投稿元:
レビューを見る
少し読むつもりが読み終えていました。一番びっくりしたのはもちろんレイア姫。びっくりした。
とても美しく、言葉が豊かで、耽美な雰囲気を堪能しました。後半はそこからがらっと変わり、本当の「自分」がむき出しにされる……その、むなしさみたいなもの、違和感につらくなりました。レイア姫の暮らしはあまりにも甚大だ……
ラストは何度か読み返すうち、甘いやりとりに思えてきました。おかえりなさい、レイア姫。
投稿元:
レビューを見る
ひっくり返る本を薦めてもらいよんでみたが、確かにひっくり返った。自分にはあまり合わない話のところ、先に待つ展開に期待し読み進めた甲斐はあった気がする。何を書いてもネタバレになりそうなので話にはふれないが、主人公が盲目というのは、逆に色彩を鮮やかにしている気がする。
投稿元:
レビューを見る
伏線をちゃんと違和感として感じる様に配置しているので、最後のネタバラシで閊える事なく、とても気持ち良い。
2016年3月6日
投稿元:
レビューを見る
大どんでん返しと謳われているほどミステリとして強烈では無いが、哲学的な難解さが作品に説得力を持たせていて、レイアの成長描写がたまらなく美しかった。最終章がグッときた。また再読したい作品。
投稿元:
レビューを見る
◎闇の世界に生きる少女、生い立ちとその理由に驚く
もしかしたら筆者も、最後をこんな展開にしようと思ってなかったのではないか、というくらいガラッと変わりすぎて、何が何だか・・・混乱。
きっと真のゴシックミステリとして終わらせたかったはずだ。本当は。そう信じる。
盲目な少女レイアは、ある国の王女で、国王であるお父様と女のダフネと暮らしていた。王女は王女なりに、目が見えないなりに暮らし、学び、そしてダフネから虐げられる現実に抵抗しようとした。
頑張って、話すことを覚えた。数も覚えた。
少しずつ、物語も覚えた。お父様からは哲学者と言ってもらえた。うれしかった。もっと物語を聞きたい。
・・・そんな矢先、レイアにとって最大かつ重大な事実を知ることになる事件が起こる。
レイアはこのあと結果的に目が見えるようになり、現実を知った時にも言葉や色、基本的な人間としての学習は身につけている状態である。現実を知ってからの社会復帰は戸惑いこそすれ、受け止めてからはスムーズだった。そしてその現実にはもう一つ、重要な事実があり、お父様と再会することになる。
お父様の存在はレイアの中で神格化され、我々読者もお父様の発言によりミスリードされ続けるのだ、ということは付け加えておきたい。いくつか違和感があったとしても、さも当たり前のように物語として流れていくのだ。
投稿元:
レビューを見る
どんでん返しがあるとわかっているのに面白いのはすごい。
読んでいてずっと地に足がつかない感じで不安だったけれど、その世界にすごく引き込まれた。
投稿元:
レビューを見る
なんつーか、
幻想的な前半とあまりに急な現実に引き戻される後半とが違いすぎて、チグハグな感じ。
ジャンルとしては叙述トリックのあるミステリなんでしょう。
なのにちょっと帯の文句で幻想的な話だと勘違いしちゃったよ。
悪いけど私はそういうの求めてなかったので、個人的にハズレ。
昔はどんでん返しのあるミステリって大好きだったけど最近はもういいや…ミステリ読まなくなったしねぇ…
投稿元:
レビューを見る
【大どんでん返し】というキーワード、昨今のミステリーのオビでよく見かけるようになりましたよね〜。イニシエーション・ラブ以降、特に増えた気がするんですが、どうでしょう。
昔はもうちょっとこの辺の煽り文句って慎ましやかだった気がするんですが、近頃はもう手に取ってもらえるなら、ネタバレ一歩手前でも、どんな過激な文言だって載せちゃうもんね!という出版社の必死さを感じます←
ただ、この【大どんでん返し】の一言。
続く言葉は、【ネタバレ厳禁!】がほとんどなんですが、オビに冠した時点で、その作品は【さあ、今から貴方(読者)を騙しますよ】と作品最大のキートリックをネタバレをしているというジレンマに陥ってるよな〜と、ちょっと可哀想な感じもするんですよね。
「今からこういう手品しまーす」
って言われるより、何の予告もなく手品を披露される方が、観客側は驚きも感動もひとしおだと思うんだけど…。
でも、このオビがないと手に取らない人も絶対多いもんね←
かく言う私もそうなので、これ以上ウダウダ言うのはやめときます←←
閑話休題。
オビの煽り文句は置いといて、内容感想いきまっす。
本作は、「優しい父親」と「いじわるな下女」、「盲目のお姫様」の奇妙で静かな生活が描かれる前半部と、
そんな生活が瓦解する後半部というストーリーが主軸になります。
ただ、私のような捻くれたミステリスキーの一部には、この手の【ラストで明らかになる驚愕の事実】以降の補足説明の章に、若干の蛇足感を感じる人間もいるんですよね…(あれ?いるよね?←)。
古典ミステリの誉れ高い「そして誰もいなくなった」の最終章にすらケチを付けた女です、すみません…←
ところが、本作のすごいところは、そんな偏屈ミステリスキーにも息をつかせない怒涛の【驚愕のラストラッシュ】がこれでもかと畳み掛けられる点なんですね。
「あ〜はいはい、やっぱそういうことね」と斜に構えてたら、
「あら、またどんでん返したな…」と来て、
「ん?まだ続きがあるの?(震)」と若干の武者震いに襲われて、
「オチはビミョーかなァ」と最後の最後でケチを付けたのでした。あ〜ほんとめんどくさい読者(笑)。
いや、でも、この大どんでん返しラッシュは、ミステリスキーならずとも一読の価値ありです。
【内容まとめ】
レイアと呼ばれる盲目の少女の世界には、「優しいお父様」と「面倒を見る女ダフネ」しか存在していなかった。
少しずつ言葉や数字、書文字を覚え、賢くなっていくレイアの小さな箱庭のような世界は、ある日、恐ろしい形で一変する。
反転する世界、崩壊する価値観。
そして、最後にレイアが辿り着き選び取った、衝撃の結末。
投稿元:
レビューを見る
前評判で警戒しながら読んだせいか、途中で大まかなところはわかってしまった。なるほど「ゴシックミステリ」だ。好きな人は好きな作風とは思うが、次に服部まゆみの名前で私の食指が動くかといったら微妙なところ。
投稿元:
レビューを見る
この話を読んで率直な感想
綺麗な話だな。
良かったなと思った。
物語半分行った内容が覆る,
大どんでん返しな内容だけど,
最後のオチとしては,自分は綺麗な終わり方したなって,
率直に思った。
引き込まれる話。
前半の世界観と後半の世界観の違い
二人の主人公の終着地点
その先を考えさせるような終わり方
とても面白く,
初めて服部まゆみさんの話を読んだが
他の作品ももっと読んでみたくなった。
投稿元:
レビューを見る
随分前に読み終わったけど登録してなかった?
