演劇に懸ける青春
2016/02/22 01:45
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投稿者:もってぃー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「わかりあえないことから」の平田オリザ氏の作品と聞いて購入。演劇をまったく知らない人でもリアルさがひしひしと伝わってきます。それでいて青春の成長ストーリーとしても読み応え抜群です。
大人の方にもおすすめします。
2015/05/11 20:53
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投稿者:rosso - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生の演劇活動(部活動)を中心に関連した日常生活についても記載された書籍でした。特別な専門知識も必要なく、中高生のみならず大人の方が読んでも楽しめる内容でした。読後の印象もよく良質な本だと思います。
私達は舞台の上でならどこまでもいける
2015/01/28 23:18
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投稿者:ほたる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ももクロ主演ということで、手に取ってみた。「私達は舞台の上でならどこまでもいける」この言葉が映画の予告を観て印象的で、いつこの台詞が出て来るのだろうと意識しながら読んでいた。そしてそれが出て来てからラストにかけて、この台詞の意味が深く伝わってくるのが分かった。何処まででもいけるけど、宇宙の端にはいけない。本当に舞台の背景と台詞がよかった。
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ももクロ主演映画の原作ということで読み始めた。読み始めてすぐに驚いた。というか、信じられなかった。この小説はももクロのために書かれたんじゃないの?そんな風に感じたのは僕だけではないはずだ。例えば、さおりは夏菜子以外に誰が演じるんだ?ガルルなんかれにそのものじゃないか! 夏菜子推しの僕には、夏菜子がずっと僕に話かけてくれてるみたいで、とても楽しい時間を過ごせた。 そうだ、銀河鉄道の夜を読み直そう。
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地方の高校演劇部を指導することになった教師が部員たちに全国大会を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。涙と爽快感を呼ぶ青春小説の決定版!(裏表紙より)
中高生に読ませたい本No1だそうです.演劇を舞台にした作品は以前から好きだったが,よくよく思い出してみると皆,主人公はプロで今作のような高校生が主人公という設定は初めてでした.何かに熱中し,翻弄される様は戻れない懐かしい時代を思い起こさせてくれる.とても面白い一冊でした.ももクロ主演で来年2月にロードショー.
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読みにくい翻訳小説と並行して読んでいた本書。高校生の女の子の独白小説。読みやすい……。
北関東のとある県の小さな演劇部が、大学時代に学生演劇をやっていた新任教師を副顧問にむかえ、全国大会目指してアレンジ版「銀河鉄道の夜」を上演ーー。
作者である劇作家、平田オリザの劇団「青年団」のいわゆる〝静かな演劇〟は、学生時代あまり好きでは無かった。寝ちゃうし。
でもこの「幕が上がる」は、本当にリアルだった。学生演劇をやっていた自分には、特に高校演劇の大会にアレンジ版の「銀河鉄道の夜」で挑んだ身としては。みんなであちこちたくさん小劇場の舞台を観たこと。代々木のオリセンでたくさん稽古をしたこと。稽古の帰り道、みんなと新宿の高層ビルを見たこと。演劇が楽しすぎて高校3年間彼氏を作ろうと全然思わなかったこと。そんなに喋る仲でもないのに、部の友達と芝居を観るために二人で遠出してすごく仲良くなったこと。いつの間に私モデルになってたの?ってぐらい。忘れていた色々な事をぶわーっと思い出してしまって、本と関係無いところでもたびたび涙ぐんでしまった。
そして途中、宮沢賢治の詩「告別」が引用されていて。この詩、本当に好きで。へこたれている時に、誰かに言ってほしい、そんな詩。
だから小説として面白いのかとかもうよく分からない。でも私にとってはこんなにリアルな「青春小説」はちょっと他に無い。
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演劇部女子たちの青春成長ストーリーという形をとった、《関係性》の物語。理解できない感性・思考をもつ他者と、どう関わっていくか(そういう問題が顕著に表れるのが演劇をつくっていくという行為なのだ)、その問題と立ち向かいながらなんとか受け容れようとする《もがき》の物語だ。
高校生にしては少し幼い言行が目立つものの、「あー、この感じ、わかるよ」という気持ちにさせられる文章でした。
ももクロ主演で実写化するにあたって、ももクロの誰がどの役をやるのかってことは意識して考えないようにしました。それを考えてしまうとフィルターがかかってしまうから。それに、誰がどの役をやるのか想像しにくかったというのもあります。それぞれのメンバーに「ハマり役」って感じの役どころが見つからなくて、ももクロは本当に《演技》を試されているんだなあと感じました。そういう意味で、実写に期待が膨らみます。楽しみです。応援してます。
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高校演劇でも審査員をつとめているオリザさん。
オリザさんが丸々この小説の通りに思っているかは
わからないけれど、あぁ、そう感じている部分も
あるんだろうなぁと思う部分も沢山ありました。
高校生にも出身者にも、演劇に関わる人も
全ての人がきっと共感できる部分があると思います。
演出ってなんだろう、
と思うことがよくあります。
それをきちんと、ひとつひとつ高橋さんが進めていく。
凄く丁寧で、演出って何だろうと思う人には
とても心強いひとつの解、なのではないかと思います。
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強くはない高校演劇部が、教師、転校生などの出会いを通じて、全国大会を目指す。主人公目線でストーリーは描かれているので、高校生たちの成長過程がよく分かる。若ければ若いほど可能性を秘めていて、でもときにそれが難しくさせることもある、そんなことを感じた。
