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死体から異なる部位が持ち去られるセンセーショナルな連続殺人事件が主軸の本作。解説によれば島田荘司の占星術殺人事件へのオマージュとされています。
死体から失われた各部位は、どうやら一体の人間を造るために持ち去られたらしい。ここまでは確かに島田荘司の作品を彷彿とさせるもの。そして、その造られた人間の視点からも物語が語られはじめると一筋縄では行かない展開に。。
主役をはる鏑木刑事ですが、そういう設定にしろ人格がいまいちもやっとした印象。そしてあまりに突発的に捜査指揮代行となる件は、リアリティ含め必要不可欠だったのかなー?とちょっと不思議でした。
なんにせよ、後半以降、予想外の展開となるほどな発想で最後まで楽しめる作品です。
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“デッドマン”読了。
もしかして?!と思わせる描写。
鏑木班が、どんどんと事実に近づく時に
読者が置いていかれるコトなく、読んでいて気持ちがいい。
ハラハラもドキドキも共有できて。
じっくりとお話しの中に浸れた。
う〜ん。面白い!
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警察小説と本格ミステリが見事に融合したエンターテインメントの快作。
刑事同士の掛け合いも面白いし、事件の特異性や死者の語りなどによってリーダビリティも抜群。
後半になると結構あからさまな描写などで事件の全容が見えやすくなっている部分はあるが、それをとっても余りある面白さ。
熱い展開が好きな人にオススメ。
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私たちを殺したのは誰だ?
繋ぎ合わされた死体から蘇ったデッドマンが推理する。
移植の警察ミステリー小説。
どう着地させるんだろうと読み進めていったが、きれいにまとめている印象。
キャラクター造形も個人的にとても特徴が出ていたと思う。
安心してスリルと興奮を味わえる良作です。
テクノ店 福井
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第32回横溝正史ミステリ大賞受賞作、初めての河合莞爾。
猟奇的連続バラバラ殺人を追う警視庁特捜班の捜査状況と、遺体を継ぎ合わせ甦った死体(デッドマン)の視点の双方からストーリー展開するミステリです。
ちょっと警察小説っぽい感じもありますが、やはり基本はミステリですね。なかなかの一気読みでした。
特捜班側の踏み込んだ心理描写と、全体のエピローグ的締め括りがあれば、もっと良かったと思うのですが・・・
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頭部がないしたい、胴体がない死体…体の一部が持ち去られる連続殺人が起きる。本部には自分は死体から作られたデッドマンですのメールが届く。捜査するのは、いつもはあまり目立たない鏑木警部とくせ者ぞろいの部下。
捜査が結構つごうが良いな-とか、ラストもそんなんあり?とか思うところも多かったけど、登場人物のキャラがわかりやすく、読みやすかったところに魅力あり。作者はこれがビュー作らしいし、あと2作続いているみたいなので、もうちょっと読んでみる。
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横溝正史ミステリ大賞受賞作とのことで読んでみた。まあ死体復活はないと思っていたが、
なるほどね。こじつけ方がちょっと苦しいが、面白く読めました。鏑木班シリーズがあるらしいので機会があれば読もうかな。
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初読みの作家さんでしたが、文句なしの大好きな作家さんになりました。本の感想?最高です。おススメします。
あらすじ(背表紙より)
頭部がない死体、胴体がない死体、右手がない死体…。遺体の一部が持ち去られる猟奇殺人事件が6件連続して発生した。捜査が混乱を極める中、ある日本部に1通のメールが届く。僕は継ぎ合わされた死体から蘇った死人です。僕たちを殺した犯人を見つけてください―。鏑木警部補率いるクセ者揃いの特捜班が前代未聞の謎に挑む。度肝を抜く結末が待ち構える警察小説新次元!横溝正史ミステリ大賞受賞作、待望の文庫化。
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首のない死体が見つかる。
その現場は、整理されていて、なにも盗まれていない。
『きれいすぎる。』という疑問だけが残った。
その次に 胴のない死体が見つかる。
なぜなのか?
盗んだのはアタマなのではないか?
