紙の本
星空の詩
2022/07/12 05:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
舞台は四匹の聖獣が守る国(中華風ファンタジーBL)
辺境の村に住む青藍がいきなり皇帝の花嫁として迎えられる
迎えたのは皇帝・炎火
「男なのに」、「何故自分が?」と
最初は戸惑いながらも花嫁として尽くそうと決め、
皇帝・炎火の優しやや人となりに触れるにつれて惹かれていき
炎火の秘密を知っていくと同時に自分の秘密を知っていく。
自分は自分として愛され慈しまれていたと思っていたのに
そうではないと思い懊悩するけれど・・・。
青藍が健気です。
呪い等々に翻弄されるけれど健気に前に向かっていきます。
でも、よくよく考えると実は炎火も一途で健気なんです。
で、そうなるよねぇな展開で結末を迎える頃には
「良かった」って気持ちで満たされます。
意外(?)に律儀な幻獣とか
なぜ出てきたの?とは思いつつ可愛い新月とか
(背中ぱっくりは・・・怖いけど・・・あの姿は後日青藍に見せたの?
爪切りが嫌いなのが微笑ましい)
綺麗ごと一直線の炎火のために奔走する他3人のこととか
胸にじわじわときます。
だから、二人にとっては幸せの時間が訪れたのですが
他3人はこれからどうなるのかなぁってとても気になります。
荒んでいかないことを心から願うばかりです。
そして彼らにも寄り添う者が現れますようにと祈るばかりです。
余談ですが、
青藍が「縫うよ」っていうシーン好きです。
幻獣がしぶしぶ目を閉じるのが超可愛いです。
(ちょっと萌えてしまった)
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中華ファンタジー。面白くて思わず引き込まれました。
六芦かえでセンセのイラストで花嫁ものです。
ツボは、千年もの時を呪いをかけられ800年間愛する人を待ち続けた皇帝の炎火の強く深い想いでした。
炎火の置かれた国を守る皇帝という立場を考えると、また一段と切ないです。
さらに青藍のひたむきな愛にも胸がきゅんとなってしまいました。男なのに花嫁とされたことにあえて受けて立ち皇帝に尽くそうと決心したのに、自分の向こうに誰かを見て想っていることに傷つくところでは胸が締めつけられました。それでも炎火が好きで尽くす青藍が健気で…
でも、そこは炎火のイケメンいとこたちが素晴らしいフォローで、大変安心安堵させられました!
様々な謎がだんだん解き明かされていく話の流れが、グロテスクな怖さの中にも甘さをきちんと盛り込んでいて好みのちょうどいい匙加減でした。
目隠しHにも理由あってのところに萌えました。
ひょっとして続編ありなのね?と匂わせるイケメン3人が気になります!次回、白秀×陽あたりでぜひ。
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評判が良かったので月東さん初読み。王道なイチャ甘ファンタジーで、イラストも綺麗で読みやすかったです。主人公も健気で可愛く、攻はかっこいい。特典のペーパーもサブキャラの話だったけど、むしろ良かった。
ただ本編を再読するかというと、処分はしないけど本棚の片隅に追いやってそのままにしてしまいそうな予感はある。攻にかかった呪いを特にひねりもなく解いたり、攻が受を好きになった理由もわりと安易なものだったりと、肝心なところでのお手軽感は否めない。安定の甘々とイチャイチャを、ストレスなくサラリと読みたい人向け。新人さんだったら迷いなく★ひとつ追加。
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なかなかに面白く、読み応えのある本でした。
千年前に亡くなった恋人が転生するのを待ち続けた皇帝は実は幻獣をその身体に宿し、不老不死となった人だった―。
時は流れ、漸く転生した恋人(少年)を「正妃」として迎えた皇帝。
優しく穏やかな皇帝に愛され慈しまれる中に、妃として迎えられた青藍も皇帝を愛するようになる。
だが、皇帝には怖ろしい秘密があって―。
その秘密を知ってもなお、彼を青藍が愛し続けられるか? 幻獣使いの老婆が皇帝にかけた呪いを解くためには、青藍が決められた言葉を言わなくてはならない。だが、青藍がそれを知って口にしたのでは、意味はなく、知らずに言わなければならないのだ。
やがて、瀕死の皇帝がいよいよ幻獣に身体を乗っ取られようとした時、青藍が泣きながら口にした言葉こそが、皇帝を長い年月にかけて縛ってきた呪いから解放したのだった。
以上があらすじになります。
魔女にかけられた呪いを解くためには、お姫様の愛が必要という下りは、外国のさる寓話を思い出します。
皇帝炎火初め、青藍、更に建国の覇者である他三人の皇族(皇帝の親友、それぞれ呪いをかけられて幻獣を宿している)、登場人物のキャラは皆、好感が持てました。
皆を苦しめる憎まれ役? のはずの幻獣さえ、根っからの悪役キャラではなく、言ってしまえば、この物語りには「悪いヤツ」は一人も出てこないという気がします。
そこを少々物足りないと思うか、だからこそ良いと思うかは、読者の好みによって分かれるところではないでしょうか。
この話は幻獣が当たり前に出てくる世界観ですから、完全なるファンタジーです。私は今まで、ドラゴンや魔法使いが出て来る話というのは苦手でした。あまりに現実離れしているからです。
ただ、このお話はドラゴンが出てきても、そこまで非現実的な気はしませんでした。
舞台設定が西洋でなく、馴染みのある東洋・中華だからなのかもしれないけれど、その辺り、違和感なく作品世界に溶け込めた点も良かったです。