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宮部みゆきの『荒神』の新聞連載の原色挿絵403点+αに物語の要約を添えて単行本化。
人が呪術で創り出そうとした怪物が世を経て生まれてしまい、人々を喰らう。みんなを救うため恐れず立ち向かおうとした人々の中に、運命で呼び寄せられた人がいた。
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小説『荒神』の新聞連載時の挿絵を全て原画そのままのオールカラーで掲載した絵物語集。当時見かけた時はモノクロ掲載もあったので、今になって実にもったいなかったんだなあと改めて思う。こうのさんの絵の持つ優雅さと艶やかさが小説の世界を広げてくれるようで、これもまた面白い。問題の「土御門」はこうきたか、というタッチ。こういう怪物の見せ方も絵としてはアリか。
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宮部みゆきさんの「荒神」をイラストと簡単なストーリーで読みやすくした絵がメインの本。
「荒神」連載中にこうの史代さんがイラストを担当していたというのを知ったことから、「荒神」→「荒神絵巻」と順に読みました。本編の小説には、結構グロい表現もあったので、それがこうのさんの絵としてどんな風に描かれているのか、登場人物たちがどのような人物として描かれているのか、物語をおさらいしながら楽しく読ませてもらいました。…楽しいお話ではないんですけどね…。
本編を読んだ時には答えを見つけられなかった、やじの正体が書かれていたのでスッキリしました(書かれていたのかな?そうだろうと思いつつも明確な記述を見つけられなかったんですよね…)。そして、絵でも宗栄がかっこよくて満足です(笑)。
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私は新聞小説を毎日読んで一作を読み通したことはない。もしも毎日新聞をきちんと読む習慣を持てば、新聞小説もその張りになって普通の小説を読むだけではなく毎日挿絵と共に味わう新聞小説読み手だけに与えられた愉しみを堪能出来たのかもしれない。私はまだその域に達していない。ただ、小説が本になった時に、あの膨大な挿絵がそのまま本に付随することはなく、ほほ全てが闇に葬られることは残念に思っていた。
この「荒神」は、なんと「この世界の片隅に」を描いたこうの史代が挿絵を描いていたという。それが闇に葬られるのは、こうのファンにとってはあまりにも残念なことだったことだろう。その意を受けて、異例の一冊になった。よくある絵のみを並べたものではなく、原作をこうの史代自身が換骨奪胎して絶妙に縮めて文と絵を同時に鑑賞出来るようになっている。原作のあらすじとしては長過ぎ、原作そのものからは、微妙な味わいは無くなっているが、原作を読んだものにとっては、いったい何処を削ったらここまで短く出来るのか不思議なほどの、セリフ含めてほぼ全てが網羅された要約をしている。これを読んで、原作を読んだ気になるのも困るが、原作を読んだ者があの複雑な政治的・怪奇物語を丁寧に反芻理解するには、格好の一冊になっていると思う。
何より、こうのファンにとっては、挿絵ほとんどと、描き下ろし挿絵が載っている。しかも、新聞連載時にはわかるはずもない、全てがカラーで載っているのである。
原作を読んだだけでは、ハッキリわからなかった「怪物(荒神)」の具体的な姿、まるでその後に登場したゴジラの如く次々と変化していくその様が、初めて納得するように我々の目の前に現れたのも嬉しかった。
全編カラーなのに、定価1200円でお求め易いのも嬉しいところ。
2017年10月21日読了
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2015/01/post-6c21.html
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荒神絵巻 2014/8/20
こうの史代
2016年1月30日記述
宮部みゆき氏が朝日新聞に連載した作品荒神。
その作画を担当した漫画家・こうの史代のその挿絵を全てカラーで収録。
より荒神の作品、世界観が広がっていく事だろう。
本来なら本と一緒でも良かったかもしれないが・・・
新聞連載された作品が書籍化されるのはある意味自然である。
しかし挿絵などは反映される事はまず無い。
その意味においても良い仕事をしたこうの史代氏の作品がまとまった形で世の中に出る事を歓迎したい。
特につちみかどさまは文章を読んでいるだけではイメージが掴みきれない。
その意味においても本書は良い。
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まさに絵巻。原作を読んでいないけど、こうの史代さんの挿絵を目で追うだけで楽しめました。人が呪術で創り出した怪物「つちみかど」人々のために身を挺して怪物に呑み込まれる朱音。「怖がらないで。私があなたの心になる。」切ないラスト
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宮部みゆき原作、こうの史代のカラーイラストが満載。怪談のような展開から、ちょっと切ない場面や、権力者の圧力に憤りを感じたり。ラストは、さみしい気持ち。
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昨日読了した宮部みゆき『荒神』を原作に、こうのさんが絵を付けてくれた。まるで映像化する際の絵コンテのようだ。やはり原作を先に読んで良かった。荒ぶる神は、その残虐な行動とは裏腹に鱗がパステル調で表現されていたのも、こうのさんらしい。本書の結末は朱音が、残された皆に語り掛ける。永津野領の溜家での、短いが幸せな日々のスナップショットがエンディングに配されたのも良かった。