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金貸のお吟の元にころがりこんだ何やら訳ありの浅吉。借金で身動きとれなくなった人に、暮らしの立て直しの手助けをしながら、借金返済にみちびいていく。浅吉の本当の目的は、地元甲府で貧しい村の生計の助けとなるようにブドウ栽培を始めるため、お吟の金を利用することだった。
武士が借金まみれなこと、江戸時代の高利貸しの返済の過酷さなどは、当時の武士・庶民は熟知していたのに、浅吉がヒーロー気取りで知恵を出して暮らしを立て直し、みんなから感謝され好かれるなど、ちょっと話が稚拙。
ただ、文章は読みやすい。
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「はむ・はたる」の前のお話。 勝平達は出てくるけれど、主人公は浅吉さんという若い男。 金貸し婆のお吟さんのもとに、何か秘密の意図を持って押しかけ、 貧乏人に金をかしつつ、それぞれの暮らしが立ち行くように 知恵も手もかし感謝される金貸しとして成功していく。 だけどそもそもの目的は、金貸しになる事ではなくて・・・。 だんだん種があかされて面白くなっていく。 最後はちょっとほろっとしたり。 浅吉さんもとい、吉郎太であれば生まれ故郷でも上手くやれるでしょう。
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何かと忙しない時だったので、読み終えるのに思ったより時間がかかってしまいました。読み終わってみたら結構面白かったのに。
金貸し業は恨まれる商売だと思いますが、江戸時代には無くてはならぬ身近なものだったのでしょうね。最後はめでたし、で終われて良かったです。
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江戸の金貸しであるお吟の元に上手く転がり込んだ浅吉は何か腹に抱えている雰囲気を漂わせているが、普通の金貸しとは異なる良心的な方法でビジネスを拡大させたり、掏摸をしながら生き伸びる孤児の集団に合法的に生きていく術を与えるなど、かなり善意と商才に溢れた魅了的な人でした。
因業ババアのように感じていたお吟も徐々に可愛らしさを出してくるので。後半に明らかになる浅吉のさとの因縁が想像していたより遥かにマシな理由だったのでホッとしました。
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最初と真ん中と最後の展開が 違います。
最初は お吟という金貸しの婆さんを取り込んでいく浅吉
なんと烏連れ
真ん中は みなしごたちの生活がたつようのしてやったり 借金まみれの旗本を立ち直させたり
智恵と工夫がいっぱい
最後は 浅吉の本当の名前 出身地 おぎんとの関係
とか出てきます。本当はそういう話しだったのね!
という終わり方です。最後まで読むと 又最初の方をよんで確かめたくなります。
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いつもと少し違う切り口
貧しい者にお金をただ、貸すのではなく返し方を教える。
ノーベル賞のグラミン銀行に近い?
優しさと強さ。
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内容(「BOOK」データベースより)
因業な金貸し婆・お吟のもとへ押しかけ、金貸し業の手伝いをする浅吉。新しい発想で次々と借金をきれいにし、貧乏人たちを助ける彼には、実は秘密があった。大金を得るべく浅吉が仕掛ける真の目的はいったい…。日本ファンタジーノベル大賞作家が江戸を舞台に描いた痛快時代エンターテインメント小説。
令和3年5月26日~29日
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時代小説ではありますが、
難しい表現や引っかかる人物描写もなく、
サクッと気軽に読めました
へー、烏金と呼ばれる職業があったのかぁ
素直にそう感じ、どんな時代も庶民は様々な仕事で生きていたんだろうなぁと想像も膨らんだので、最高評価です
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【収録作品】烏金/勘左のひとり言
金を貸すだけではなく、それを生かす方法も教える浅吉の知恵と度胸が好もしい。地に足をつけて生きることで得られる充実感が伝わってくる。
単行本でずいぶん前に読んだが、『はむ・はたる』を再読したので、改めて読む。文庫オリジナルの掌編「勘左のひとり言」がうれしい。
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ざっと読んだことがあったのだけど、「はむ・はたる」の後に読み直し。どちらかを知らなくても影響ないけれど、読むと深まる。そうかそうか、この時の子どもたちが…、と納得。
いつもながら、女性たちがかっこいい。
また、算学の存在が印象的で、当時のレベルの高さが窺え、身分を越えて交流を深めるものでもあったことに感心する。
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アンソロジー『わらべうた』のなかの『花童』がスピンオフ作品だと小耳にはさんだので、では元の話を!と調べて読んだ。後半で出てきたハチとハナの来し方がこんなに過酷なものだったとは。金融コンサルタントの浅吉のひみつが胆でした。彼もなかなかしっかりした素性にもかかわらず、悲しい過去をもっていた。若いのにすごい手腕。たしかに青春時代小説といえます。さて続編も楽しみ♪
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烏金/ 勘左のひとり言
浅吉さん 何でそんなことするの?
