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「ケルベロス」のフクイタクミ先生新刊ということで購入。今回は前作と違い、圧倒的にコンプレックスを抱え込んだクゥバンテが主人公。少年漫画では欠かせないコンプレックスの克服、自己の変革を目指し力を得るが、果たしてそれは本当の自分の力となりうるのか、これから彼が歩む道がきになる物語です。
自分を変えたい気持ち、なにをやってもうまくいかない。それによって周りから非難されるのはいい、それがまだ自分だけなら。こうしたクゥの悩みは彼の優しさゆえなのがなんとも悲しみを誘います。しかし、騎士となる前に洗脳から抜け出せたのもその優しさのおかげというのが皮肉めいていて、複雑な気持ちになります。この悲劇は姉のノイエの溺愛が産んでしまったとも言えますが、この先の展開でそんなノイエの変化も楽しみではありますね。
なぜ天使の肚はそこにあったのか。人類を皆殺しにせよと命令を施す天使、彼らの目的はハッキリしている分なぜそんな結論に至ったのかも気になるところです。天使の尖兵である騎士として覚醒したシイドは権力者を滅ぼすと言っていますが、その力の行く末はやはり天使に矛先が向くのでは?と思うのだがどうなるんですかね。
今のところ王道な少年誌展開ですが、主人公たちがどういった道を歩むのか。非常に楽しみなのでどうか打ち切りになりませんように。