と 推定する 鏑木警部補。
それが、事件の捜査本部の部長代行に命じられる。
(ちょっと、ありえないが、物語をすすめるために必要)
経験の豊富な広木、暴走する姫野、プロファイラー澤田。
4人組が 中心となって 事件を解決する。
プロファイラーは、異常嗜好、怨恨、隠蔽のいずれにもはまらないと言う。
猟奇犯罪ではないと言う。
アタマ、胴、そして 手と足が接合されて、
生き返るというのが この物語の ツボとなる。
無理だよね。血液や免疫の問題、接合技術、様々な問題があり、
それを、接着剤のように くっつけることができてしまう。
つまり、それが できたように思わせることに 編集手腕がある。
あわせて、時間軸が ある一定のところでとまっている。
それが ロボトミー技術とつながる。
確かに、私が学生の頃に 反対の動きがあった。
それに、この作者は 私と同世代より少し若いくらいですね。
会話のたたみ方が おじさん臭い。
接合されたアタマが 記憶を 呼び戻しながら、
自分とは何か?を考えるのだが、
女医の高坂紫苑に アタマの名前を教えてもらう。
介護猿のアプに 助けられて 目覚ましく回復する。
志津という女性にも会い、自分の存在が見えてくる。
そして、タブレットも使い メールができるようになる。
限られた情報の中で 自分が何ものか 理解し始める。
自分が 死んだもの デッドマンの自覚が芽生える。
そして 捜査は デッドマンのメールから
急展開し始める。
物語の構成は 実にたくみだが、
やはり、デッドマンがつくれないことに、
物語が 記憶の存在とロボトミーにつながっていく。
医療技術は そう簡単に発展しない。
それでも、鏑木は シッポをつかんで 真犯人に迫っていく。
推理小説としては、あたらしい視点を持ち込んで、
うまく構成されている。
しかし、警察の組織構造が、物語に会わせすぎなところが、残念。
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久々の個人的スマッシュヒットで一気読み。あとがきにあるように、作者はまさに活字のイリュージョニストと思いました。
事件の猟奇性、そしてバラバラ死体から一人の人間を作るという奇抜さ。まずこれらの点に興味を惹かれました。終盤、そのトリックはおよそ予想できるようになりますが、最後まで「読む」モチベーションを維持するには十分な要素。
他にも高坂の正体は?デッドマンの時代錯誤感はなぜ?現職の官房長官が何に関わってるのか?など、終止ダレることない展開は最高。
そして何より登場人物が個性的でとても良いと思います。
まちがってシリーズ3作目になる(と思われる)「ダンデライオン」を先に読んでしまったのですが…そちらは既に読んでいる人向けだったためか描写不足感があったのですが、本作は一作目ということもあって各キャラがしっかり立ってて個性的に描けているので、分かりやすくて印象に強く残りました。
二作目以降も読んでみたくなり、また「ダンデライオン」も再読してみたくなりました。
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文体が独特で、内容もやたらハードボイルド、設定は奇想天外で面白かったです!
リアルすぎて退屈な小説よりもずっといいと思います。出て来る登場人物の個性も世代による違いなどもきちんと描かれているので映像が頭の中で展開する感じで、どんどん読み進めることができました。
他の作品ももっとたくさん読んでみたい著者です!
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全体的には可もなく不可もなくくらいの印象なんですが、この手の復讐話ってどうも苦手で・・・結局のところかなりひどい目にあってるわけですが、倫理とかそういうものに配慮してのことなのかわかりませんが、復讐を綺麗に遂げる結末ってほとんどみたことがないんですよ。往々にして追いかける警察側とかでも「俺だってあんな畜生殺してやりたいさ!でも・・」みたいなね。それこそ「倍返し」じゃないですけどB級スプラッターなみのめちゃくちゃひどい目にあわせてああすっきり!みたいなのがたまにはあってもいいんじゃないかと思ってみたり。これであいつも社会的には抹殺されたみたいなふわっとした感じじゃなくて。
この本だって、計画の流れで殺されちゃった孫のみなさんのほうが気の毒じゃないですかね?
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今月の1冊目。今年の7冊目。
1ヶ月ぶりの推理小説。読み応えはあった。が、もう少し登場人物に感情移入したかった。しかし、話の流れ・インパクトはいい感じでミステリ欲を満足させてもらいました。
定期的にこういう本を読んでいきたい。
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怖かったぁ〜
6人を殺して1人のパーツを足していくと一人の人間に。頭、左右の手、左右の足。。全部で6つ。
奇妙な殺人事件の意味するところは??
途中、話が飛躍してすこし辻褄があって無いような気もしたけど、話としては面白かった!
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インパクトが強い表紙が素敵であること、そして第32回(2012年度)横溝正史ミステリ大賞受賞作なので更に加点が付き読んでみた。殺人行為は過激で、グロ路線かと期待したのだが文章からは嫌悪感は感じない。現実感がなければ、怖さが伝わらず。謎解きにいたっては、殺人動機は理解できるとして・・・