苦心のあとがうかがえるが、なじみのないコーランに親しみを覚えられる一冊
2006/01/08 23:44
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投稿者:アラン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はこれまでギリシア神話、アラビアンナイト、旧約・新約聖書、シェイクスピア等の古典を平易に読み砕いた解読本を著してきたが、ついに時節にかなった一冊が出版されたと言えるだろう。
これまでの解読本は、主なトピックを取り上げ、著者得意のユーモアで料理し、読者の興味をそそるというスタイルであった。ところが今回は趣を異にする。「アラーは血沸き肉躍るストーリーの開陳にはあまり関心がないらしく、出来事の断片を語っている印象が拭いきれない」とあるように、コーランの中にある話のストーリーはそっけないもののようである。またこれも著者が繰り返し述べているように、「コーランが詩的であり、音楽であり、翻訳では会得できない部分を相当に含んでいる」ため、日本語でその魅力をあますことなく伝えるのは、かなり難しいのであろう。著者も今回は苦心したことがうかがえるが、イスラムの歴史、旧約聖書との対比、サウジアラビア旅行記等を織り込み、全編通じ、知的好奇心が刺激される内容となっている。
あえて2点苦言を呈すると、まず雑誌での連載を文庫にしたからなのか、やたらと同じ内容の記述が繰り返され、くどいと感じること、もう1点は何点か誤字があったことである。しかしコーランという一般の日本人にはなじみがないものを、親しみをもてるようにするという試みは成功していると思う。
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投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラム教に少しでも興味がある人は読むべき作品。気軽にイスラム教の基礎であるクルアーンに触れることができる。
コーランの基本を知るにはすごくいい
2020/05/27 09:01
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投稿者:Ta - この投稿者のレビュー一覧を見る
コーランとは何か。イスラム教とは何か。という基本を知る為にいい本です。そもそもユダヤ教やキリスト教と関係があることも初めて知ったし、この本を読んでなぜイスラム教の人々が熱心にお祈りしているかも少しはわかった。
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筆者にはクルアーンはつまらないらしい。クルアーンのことは知りたいけど、クルアーンそのものの翻訳はちょっと、という人は読んでみてもいいかもしれないけど、クルアーンの入門書ではなく感想文かも。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2011/10/8〜10/15
阿刀田さんの知っていますかシリーズ。とうとうコーランである。イスラム教の教義は日本人にとって馴染みが薄いが、阿刀田さんの軽妙な解説で概略を知ることができた。でも、流石の阿刀田さんもコーランには手を焼いた感じが伝わってくる。キリスト教との関係は面白いなあ。
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ブラックユーモアでおなじみの阿刀田高さん。イスラム教になじみのない人向けの、とても読みやすいコーラン入門書。
それほど辛くはないですよ。
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予言者ムハンマドが受けたアラーの啓示を収録した「コーラン」。イスラム教徒の聖典でもあります。 コーランでも聖書でも小難しい言葉で書いてあり、分かりにくい。でも読んでみたいという方。 概要だけではあるが、分かりやすく説明した一冊。なかなかおもしろいです。 解説シリーズは他に、 「アラビアンナイトを楽しむために」、 「旧約聖書を知っていますか」、 「新約聖書を知っていますか」、 「あなたの知らないガリバー旅行記」などもあり、おすすめです。
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イスラムやコーランの世界については殆ど何の知識もない状態で読み始めたので色々と発見があった。
内容については自分の中で比較対象となるものがないのでなんとも。
面白くて読みやすい本。
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アラーって、マホメットにやさしすぎじゃない? と思ってしまう。
唯一神のくせに、けっこー意見も変わっちゃったりしてて人間臭いなーと思った。
それにしても、マホメットはもともと才能がある人間だったんだ。
やっぱ神も、才能がある人間を好きなんだよね。って悲しいわ!
