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舞台設定の妙がキラリと光る三つの短編。『秋の牢獄』のあらすじから、SF要素の強い作品群かと考えていたが、そうではなく、そこはやはり恒川光太郎らしさが惜しみなく注がれたノスタルジックな物語なのであった。
三作品全てに共通したテーマである<檻>そして、そこからの<解放>それぞれの物語が三者三様の趣を孕み、何か痛切に心へ訴えかけてくる気がする。
特に気に入ったのは、二作目の『神家没落』これは何とも皮肉な話だし、ある種では誰もが感ずる事なのかも知れない。自分も気が付かなかった内に手放してしまった大切なもの、そして気が付けば失ってしまったことをひどく後悔し、またそれへと手を伸ばしてしまう歯がゆさ。手に入るはずもないのに。
そうした痛みを帯びる情動は、決して報われないということを、うまく物語として形成している。そんな気さえした。【217P】
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奇才恒川光太郎の文庫本第三弾。
短編が3編載っている。
題名の”秋の牢獄”は11月7日が永遠と続く涼宮ハルヒ状態。でも打開策は死神に捕まえられること。普通は捕まえられることは、”死”つまりこの世界からの決別を意味するが、翌11月8日に行ける希望もあり、どこかそれを望むようになる主人公。なかなか意味深である。さすがである。
また、”幻は夜に成長する”は愛、憎悪などがどんどん不思議な方向に展開する不思議な話。
恒川光太郎ワールドから逃れられません。
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淡々としていて読みやすかった
3つの特殊な牢獄のお話です
題にもなっている「秋の牢獄」は、同じ日が繰り返すというありきたりだし、伯爵とかちょっとマイナス要素です
2話目の「神家没落」はよかった。こちらの牢獄は、ジョジョの奇妙な冒険のとあるスタンドを思い出しました
3話目の「幻は夜に成長する」は特殊な能力を持った人のお話し。無難なお話し展開でした。
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超読みやすい(笑)さらさらと1日で読み切れた〜 異世界の話が多い感じで幽霊的なものより妖怪的なものが好きな私にはビンゴ!な作家さん うまく映画化したら面白そうな話ばかり!恒川ワールドはまりました!3話の中では神家没落が一番面白かったです
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面白かったけど、尻つぼみになってしまったな。
逆から読めば良かった。
目が覚めると同じ日に、自分だったら何をするかな?
世にも奇妙な物語でウッチャンがやってたな~と思ったが
中身は全然異なるかな、小説の方が良いね
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牢獄からの解放を綴った物語であるという坂木さんの解説がスバリ。リプレイものといえば私も「ターン」を思い出すのだけど、時間の囚われ人が陥る暗い側面ではなく”繰り返し”を最大限有意義に使い救いをもたらすような描き方をしたのがとても新鮮で、恒川さんのこういう感性がすごく好き。
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「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の3編で構成。「秋の牢獄」についてはこの発想の作品、
映画(作中でこんなことが映画にあったと言われているのはビル・マーレー主演のコメディー「恋はデジャ・ブ」のこと?)はすでにいくつもあるしと思いながら読み進めていた。だが、北風伯爵が絡む中盤から後半の展開には引き込まれた。この作家ならではの読み応えのある内容だ。「神家没落」は「風の古道」に近い、現実世界に隣接する異世界に踏み込んだ人間の話。悪人の登場で物語がラストに転がるという展開も「風の~」に近い。もちろん面白い。「幻は夜に成長する」 は異世界ものではなく、異能力をもつ女性のモノローグによる物語。特別な能力をもつ女性をめぐりストーリーが展開する。異能力者ではおなじみの展開、彼・彼女らに対する周囲の人間たちの敵意、恐れが描かれており、この作品はこの作家にとって初のホラーとなりえるかも。連作を是非希望する。彼の著作はデビュー作から一気に三冊読んだので、ちょっとほかの本を読んでから次作を読みことにしよう。
この人の本って読んでるときの味わいが格別なので大事にしたいので。
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あれあれぇ。。。。。
「夜市」の感動は幻だったのか?
それともわざと失敗作を集めて本にしたのか?
美しい文章も、世界観も姿を消し、
後に残ったのは情緒の欠片もない悪意と駄文だった。
なるほど、この本には坂木司の駄解説がお似合いだわ。
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ルール違反だらけの現実社会からの逃亡。残酷だが、ルールのある異界の出現。わからないなりに解決しようと試みる、もしくはその現実世界をどうしようもなく生きていく。それをどう乗り越えるかは人それぞれ?
恒川作品はテーマがどれも同じなだけに、今後の作品に飽きが来ないか不安でもある。今のところ全然そんな風に感じさせないぐらい面白いけど。
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夜市(単行本)収録の2編読んだときも思ったけど、なんかじわじわ来る。もう一冊なにか別の作品買ってみよう。
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「秋の牢獄」、「神家没落」、「幻は夜に成長する」の3編を収録。
妄想癖を刺激されました。
自分がこの世界に放りこまれたらどうするかなとか想像するだけで脳汁出まくりです。最初はこんな世界に放りこまれてみたいと思うんだけど、色々想像すると最後は怖い妄想へと行き着くんですよね。
読み物としてはもう少し味付けをしてもいいのではと思ったけど、これぐらいのあっさりした感じに仕上げたのは読んだ人が勝手な妄想して遊ぶ為なのかなとか思いました。
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角川ホラー ですが恒川 光太郎はホラーではないです。
「神家没落」の最初のほうがとても古めかしく美しい。
一番好きなお話です。
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「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の三作。この方の作品は前に「夜市」を読んだことがあるけどそのときもおもったこと、ホラーと言うよりファンタジー。解説が坂木司さん。解説も好き。
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恒川さん2冊目
夜市と比べてしまうと「あれ?」と思うところもあるけど、この人の作品や文章の雰囲気は好きだなと実感。
短編が3作収録されてるけど、解説まで含めて一冊の本だと思う。
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「囚われる」ということは恐怖であると同時に、実は安寧を齎すものなのかもしれない。
風が淀むように、水が濁るように、やがては朽ち果てていくとしても囚われるということは、ある意味ではとても幸せでもあると錯覚してしまう。
そんな人間の心理の一片が垣間見えた。