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長門国 (山口県) 銅山で使役する国人17歳
歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。都に献上する銅をつくるため、若き国人は懸命に働いた。優しき相棒、黒虫。情熱的な僧、景信。忘れられぬ出会いがあった。そしてあの日、青年は奈良へ旅立った。大仏の造営の命を受けて。生きて帰れるかは神仏のみが知る。そんな時代だ。天平の世に生きる男と女を、作家・帚木蓬生が熱き想いで刻みつけた、大河ロマン (アマゾンブックデーターベースより)
卑弥呼つながりで読む
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美しい景色と銅山での課役。そして奈良の大仏建立への挑戦。一人の人足の目線で語られる一大スペクタル歴史小説。天平の時代の彩る情景を思い浮かべる事が出来る美しい表現力。神の領域か。後半は味わって読もう♪
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奈良の大仏を製作する為の、人足(力仕事をする作業員)の物語。
時代も環境、身分、境遇は違えども、現代の自分達と変わらぬ「人の感情」がそこにはある。いや、むしろ常に生死を意識しながら、己の体を目一杯に使う毎日だからこそ現代以上の強い「感情」がある。
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(上下巻通じての感想です)
奈良の大仏を作る物語ですが、時の権力者や僧侶の側からではなく、作業に直接携わる人足の側から書いています。大仏の材料となる銅鉱石の掘り出しから始まって、精錬し、地方から都へ舟で運び、大仏の製造鋳込みを行います。その作業過程の描写や働く人足たちの気持ちの記述は素晴らしかったです。
ただ、ちょっと残念だったのは主人公があまりにも体力的、知的、人物的に優れていたことでした。もっと庶民の姿で書いてあれば良かったのにと思いました。
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国人が都で大仏を作って
薬草が重宝がられて
詩を学んで…
と充実していた部分が面白かった。
長門に戻ったら会いたかった人達がなくなっていて
ちっともハッピーエンドではなかったのが辛い
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久々にヒット!
地味な主人公だけど、奈良時代の話が克明に描かれていてその時代が目に浮かんでくるようだ。
箒木篷生って知らなかったけど、他の本も是非読んでみたい。
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いろんな人が絶賛されていたので、図書館から借りて読んだのですが、私にとっては絶賛とまでは行きませんでした。
普通悪役になる人足の頭たちも皆いい人ばかりで、精神的な辛さを感じさせないのです。労働の過酷さは書き込まれているのですが、いわゆる虐待だとか強制労働といった雰囲気が無いのです。もちろん、15人で国を出たのに、帰国できたのは1人だけという悲惨さはあるのですが、そこは軽く流されている感じです。
"三たびの海峡"と比較してそこの辛さが少ない分、帚木さんのヒューマニスティックな良さが出切ってないように思えました。
むしろ、歴史小説としての面白さのほうを強く感じさせられました。奈良時代の銅の製法、大仏製造の技術、民間の食事。これまで奈良時代の庶民生活を描いた本は読んだことが無いので、そのあたりに新鮮さを感じました。
ところで、この作品についての、児玉清さんと帚木さんの対談を見つけました。なかなか面白いので、一読してみてください。
Http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/331411-7.html
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奈良時代に大仏像のための銅を作り出すために懸命働く若者たちの物語。全く明るい話はないが、懸命に生きる姿に清々しい思いも出てくる。色々な場面で登場する拍子歌が物語を少しだけほのぼのとした雰囲気にしてくれる。さて、大仏はどうなるのかの後編に続く。
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極上の銅を命懸けで掘り出し、精錬して鋳込む。若き国人も仲間と共に都に向かった…。奈良の大仏造りに身を捧げ、報われずに散った男達の深き歓びと哀しみを描く大平ロマン。
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奈良の大仏を作るために全国から集められる人々。その中で長門から竿銅を作っていた国人がやがて奈良で大仏を作り懸命に生きる姿を描写する。
習字や薬草についてなど探究しながらも長門に帰る日を夢見て。
昔の建造物には奴隷のように働いた一人一人がいたんだ、東大寺の大仏見に行くぞ。古代の旅の風景も興味深い。
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長門の国から石を切り出し銅を造り都に運ぶ。
大仏様をどうやって造りあげていったのか。
詳しく描かれた工程を読みながらもっと知りたい事は検索しながら読みました。
奈良の大仏様をこの本を読み終えてから、又この都を造りあげた関わった人々に対して参拝したいですね。感慨深い本です。