コーランはこの本ですこし触れただけに過ぎないんだけど、
なんだか屁理屈くさい文章がたくさん出てくるから、あんま信用できないなぁ。
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(2006.11.14読了)(2006.09.18購入)
積読中の「コーラン」全三巻を読むことに踏み切らせたのは、この本です。通常は、入門書を読んで終わりか、入門書を読んでから原典を読むと言うのが多いわけですが、今回は、あれこれ迷った末、原典を読んでから、入門書で、まとめにしようと考えて、原典を先に読みました。「コーランの世界」「イスラーム文化」で寄り道はしましたが。
イスラームに関する積読は、まだ大量にありますが、ここで一区切りにしたいと思います。
「コーランを知っていますか」は、読みやすくて分かりやすく、「コーラン」の引用も結構してあるので、ある程度コーランを読んだ気にもなれます。「コーラン」原典を読むよりこの本一冊読むほうが、イスラームについてよく分かります。
専門的な入門書としては、「イスラーム文化」も捨てがたいですが、これからイスラームについて学びたい方は、「コーランを知っていますか」をまず読むことをお勧めします。
●コーランの代表(14頁)
第一章がエッセンスであり真髄を短く示したものであるのに対し、第二章はコーランで扱うほとんどのトピックスに触れている。
●旧約聖書、新約聖書、コーラン(34頁)
旧約聖書は古代ユダヤ王国の建国史と読むことができる。新約聖書はイエス・キリストの伝記として読むことができる。コーランの記述は、歴史ではない。伝記でもない。もちろん論文ではない。あえて言えば、親父の説教に似ている。
●六信五行(186頁)
六信は文字通りイスラム教徒が信ずべき六つのもの、すなわちアラー、天使、啓典、預言者、来世、そして天命である。
五行は信徒が六信を胸に抱いて実践すべき五つの行為であり、信仰告白、礼拝、斎戒、喜捨、そして巡礼を言う。
●礼拝(205頁)
「私たちはアラーに祈ることが生活の中で一番大切なことなんです。仕事はその次です」
●飲酒に禁止(283頁)
飲酒については、特に節度を失うような飲み方でなければユダヤ教もキリスト教も禁じていないし、アラーも当初はそれほど厳格ではなかったようだ。だが礼拝を怠り、敬虔さを失い、風俗を乱すことが多いのを見て、悪魔の誘いとしたのではなかろうか。
(飲酒運転をなくすには、日本人を全員イスラム教徒にすると言うのも一つの方法かもしれない。)
コーランの日本語訳は、日本ムスリム教会発行の「聖クルアーン」を基本資料としたと言うことです。但し、アマゾンで検索してみると、「品切れ」でした。
著者 阿刀田 高
1935年 東京生まれ
早稲田大学文学部卒業
1978年 『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー
1979年 『来訪者』で日本推理作家協会賞受賞
短編集『ナポレオン狂』で直木賞受賞
1995年 『新トロイア物語』で吉川英治文学賞受賞
1993年より1997年まで、日本推理作家協会理事長
2003年 紫綬褒章受章
(「BOOK」データベースより)amazon
遺産相続から女性の扱い方まで厳格に、でも驚くほど具体的に、イスラム社会を規定する『コーラン』。日本人には理解しにくいと言われるこの書も、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。神の言葉『コ���ラン』は、実は後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなものなんです。イスラムとの協調が絶対不可欠な、今だからこそ読みたい『コーラン』の、一番易しい入門書。
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すごく評判のいい「コーラン入門書」のはずなんだけど、
私とはちょっと相性が合わなかったみたい。。残念。
コーラン=後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなもの
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馴染みがあるようでない。知っているようで全く知らない。宗教としてでなく、一つの物語として読むと面白いかも
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コーランを訳した文章は難しい
著者の解説があってやっと輪郭がたどれる…でも難しい
イスラム教の起こり、発展、ムハンマドの死後その流れをなんとなく掴む事で、近代から現在のイスラム社会で起きていることの意味が少しわかる
知っておく必要があるんだと思う
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今回、この本を読んでみて初めて腑に落ちたのは「イスラム教の神とユダヤ教やキリスト教の神は基本的には同じもの(要するに唯一の絶対神)であり、イスラム教の始祖とされるムハンマドはモーセ、アブラハム、イエスといった預言者の一人であり、それらの先輩預言者に成し遂げられなかった『唯一の絶対神』に対する信仰を広めるために最後に遣わされた者である」というものだということでした。 中世以降現代に至る世界情勢と照らし合わせた際に感じる、「ユダヤ教」「キリスト教」との確執を思えば決して仲が良いとは思えない「イスラム教」だけど、それでも敬虔なイスラム教徒曰く
「異教徒との結婚は原則ダメ。(これはわからないじゃない。) でも、ユダヤ教徒やキリスト教徒なら許される。 多神教を信じる者は絶対ダメ。 仏教は人間(お釈迦様)が考えたものだから宗教ではなく哲学。 イスラム教は『神の言葉』で、こういうものこそが宗教。」
とのこと。 なるほど~。 よくわかんないけど、何となく言わんとすることはわからないじゃない・・・・。 まあ、KiKi なんかの感覚だと「ムハンマドが預言者ならお釈迦様だって預言者と考えればいいんじゃない??」と思わないでもないんだけど、やっぱり「唯一無二の絶対的な神」という形而上的な存在を肯定するかしないか?がポイントらしい・・・・・。
(全文はブログにて)
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実家は仏教(お葬式くらいしか関係ないけど)、幼稚園はキリスト教で聖書は暇つぶしに3回くらい読んだ、ギリシャとかヒンドゥーとか神道の神々のお話は面白いから好き。で、残ったメジャーどころなのにまったく知らなかった「イスラム教」のことを知りたくてこの本を探してた。
コーランを意訳したり旧約・新約聖書と比較したりしながらかるーく解説してくれるので、イスラム教が全くわからない人にはオススメ。
やっぱり一神教って寛容さがなさ過ぎるのが怖いなぁ。