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母の誕生日の前日だったのでふらっと買ってみた。あったかい家族と、家族を愛した母のおはなし。戦争の悲惨さもリアルに描いてて社会派なかんじ。小林多喜二の生き様と彼の生きた時代が母セキの口を借りて描かれるのだけれど、はじめは読みにくかった語り体も慣れてからは当時の情景がありありと浮かんでくるようで、よかったです。
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母の愛、家族の愛、他人への愛情。お金か愛かと選択を迫られると、迷わず愛と叫びたくなるような気持ちになりました。尊い作品です。
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作品としては良かったが、後書きの三浦綾子本人の言葉に三浦綾子が嫌いになった。
「多喜二の母がクリスチャンだから乗り気でない取材をする気になった」とかって、すっごい失礼!!どちらも故人だけどワタシは許せない。
星ふたつなのは多喜二の母への同情。
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共産党員の息子が警察で拷問を受け帰らぬ人となります。政治のことなどわからない母親は、警察は正しいものだと信じてきたし、息子のことも心から信じていました。なぜ息子は殺されなければいけなかったのか。無学だった母親が文字を学んで書いた詩は…。
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小林多喜二の母の回想というテーマ。未知なる価値観への戸惑いと順応の部分が素敵だった。筆者のあとがきは不要な気がする。
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所謂、「感動小説」の類です。
母セキの朴訥な、前向きで人を疑る事の無いまっすぐな人柄に、多くの人々が集まってきます。
小林多喜二に対する厚い信頼。豊かな愛情表現、多喜二が拷問死した時の人間らしい感情の描写が見事です。
だから主人公の感情に移入する事ができます。
『塩狩峠』に並ぶ名作です。
(『氷点』は勿論名作ですが、この作品とは違う系統で)
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小林多喜二とその母をモデルとした小説。
この本を読んだ時は確か10代半ばくらいだったと思います。
とても敏感な時期に読んだので、かなりの衝撃を受けたのを覚えています。
十数年経って母になった今、読み返してみたら
当時とは違った目線で読む事が出来るのだろうな。
実家から引っ張り出してこよう。
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三浦綾子の文章は慈愛に満ちている。そしてこの作品も母の愛に満ち溢れてる。肉親を殺しあうような世の中だからこそ、多くの人によんでもらいたい作品です。家族とは、生きるとは、正義とは、真実とは、愛するとは。すべてが詰まった人生の教科書。小林多喜二の作品は読んだことないけれど、読んでみようと思いました。
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すごくあたたかくて強い小林多喜二の母。
本人は弱いって言っているけどとても強い女性。
読んでいてすごく苦しくて涙が止まらなかった。
どうしてこんなに世の中のためにがんばっている人が殺されないといけないんだろう。しかもあんなに残忍なやりかたで。
でも世の中を変えるにはそれぐらいの覚悟が必要なのかもしれない。
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だめだ、セキさんの優しい東北弁が聞こえてくるようで、「わだし」って文字だけで泣けてしまう。こんなに泣けて困った小説は「東京タワー」以来かしらん。ああやっぱり母ものには弱い。
小林多喜二という人は、弟に給料つぎこんでバイオリン買ってきちゃうような優しい優しい人だったのだ。文字の読めない母は、本好きな夫を心から尊敬し、貧乏ながらも愛情にあふれた家庭を築いた。なんて明るく愛情に満ちた家庭だろう。そのことにもわたしは感動。母と子の信頼関係が素晴らしい。母親の子どもを信じる気持ちが素晴らしい。
子を思いやる愛情の濃さ。自分の祖母、母を思ってしまった。
多喜二があんな殺され方をして、どんなにか辛かったか。それを思うとわたしも辛くて辛くて。
皆の犠牲になって死んだキリストと母マリアの絵を見て多喜二と自分を連想したという描き方は、さすがに三浦文学でした。なんという視点。
でも確かにそのおかげで日本の労働者の人権を守るような制度ができてきた面もあると考えれば、あながち的外れでもないなと思った。今の蟹工船ブームは労働環境の悪化を反映しているから微妙だけれど。
でも何はともあれ天国の多喜二さんとタキさん、蟹工船は多くの人に読まれていますよ。素晴らしい文学だと再評価されているし、励ましも与えていると思う。多喜二さんとタキさん、ありがとうございました。安らかにお眠りください。
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タイトルの『母』というのは、
没後75年経って再ブームとなった「蟹工船」の作者、
小林多喜二の母のことである。
文章は、この母の秋田弁訛りの語り形式で綴られている。
貧乏でも明るさを失わない家庭を築いた偉大な母。
この母がいたからこその名作「蟹工船」だったわけだ。
小林多喜二の作品を読んだことがある人も無い人も、
時間の無駄とは思わないであろう作品。
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親子愛、きょうだい愛、恋愛。全ての愛が詰まったお話。三浦綾子さんの愛の表現にはいつも参ります。好きな本です。
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2009.09.01. 小林多喜二の母(80代)が、東北の訛りそのままに多喜二やらの思い出を語る、という。本当に聞き語りのようで、三浦さんはこんな風にも書けるのかと驚きました。(T)
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計り知れぬ母の愛
「蟹工船」の著者として知られるプロレタリア文学の代表的作家、小林多喜二の母セキの、波乱に富んだ一生を描く。世の中の不条理に疑問を覚えながらも悲しみを乗り越えていく姿に胸を打たれ、我が母を想う。
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獄中で非業の死をとげた小林多喜二の母セキが自身の生涯を聞かれ、その中で家族や社会、貧しさゆえの苦悩、心のあり方を優しげな方言で実に素直に語る物語だ。小賢しい教育からは生まれない、素の感じ方には刺激される。
多喜二さんが繰り返す「世の中に貧しい人がいなくなって、みんな明るく楽しく生きられる世の中にしたい」 という言葉を同じように願う母。貧しく余裕のない生活でも笑いや歌が常にある家庭を営み、貧しさを恨むよりは、その中でさえより困った人に手を貸そうとする無類の強さ。売られた娘タミちゃんを引き取り、息子の嫁に……と考えられる本物の人格者。
キリスト教徒には、多喜二の活動と死がキリストのそれに薄く重なる部分もあり、特別の思いとして読めるかもしれない。小説ではあるけれど、登場する人々がそれぞれに美しい気性を見せる。良き人の周りには、また良き人が集まるということか……。