国の顧客名簿を携えてお灸の行商に出る。
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人生の節目には、きっかけのような、機会を生み出すような儀式が必要なときがある。
この本の物語は蘖(ひこばえ)のような、死と再生の物語なのだと思う。
自分では切り落とせないものを、儀式によって取り払う。儀式とはいかないまでも、これからこうしていくというけじめをつける。それは、自らできる人もいるけれど、土砂崩れのようにはからずもまわりに流されてそうなる人もいる。
私は今、この本の始まりに立っている。自ら動かなければならないとわかっていても、なかなか踏みだせないでいる。
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すみません、好みの問題もあるでしょうが内容が私には理解不能…。
まんが日本むかし話や世にも奇妙な物語の様な雰囲気を感じ、悪くはない気もするけど、うーん。
やっぱり好きじゃない(ー ー;)
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嘘をつき騙し女淫に耽ってきた。己を顧み省察することもない誤魔化しだけの人生。父の死を機に一念発起、行商の旅に出る。家々を回りながら父が残した顧客と向き合い対話の中で相手を鏡とし自らを映し見出す。罪滅ぼしの行脚を続けるもどこか偽善的で「泥にやいと」。寂しい空虚が胸に響く。あくなき生への執着の果てに見る青空はどんな風に映ったのか。
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戌井昭人氏の不思議小説を読了。相変わらず若干枯れていて絶妙に軽い文体です。でもこれで食べられているのだろうか?小説家というのはたいへんだなあ。
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52/10000
『どろにやいと』戌井昭人
亡き父の後を継ぎ、お灸の行商をしている男が、ある村での奇妙な体験を綴った物語。
今、つい、奇妙な、なんて書いてしまいましたが、思い返してみると、そんなに、奇妙、なことが起こる訳でもないし、ヘンな土地柄、特に変わった人が出て来る訳でもなかったです。小説の中の世界ではごくあたり前に起こる範囲でした。
でも、そう思ってしまうのは、童話の様な文体が醸し出す、すっとぼけた雰囲気によるものかも知れません。
魔法にかかったみたいな気分。
奇妙なのは物語ではなくこの作品自体。
面白かったです。
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話は面白い。でも言葉が身体から発しているようには感じず、もう一つ文章が響いてこないのは若さなのかと。
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亡き父の後を継ぎ、万病に効くお灸を行商する「わたし」は、父の残した顧客名簿を頼りに日本海側の村を訪れる。帰りのバスに乗り遅れた「わたし」は、村で一泊することになるのだが…。全2編を収録。
14年上期芥川賞候補作。表題作は例によって魅力の薄い男が主人公のちょっとニヒルな展開の物語。芥川賞の選者たちは揃って戌井の力量は認めつつも何か足りない、的な評価だった。ただ短期間でこれだけ頻繁に芥川賞候補になるのだから大したもの。
(B)
2016年の読書はこれで終了。122冊(2冊は猫雑誌)読んでA評価は8冊(前年比+2)、B評価で☆5つが11冊(前年比+4)でした。
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ロードムービーのような、のんびりした感じでいくのかと思いきや、
途中からなんだか変な方向に...。
どこに辿り着くのか気になり、気づかぬうちに引き込まれる。
主人公の辿ってきた人生が少しずつ垣間見えて、
それとは似ても似つかぬお灸売りをするという設定がおもしろい。
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興味深い本だったというのが第一印象。
未来を切り開くのは自分自信であり、困難を切り抜けなければ勝ち取りたい未来はないのだ。
逆に困難がない未来はなくても同じであり、それは本当に望んでいたものではないし、どんな感動もあり得ない。