あんたはだぁれ?
そうだったの……
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西條奈加先生、初めまして
書き過ぎず淡々と物語を進めているのに
端々に人情話のようなにおいがして最後
まで一気呵成に読みました(´・ω・`)
読みやすい文体をベースにしつつ、時々
見せる謎めいた部分が良いスパイスです
良い作家をしりました!
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業突く張りの金貸婆さんと、その金を狙うヤクザ出身の主人公浅吉が頭を振り絞って貸金を増やす話しと思ったら深い訳があった。徐々に出自が明かされ、庄屋の息子だったのだが、家を出てやさぐれる。算術師の師匠に出会い、無理矢理お供ににさせられるが算術にも目覚める。得意の算術で借金苦に喘ぐお客を助け、お客を増やす。
なぜこんなに増やしても金貸し婆さんのお金がないのか不思議に思い、お婆さんが実は良い人で施しをしていたとか勝手に想像したが、違っていたようだ。
スリや置引きをしていた子供達を更生させるために浅吉仕事を融通したが、これが足を引っ張り犯罪者に。
助けられた人々の支援や、一緒に育てた烏達の助けもあったりと、なかなか上がったり下がったりが続く。
最後に浅吉が金を欲しがる理由が明かされるが、「えー」と驚く内容。全てが丸く収まるわけでも無いが、ホッとさせられる終わり方だった。
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西條奈加の長篇時代小説『烏金』を読みました。
『秋葉原先留交番ゆうれい付き』に続き、西條奈加の作品です。
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因業な金貸し婆・お吟のもとへ押しかけ、金貸し業の手伝いをする浅吉。
新しい発想で次々と借金をきれいにし、貧乏人たちを助ける彼には、実は秘密があった。
大金を得るべく浅吉が仕掛ける真の目的はいったい……。
日本ファンタジーノベル大賞作家が江戸を舞台に描いた痛快時代エンターテインメント小説。
文庫だけのオリジナル短編「勘左のひとり言」収録。!
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2007年(平成19年)に刊行された時代エンターテインメント作品、、、
昨年7月に読んだ『はむ・はたる』は、本作品に登場し、浮浪児から足を洗った勝平をはじめとする孤児たちが、知恵を出し合って事件を解決していくという後日譚… それを知らずに続篇の方を先に読んじゃったんですけど、本作品は浅吉とお吟のエピソードが中心だったので、違和感なかったですね。
■烏金
■勘左のひとり言
■解説 近藤史恵
婆さんが溜め込んだ金、いただくぜ! 因業な金貸し婆・お吟のもとで押しかけ居候を始めた浅吉… 職がないという浅吉は、金貸し業の手伝いを申し出た、、、
浅吉は、新しい発想で次々と焦げ付いた借金をきれいにし、貧乏人たちを助けつつ利益を上げていく… しかし浅吉には実は秘密の目的があり、大金を手に入れるために素性を偽ってお吟に近づいたのだった。
お吟はまるで烏(からす)のように、溜め込んだ金をどこかに隠している… はたして浅吉は、大金をせしめることができるのか? 相棒の烏・勘左とともに、浅吉が貧乏人を救う! 今までにない痛快時代エンターテインメント小説、誕生!!
金貸し婆・お吟からの借金で困っている人々、暮らしに困っている人々に、新鮮な発想で次々とお金を儲ける方法を指南することで、借りた方に明るい未来を与えるとともに、自らは金貸し業の方をさらに儲けさせていくという浅吉の才覚や行動力に脱帽… 現代なら優秀な銀行の融資担当かシンクタンクのコンサルタントですね、、、
結末のインパクトにはやや欠ける感じがしますが、お金にまつわるエンターテイメント的な展開に、幼馴染との恋愛や肉親との繋がり等の人情劇を絡めて、巧くまとめてある感じ… 烏の勘左が印象的な役割を果たしてましたねー