投稿元:
レビューを見る
今回はシオンが主人公。メガネ少年がメガネ少女と出逢います。ようはメガネが書きたかったんですねと。そんなわけでちょっと釣巻和の作品を思い出すところもありました。
相変わらず人物にしても舞台にしてもよく描かれていて、読みようによって色々意味を引き出せるようにできている一方で、ストーリーは淡々と進んでいきます。
彼を心配するレビはともかく当人(とデボラ)は僅かなシーンを除いて感情をまったく面に出さないように描かれています。そしてそれは彼らの「自然」な態度などではなくて彼らなりの選択に基づく意識的な振る舞いの結果であり……という葛藤を描ける(描かないことによって描くことができる)のも売野機子の魅力ですね。
それはそれとして今作の主人公たるシオン(とデボラ)のモノローグやダイアローグが若干難解で一回読んだだけではよくわからなかったのですが… :(
投稿元:
レビューを見る
つい最近「残酷な神が支配する」を読み終えたところで、脳内に基盤がしっかりできていたので、どっぷり浸かって読むことができました。
物語自体はシオン回でしたが、裏レビ回でもありました。
作者の人物の描き方がものすごく好き。
絵ももちろん好きだけど、主人公と対に焦点を当てられたもう一人が衝突し、分かり合えないながらもお互いなりのこたえを出して前に進んでいくところ。
思えば1〜3巻までパターンは一緒ですが、キャラも違えばその像もしっかりあるので飽きずに面白い。どんどん世界観にはまっていく自分がいます。
続きが楽しみで仕方がないけれど、時間をおいてじわじわ読みたい漫画でもあります。
投稿元:
レビューを見る
2巻までは全体の構成がつかめずに、「このエピソードもう終わり??」てなっていたんだけど、3巻が出てようやく一人一人の物語を追っていく構成なんだと理解できた。これはもしかすると結構長くなるのかな…?
3巻は1冊できれいに完結しているエピソード。
夏至祭の季節。
毎日ストイックに練習に励み、神に祈りをささげるシオン。そんな彼が、バレエアカデミーで合宿に来ていた少女デボラと出会う。デボラはシオンと同じくバレエにストイックに打ち込む少女だった。恋愛が禁止されている中、自分に似ているこの相手なら恋に落ちずにいられる、と二人は思い、逢瀬を重ね、夏至祭に二人で参加する。
一方、クワイアの図書室には在学中に恋に落ち天使にならずに心中した少年少女の幽霊たちが住みついている。幽霊たちの姿が見え声が聞こえるレビは、そんなシオンの様子に危惧を抱く……。
道ならぬ恋に苦しむシオンがそれでも歌で評価されること、またレビから物語によって救いを得られる発想が示されるということ。ともすれば不幸な結末になりがちなエピソードだけど、この話はたくましさと明るさを感じさせるものだった。
投稿元:
レビューを見る
こういう真面目ゆえにこじれちゃうキャラ好きだー。
神への想いが真剣で揺るぎない人ほど道を誤りがちなのは何故なんだろう。
そういうキャラってだいたい破滅的なことになるけど(そしてそんな展開が嫌いじゃないけど)これは救いがあって良かったなあ。
投稿元:
レビューを見る
201403/ある意味シオンは幸せ、少年特有の傲慢な独りよがり。「強くはないけど、弱い心を見せてくれているときは自分の弱さは見せないであげたい。今度は私の弱さも聞いて」と言えるデボラは少女ではなく。そしてレビはどこに向かうのだろう。前2作よりわかりやすいけど、描かれてること以上に描かれてないことのほうに息がつまりそうな危うい世界感がすごい。
投稿元:
レビューを見る
真面目なイメージのシオンでしたが、この巻は完全に恋物語でしたね。
こういう展開もあるのかと他の人物の話が楽しみになった。
投稿元:
レビューを見る
生きることへの讃歌をうたうということ、それがこんなにも苦しくて嬉しくてかくも辛いことなのか、それぞれに降り積もる時間が彼らを確実につくっていく
投稿元:
レビューを見る
天使の声を与えられた早逝の少年たち。敬虔さを装うのは、病死ではない神に選ばれたのだと信じたいから。恋を汚れだと遠ざけるのは、生きる喜びを知りたくないから。ある夏の日、シオンはバレエ団の少女デボラと出会う。恋に溺れるーー。
心中とはまた古典的な…。物語の様式美ですね。現実だったら、恋に泥酔してる、脳内麻薬過剰分泌でラリってるんじゃないのと思うところですが。
投稿元:
レビューを見る
バレエアカデミーの眼鏡っこ、デボラと信心深く天使を目指すメガネのシオン、図書室の幽霊が見えるレビの3人がメイン。