映画化にももクロが主演、ということだけど、彼女たちを重ね合わせて読んでしまった。ほんとピッタリだった。映画も楽しみ。
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劇場で映画化作品の予告編を見たのがこの小説を知ったきっかけだったわけですが、なにより、著者が平田オリザさんってことで、少し前に井上ひさしさんとの対談集を読んでから著作が読みたいなぁと思っていたところだったので、文庫本として発売されたし、ちょうど良かったかなって感じ。
内容は、高校演劇部を舞台にした青春成長物語。主人公である演劇部部長の日記か自分語りのような体裁。これを平田さんが書いたと思うとすごいというか、面白いなぁ。
(ひとまずここまで)
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映画化・舞台化という事で購入。素直で率直な成功系青春小説というのが感想。
完全口語体で主人公の日記のようで、それがまた女子高生の話なので、慣れるまで時間がかかった。
文章を読んで、一旦頭の中で映像に起こして整理して…と。という事で、主人公の心情はものすごく率直に伝わってくるぶん、主人公を通して周りの人たちの感情をつかむ事になる(部長で演出を手掛ける主人公なので、周りをよく見ているし、そうでないと話が進まないのだけど)
新任の先生や転校生については都合いいなあと思いつつ、青春成功ものとしては面白かった。劇中劇の面白さは流石。映像化が楽しみ。
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平田オリザさん、何者かと思っていたら、演劇界の重鎮らしい。
演劇に長年携わっているせいだろうか、登場人物が女子高生でも、セリフが生き生きしています。セリフ以外も主人公のさおりの視点で書かれているので、読みやすい。
沙織が成長していく中で、少しづつ、自分の中のモヤモヤしたものを上手じゃなくても言葉にしていく姿にすっとします。
打ち込めるものがあるっていい。
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舞台はとある関東の地方にある高校。いつも地方大会止まりの弱小演劇部に、女優経験のある新任美術教師、強豪校からの転校生、そして演出家の才能がある女子高生が部長になり全国大会を目指すところから物語は始まる。ストーリーはいたって単純明快。ただ、その中に含まれる”演劇”、”コミュニケーション”という要素は平田オリザさんそのもの。吉岡先生の語りの部分は、まるで演劇ワークショップの講義を受けているようだった。
分かりやすいストーリー仕立ての中に見え隠れする、
人と人が分かり合うということの難しさ
分かり合えない中でひとつのチームとしてひとつの目標に向かっていくということ
個の力を高めるより、個性を活かすことの必要性
等々、”いかに人とうまくやっていくか”すなわち”コミュニケーション力”についてのエッセンス、平田オリザさんからのメッセージが散りばめられていたように感じられた。
それにしても、今日見に行った演劇とのギャップが大きすぎて、平田オリザさんの表現力の幅の広さにはただただ感服するばかりである。
最後に、とても印象に残った一節を引用する。
『…何が許されるとか、何が許されないかとか、あぁそうじゃなかった、自分は、そう自分だったら何が許せるかとか何が許せないかとか、それが他人とどれだけ違うか、そういう話を突き詰めていけるのが演劇のいいところで、いまは大会に向けての作品づくりのウォーミングアップの時期だから、徹底的にそういうことをみんなで話し合った方がいいらしい。スポーツと違うから、みんなが一体になる必要なんてない。どれだけ違うか、どれだけ感性とか価値観とかが違うかを分かっていた方がいい。バラバラな人間が、バラバラなままで、少しずつ分かり合うのが演劇、ってもちろんこれも吉岡先生の受け売りだけど』
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ももクロ主演映画の原作ということで手に取った一冊。
文体も軽く、高校演劇を扱った物語も
非常に面白くて一気読みしてしまったのだけど、
作家さんには本当に申し訳ないけれど残念ながら
純粋に小説を楽しむという読み方ができなかった。
何故かと言えば、ももクロ主演ということで、
配役も発表されているから、彼女たちが
どう演じるのだろう?と思いながら読んでしまうから。
語り部でもある部長のさおり。
全然部長らしくないのだけど、部長として作・演出
として、段々とみんなを引っ張っていかれるように
なる姿は、当初リーダーを嫌がっていて、
いつの間にかしっかりとリーダーであり
センターとして彼女以外にいないと思わせる
百田夏菜子そのもの。
お姫様キャラのユッコはしおりんが配役されてるけど、
さもありなんと思うところもありつつ、
ツインテール時代のしおりんの方が役柄のイメージには合うかな?なんて考えつつ読んでしまう。
ガルルのキャラクターはれにちゃんぴったりで。
当て書きしたんじゃないの?
なんて思ってしまうくらいにももクロぴったり。
原作を読んだ今、予告篇との違いを知ってるから、
杏果の中西さんとあーりんの明美ちゃんが
映画ではどうなっているのかがどうしようもなく
楽しみでならない!!!
そういう読み方をしてしまって。
物語として面白かったのは間違いないし、
なにより、高校演劇のシステム(?)には
本当であるなら驚かされる。
野球でいえば、甲子園出場を決めた世代は
卒業してしまって出場できないということで。
理由や事情はあるのかもしれないけれど、
どうしようもなく理不尽だなと。
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帯に「中学性・高校生に読ませたい小説No.1」とあるだけあって、ライトノベル感覚でサラッと読めました。
ただ、あっさりしている分、もう少し深みのある描写が欲しかった部分もいくつかあるのが残念。
高校演劇については、作者が劇作家ということで細かく書かれているが、人物の心理描写が淡々としているので、物足りなさも感じる…。
物語自体は面白く、県大会の場面は良かったです。
あと、中で登場する実在の本、「対岸の彼女」「包帯クラブ」は持っているので再読したくなりました。もちろん「銀河鉄道の夜」も!
「みんなで卒業をうたおう」は懐かしい!古本なら手に入るかな…。
ももクロ×本広克行監督で映画化。