紙の本
映画の宣伝に関わる人々とその家族の話をオムニバス形式で
2011/01/28 19:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アナスタシア - この投稿者のレビュー一覧を見る
☆★ 内容については、本の後ろについている紹介文にある程度しかネタバレしない様にしています。 ★☆
最近、この作家の作品が気に入ってあれこれと読んでいるところである。この人は何気ない日常の話をふんわりと暖かく描写するのがとても上手い作家だと思う。ただし、登場人物にはかならずかなり個性的な人が登場する。そこがメリハリの効かせどころなのかもしれない。
この作品もかなり個性的な藍子と言う女性が全体の中心人物で、彼女に惚れた男性達とその男性達と恋愛したり結婚したりする女性達が出てくる短編で成り立っている。一つ一つの話は繋がっていないようで繋がっていて、そのさじ加減は絶妙だと思う。藍子はフリーの映画の宣伝マンで、作品の舞台の雰囲気としては『凸凹デイズ』と似ている部分があると思うが、個人的には『凸凹デイズ』の方が登場人物が魅力的で好きだった。オムニバス形式が問題と言うよりは藍子がそこまで魅力的ではないのだと思う。彼女の人物設定が今ひとつ物足りないのだ。反面、美人の藍子に惚れて、彼女に振り回される男達の描写は真実味があるし、共感出来る部分がたくさんある。
同じ作家の他の作品と比べると多少の不満は残るものの、十分に読む価値のある作品だと思う。一遍一遍は短いので、読み易いのも良い所だと思う。代表作の『笑う招き猫』の主人公の二人が最後に出てくるのも楽しい。
投稿元:
レビューを見る
読んだ後、なんだか爽快な気分になれる1冊。
ラストはちょっとびっくり・・・
できれば後日談を書いてほしいくらい。
投稿元:
レビューを見る
短編集。
主とした主人公は映画のフリー宣伝マンであるバツイチの女性。
彼女のまわりの人間関係を描いている。
突き抜けている。
自分に自信を持って働く女性は、強い。
投稿元:
レビューを見る
ダメなとこと、愛いとこと、色々あって人間。
そんな感じのしたお話。
ダメ人間比率が若干高めなとこが好き。
投稿元:
レビューを見る
連作短編集。
この作家さん読後感の良さがとても好きなのだけど、これはなぁ。。悪くないけど、けど~・・って感じ。もっとスカッ!とした感じのものを期待してたかな。
投稿元:
レビューを見る
相変わらずかなり面白かった。この作者はかなりツボです。
あと、三冊まとめ買い済みなので、次々読みます。
投稿元:
レビューを見る
人は自分の気持ちに正直に生きるのが難しい。
自分のプライドが許さず
欲しいものが欲しいと言えなかったり
格好悪くしがみついたりできないでいる。
そうして飄々としている人をカッコイイとは思うけど、
だけど、その向こう側に得られるモノって
やっぱりあると思う。
投稿元:
レビューを見る
メインの女性は、高坂藍子。
仕事もでき、すらりと背も高く、かっこいい女性です。
彼女を軸にして、元旦那や元彼やそれぞれの相手の女性などさまざまな目線で描かれています。
藍子自身のストーリーの時は、それほど輝いて見えませんでしたが、周りの目から見ると、めっちゃかっこいいです。
だんだん藍子を好きになっていきました。
山本さんの描く働く女性は、いつも生き生きとしていて素敵です。
『笑う招き猫』のアカコとヒトミもちょっとだけ出てきます。
投稿元:
レビューを見る
山本幸久さんの書く女性はいやみがないんですね。
他の小説だったら、すごく嫌なキャラだろうなって立ち位置の人でも、
不思議と憎めないところがあったりする。
今回のお話は、フリーの宣伝ウーマン・藍子を軸にした
男と女の愛憎劇オムニバス。
一応軸は藍子なんだけど、オムニバス形式なので、
話ごとにヒロインは変わっていくわけで、
話が変わると、今度は藍子の恋敵の女性とか、
藍子を慕う男なんかの視点で物語が展開していく。
藍子の側からだけみたら、恋敵の嫌な女かもしれないけど、
彼女たちにも彼女たちの事情があるわけで。
というか、読んだあと、どっちかというと、恋敵の真紀や八重の方に
共感を覚えてしまいましたですね。
彼女たちの方が、どっちかというと実はまっとうで、
藍子の方が、なんというかちょっとはなにつくとこがある女だって感じになってて。
山本さんは、こうやって視点を変えて、主人公を変えて
同じ世界で物語を展開していくのが得意技なんだが、
そのおかげで、登場する人たちそれぞれの気持ちがよくわかるお話でした。
タイトルからして、もっと女の怖さとか恨みつらみの出る話かなと
心配してたんだけど、そんなにいとこはなかったです。
まちがいなく「こりゃ敵同士の話だわ」ってのはあったけどね。
文庫版は新作が1本追加されています。
そして、山本さんのファンだったら、絶対嬉しいあのコンビが登場します。
彼女たちがどうしてるかがわかりますよ。
全て
投稿元:
レビューを見る
女の人が書いていたのか?って錯覚する位文章が女性的で、読みやすかったです。
共感できる部分もありました。主人公の藍子が格好良過ぎです。(笑)
投稿元:
レビューを見る
最近よく読む山本幸久さんの本。
これは短編だったけど全部が絡み合ってる短編で長く楽しめた。
他の登場人物視点の時のある登場人物の印象と、その本人視点の時の印象とが、微妙にギャップがあってリアル。毎回視点が変わるたびに色々な人に新しく感情移入できる。
投稿元:
レビューを見る
短編だけどひとりの女性を取り巻く人物たちの物語。主人公は30代後半なのにきれいで仕事もできて、でもちょっと変わってる女性。
昔この作者の凸凹デイズや笑う招き猫を読んで面白かった覚えがあったので読んでみたけど、まあ特にこれといった盛り上がりはなく。わかった、私はこのタイトルからもっとドロドロしたものを期待していたんだ。爽やかなの、これ。
爽やか視点で見たら、面白いかもしれない。どんだけモテる女でも、いろいろあんのよね、みたいな。でもやっぱりタイトルがしっくりこない。だってこの主人公、男も女も味方だよ。
投稿元:
レビューを見る
以前、本屋でチラ見したアヒルバスが面白そうだったので、どんなテイストの人かお試しにブックオフにて購入。
美人で仕事もできてカッコイイ藍子さんを軸とした群像劇。
藍子さんって安野モヨコのマンガに出てきそう。
それぞれの視点での短編集でサラッと爽やか。
個人的にはギャルOL吉口と、不倫相手の元奥さんの話が好きだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
フリーの宣伝ウーマン・藍子を中心とした
連作短編集
作者得意のお仕事物語でもあります
この人の小説は、どの登場人物も可愛げがあって憎めない。
今回も、ホンワカ~
さくさく軽く読めます
投稿元:
レビューを見る
もっとぎすぎすした女同士のバトル話かと思っていたら、そんなことはありませんでした。
たまに敵対したりしつつ、女は前を向いて颯爽と歩いていく。
最後の話は、文庫本のために書き下ろされたようですが、これが良かった。