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ゆっくり読むつもりが
一気に上下と読んでしまった。
面白かった。
ハッピーエンドなのが何より。
五庄屋もすごいけど、菊竹さんもすごい。
心入れ替わった反対派からもらった150両はどうやって使ったんだろう?
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「水神 上」
目の前にたくさんの水を蓄えた筑後川があるにもかかわらず、台地に住む百姓のところには全くその恩恵は無い。
毎年の年貢を納めることもままならず貧しい小さな村の5つの庄屋が筑後川の水を堰き止め渇水に苦しむ村々に水を分配する大工事を計画!
とうぜん新しいことをやる時には反対派やたくさんの困難が付きまとう!
九州地区の暖かい訛りで読みやすいけど、物事を順序立てて上にあげて行く様子はまるで企業と同じ!
果たして、無事に川は堰き止められ村は水で満たされるのか
?涙涙なんです。
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再読です。
ややドロドロした本が続いたので、真っ直ぐな物語が読みたくなって。
江戸時代、両側を川に挟まれながら台地ゆえに水が回らず、困窮する村々。そこの五人の庄屋が立ち上がり、私財をなげうって筑後川に堰を設けて村に水を引くまでの物語です。
彼らの無私な熱意は藩を動かし、最初は反対をした他の庄屋や町の商人をも巻き込み突き進んでいきます。
悪人が一人も出てこない、真っ直ぐな話です。真直ぐゆえに、ストーリーの曲折は少ないのですが、それを十分にカバーする力があります。
でも、地図くらい付けて欲しかったなぁ。どうも水路の構造が理解できずに、話が見えなくなるところがありました。
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12-055 2012/06/07 ☆☆☆☆☆
『国銅』に続く帚木さんの2作目の歴史小説です。奈良時代と江戸時代の違いはあれ、難工事に臨んだ庶民の話というテーマは同じです。
「大石堰」とか「五庄屋物語」で調べると様々な記録がネット上に存在します。帚木さんは福岡県小郡市生まれ、調べてみると大石堰の近くです。たぶん小さい頃から聞かされていた話なのでしょう。
読み応えのある、ページをめくる手が止まらなくなる様な上下巻です。全ての登場人物が見事なほど善人として描かれ、その分物語として浅くなった感じはするものの、それを補って余りある程に貧農の痛々しいまでの生活と諦念が書き込まれます。
庄屋達の見事な心意気、それを支える武家や商人達、そして希望の未来へ進み始める農民たち。
帚木さんらしい端正で抑制の効いた文章と相まって、静かで爽やかな感動を生む作品です。
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筑後川の灌漑の話だ。
水が、百姓がそそいだすべての労力に、命を吹き込むといってよかった。毎年、水不足や氾濫に悩まされてきた村が筑後川に堰を造り、豊かな土地にすることに心血を注いだ5つの庄屋の話だ。庄屋というと、これまでは百姓をいじめて年貢を巻き上げるイメージしかなかったが、この話では、命も財産もかけて闘う5庄屋がかっこいい。
上巻の半分ぐらいまでは、もたもたした書きぶりだが、堰の話をお奉行様に洩っていくあたりからひきこまれていく。
全二巻
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中村哲さん急逝で読み直した。涙なしに読めない。江戸時代、身代をかけて筑後川に大石堰を築いた五人庄屋の実話に基づいた小説。五人を取り巻く人々が、細やかに描写されている。決して聖人君子物語ではない。
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人間の根幹って、食、農業なんだと思った。そして、この江戸の時世では土木というものは重要視され、土木工事によって、恵の水がもたらされ、作物の豊穣が可能になる。今の時代、日本に欠けている視点なのではなかろうか。
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真っ当な小説を久々に読んだ気がします。勉強不足で、同県民なのに大石堰と五庄屋の事知らなかった…素晴らしい業績。
時代もので農民が中心に描かれてる作品って確かにあまり読んだことが無いかも。その上、庄屋様もお奉行様も利他な人が多くて凄い。庄屋たち、苦労は我々の代で終わらせて次世代に引き継がないという強い意志を感じます。身代潰しても、磔にされても構わない、って相当強い。
農民と庄屋や奉行、階級差は歴然とあるけど下々を虐げることは全く無くて凄い。農民のキツさは今の時代とは比べものにならないけど、農民を虐げて温々暮らす庄屋が居ない……庄屋って悪徳な印象だったけど五庄屋の面々には覆されました。
権がかわいい。忠犬。
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大河のすぐそばにある村にもかかわらず、それが水の恩恵を受けられない高台だったことで、長らく生産不良と貧困に悩まされてきた。そこで5人の庄屋が堰と溝渠を建設するために奔走する。
本筋は単純でありきたりだが、それを動かすための場面描写や人間模様、権力(気遣い)関係、背景の記述が素晴らしい。
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大河・筑後川の流域でありながら、台地のために川の水の恩恵を受けられない貧しい村々。その中の五人の庄屋が、水路(堰と堰渠)を作るため立ち上がった。前編はここまで。