中盤でオチには気付くけど、それでもグングン読み進められる。文章が綺麗で陳腐でないところが素敵。設定自体が面白く、主人公はその後どうなったんだろうと色々考えてしまう。
投稿元:
レビューを見る
ネタバレしたら全く面白く無い話なので少な目に・・・・笑
最初から違和感はありで、この人なんか怪しいとか
でもすっかりその世界に引き込まれる。
闇と光・・・闇の方が歪んでいるが綺麗な世界なのでは?と
後半ネタバレしてからの「彼女」の心境は確かに複雑
投稿元:
レビューを見る
表紙とタイトルに惹かれて読んだのですが、予想を超えてあっという間に物語に引き込まれました。前半はまるで童話の世界のような、現実味のない幻想的で美しい父と娘のお話し。囚われ盲目の姫と、国を追われた王という、浮世離れした設定。かと思いきや、前半ラストから物語の世界ががらりと変わり、いままでのものがすべて虚構だったと気付かされる。現実世界に帰った主人公が真実を知る。そのどんでん返しに驚かされました。こうなるとは全然気付かなかった…終わり方にすこしモヤったけれど、これはこれでいい結末なのかな、と。このあと2人がどうなったのか考えたくなります。これはネタバレをしてはいけない物語です。耽美で、けれど鼻にかかる感じではなく美しい世界観がすてきでした。著者の他の本も気になります。
投稿元:
レビューを見る
ゴシックミステリとは一体……!!1
「大どんでん返し」なんて帯に書かれたら手に取ってしまうのです
「オルゴーリェンヌ」とか、そっち系かな?なんて思って読み始めたのですが
これは……後悔してしまったのですよ。
壁ではないのです。
決して壁ではないのです。
違う後悔なのですよ。
何て言うか、電車で読み終えて、駅に着いてホームに立って。
一気に帰りたくなくなるのです……
帰って現実に戻ってしまう辛さを痛感してしまうのですよこの本は。
物にはすべて終わりがある事とか
人間社会が云々とか、美醜とか、絶望とかを突き付けられるのですよこの本は!!1
前半のお伽噺のようなストーリーがどう展開するのか、ちょっと気にかかってくる中盤、
もしかして……?と思い始めるのです。
そしてそう感付いてしまったらもう終わり一直線。
坂道を転がり落ちるような感覚でどんどんああああああ
ミステリではないのです。
或る意味でしかミステリ要素はないのですが、それよりももっと大きなストーリーが読み終えた後にのしかかってくるのです……あああ。もう後悔しかない。
バカミスでも流行りのイヤミスでも無いのですが、読んだら後悔するミステリとして語り継いで行こうと思うのでした。
投稿元:
レビューを見る
この本は確か出張先の本屋で見つけたんだよな。展開の仕方が個性的で、そんな本屋さんの文庫部門1位だったのだ。奥付けみても別に最近の本ではないし、映像化されたわけでもない。出版社か著者の買い上げか?と思いつつもそんなめちゃくちゃ有名な本屋でもなかったし。これは素直に書店員さんの努力の賜物ではなかろうか。それって素敵やん。って買ったのだ。
前置きがすっかり長くなってしまった。とても面白い小説でした。帯やあらすじに偽りなしといって良い衝撃と快感。そう、快感。耽美というか哲学というか美学というか、いっそ中二病を前提にしているかもしれない。そこは合う合わないがあるかもしれない。
技巧的にも面白くって、時間が経過するほど明らかになる情報が増え、だんだんとイメージを変化させていくような。情報が開示されていき、あぁこれつまり…と1章が終わり、2章の緊張感を維持しつつ、やっぱりなとしたり顔したら、3章冒頭でいけねぇそこもかちくしょうたしかに!と驚いて、4章と5章目の苦悩や倒錯感も好きだなぁ、とここで終わるかと思いきや6章が始まり、それを承けるラストシーンは美しい。といった風に流れを感じ久しぶりに短い期間で読み終えた物語だった。