紙の本
壮絶さの中に人間として共有しうる愛情をも据えた社会派ミステリー活劇。
2020/04/29 11:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
壮絶さの中に人間として共有しうる愛情をも据えた社会派ミステリー活劇。軍事力による支配、その象徴としての核兵器全廃の願いは同じでも、その方法論が歪んでいることは著者も指摘してるが、憎むべきテロリストの筈の“グリズリー”が何故か魅力的な人物に見えて来るから不思議。その根底には、犯罪側の人間がいずれも核兵器によって人生を狂わされたことと、無節操にアメリカに追随する日本政府の姿勢に対する国民の疑問符があるのかも。基本的にはスーパーマン的能力を持つテロリスト=“グリズリー”の犯罪活劇だが、それに止まらない深みと広がりを持った作品に仕上がってます。蛇足乍ら、出番は少ないが知床を舞台にした山岳活劇も結構楽しめます。
投稿元:
レビューを見る
一人の男が超大国に戦いを挑むという話です。
けっこう厚めの本ですので読むのに時間がかかりますが、それでも、読むのが楽しいと感じさせてくれる本でした。
投稿元:
レビューを見る
国産冒険小説の書き手が少ない今、笹本氏は活躍されているようです。初めて読みましたが、壮大なスケールの物語でした。最後はなかなかグッときます。
投稿元:
レビューを見る
本作も見事な本格冒険小説。「太平洋の薔薇」には及ばない。ちょっと最後があっけないというか、最後に2人の対決を盛り上げる方法はなかったのか。
投稿元:
レビューを見る
孤独な戦士、グリズリー。世界を巻き込んだテロを1人で起こしたにもかかわらず、温かみを感じさせる人間性。壮大な感じがする小説。視点がすごいと思った。
投稿元:
レビューを見る
結構なボリュームだが、飽きさせずに読ませる力がある。
歯ごたえのある作品が読みたい人に向いている。
投稿元:
レビューを見る
予測不能な展開である。よくできている。ただ、登場人物が多くて、ストリーと役柄の割り振りを覚えるのがちちょっと辛い。まあ、贅沢というものか。まずは、大満足な一冊であった。
投稿元:
レビューを見る
消費者金融店舗に押し入った二人組。それを狙撃するSAT隊員。ガッチリと読者の心を掴む導入部。
そして、たった一人で、世界に戦争を仕掛けた男がいる。
何とスケールの大きなエンタメかと、これだけでワクワク感満点。
この次はどうなるか予測がつかない展開に、しかも次から次へと新しい人物が登場するので(人物名の記憶力に覚束なさを覚えるので<笑>)、つい登場人物一覧表を作りながら頁を繰った。
息を持つかせぬ戦いの中に、悲しみと愛情の物語も。
やはり、著者の作品はどれも外せない。
投稿元:
レビューを見る
テロリスト対警察機構のアクションスリラーって感じかな。
アメリカ政府の関係者が出てきたことによって、終盤がだれてしまうのがちょっと残念。
なんか、無理矢理犯人に対する共感を押しつけられましたっていう感じがね。
もっとブラックなというか、乾いた感じでも良かったんじゃないかと思うんだけれど。
投稿元:
レビューを見る
冒頭から緊迫感のあるエピソードで引き込まれる。国際政治に絡めたスケール間のある設定とストーリーテリングの妙が効いている。ラストはもう少しアクションシーン多めかと思っていたが少し肩透かしを食らった。
投稿元:
レビューを見る
時代が変わっていく中で、こういう型にはまったアメリカのイメージはやや古いのかな?っていう感覚が無いわけではないのだけど、日本の国内でドンパッチくんとなると、やっぱりドキドキする。
でもなぁ、米国とか大統領とか、デルタフォースとか出てくると、突然陳腐に思えてきてしまうのは何故だ。テロリスト相手とはいえあっさりやられちゃうからか。訓練してるんだし、もっと頑張れ。
しかしこうやって見ると、日本もけっこう広くて、自然もいっぱいあるわけで、まだまだ冒険小説のネタには事欠かないな。