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単行本を待ってました!
項羽と劉邦時代にありながら、こんな人物に目を付ける辺りがやはり氏だなあと感服。
相変わらず主人公は男前だなあ。
この方の描く劉封が気になります。項羽もちょっとだけ出てきた。魅力的な人物がたっぷり。
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秦末の動乱期の話は「項羽と劉邦」(司馬遼太郎)が有名ですが、この作品に負けないくらい面白い! 主人公は斉を乗っ取った田氏の末裔、田黄。「諸葛孔明が仰ぎ見た・・・」という帯のキャッチに恥じない、今風に言えば、「ナイスガイ」。宮城谷先生の作品は、主人公も去ることながら、情景描写と主人公を支える周囲の人たちを描写が詳しく、それらの描写が主人公を際だたせるが、この作品もその傾向。第1巻は始皇帝が崩御するまで。お薦め。
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宮城谷さんの著作で本書の前に読んだのが、「奇貨居くべし」で、始皇帝の父だったかもしれない呂不偉の物語。本書は始皇帝の末期が始まりで、ここでもやはり始皇帝は悪者です。
普通の歴史の教科書では、秦の後には、項羽と劉邦が登場、劉邦が勝って漢の時代に入るのですが、実はもう一人、田横(でんおう)という隠れた英雄がいて、その生涯にスポットをあてた作品のようです。
例によって、高名な人相見の予言やら、天の気やらがふんだんで、出来レースのような展開には、今ひとつ感情移入できない面はありますが、ま、色々勉強にはなるということでよし。
2006/6/29
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秦の末期のことが描かれている作品。この時代は項羽、劉邦が有名ですが、その二人とはまったく違う田氏兄弟の視点で物語が始まります。
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遠く昔の中国、斉の田横の話。
決して栄華の中に身を置いていた人ではないのに、気高い誇りとこの上ない優しさと強さを感じる。読みやすい。
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悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、「いずれも王となる」と予言。
末弟の田横には、「七星を捜しあてよ」という言葉を残す。
秦の中央政権下では、王は存在しえない。
始皇帝の身に何かがおこるのか。
田横は、県令と群監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが・・・・。
楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編、疾風怒濤の第一巻。
(本書。裏表紙より)<著・宮城谷 昌光>
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幸せな終わり方ではないけれど、個人的にとても思い入れのある小説
人を無闇に貶めない田横の態度は尊敬するしかない
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田氏3兄弟・・・
司馬遼太郎さんの「項羽と劉邦」の
なかで敵としてかなりしぶとかった
人たちっていう記憶しかなかった。
なのでわるい人かと思ってた。
でもすごい有能みたいだ。
これからの楚漢戦争にどう
かかわっていくのかがたのしみ。
それにしても趙高のやつ・・・
たいへんなやつだ。
ほんと、めまいがするほどの悪臣だ。
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前205年頃。戦国時代の斉王(田氏)の末裔の田儋(でんたん),田栄,田横の話。中心は田横の話で,楚漢戦争で項羽と劉邦が争う中,どちらにも与せず,信義を貫いた人でした。劉邦は嘘ばかりの人で項羽は残虐な人で,どちらについても民衆は幸せになれない。田横が勝っていたら中国はどんな歴史になっていたのだろうと考えさせられました。本の最後は悲しい結末ではありますが,弱者でありながら信念を曲げてまでも強者に屈しない田横に惚れ込んだ一冊でした。
『人を喪失すれば,城が残っても,国にとって何の意味もない。』この言葉が好きだ。
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活劇系。一巻は勢いもあってぐんぐん読める。主役兄弟の青春の熱が愛おしい。いつも正義で描かれる人々が、裏側の視点で立ち上がってくる。勝者の語る歴史以外を探る視点が、歴史を眺めるうえでは大切なんだなと分かる。英雄たちに残る苛烈なエピソード、一見清冽な意志から生まれているようで、よくよく眺めてみれば打算や計算が見え隠れするような判断や行動。自分が史実を眺めるときも、常に考えたい部分だ。時代の趨勢は大局的で、誠実に生きる人々に残酷な選択しか迫らない。こまやかな配慮も大きな力の前では無力で、すごく切ない。そんな中でも、信念を貫くこと、貫けなかったことに気づくこと、生き方を考えることを、捨ててはいけないんだなと、読後に何かが残る物語。4巻で完結。
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宮城谷先生の中国歴史ものははずさないな…!! 止まんなくて一気に最終巻までよみました〜。秦の始皇帝圧政下の、斉王の末裔・田氏三兄弟のお話。とにかく人物が魅力的です。項羽と劉邦なんていう有名人も別の角度から見ていたり、いろいろおもしろい…。大団円で終わる物語ではありませんが納得して終われる完結作です。
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秦の初代が没して、再び各地で国と王が興る時代。
主人公の人柄が素敵で、爽やか。
先へ先へと読み進めたくなる小説です。
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★2010年43冊目読了『香乱記1』宮城谷昌光著 評価B+
中国古代、秦の始皇帝圧政下に斉王の末裔である田横が、秦の皇太子扶蘇(ふそ)に知遇を得て、悪役人のわなから逃れ、次第に力を得て、のし上がっていく。わなにはめられ、殺されたと勘違いした婚約者を失ったり、さまざまな苦労をしながら、厳しい法治国家を生き抜くうち、とうとう始皇帝がこの世を去る。皇太子扶蘇の運命や如何に。さすが、宮城谷さん、導入の第一巻の引き込み方は見事です。
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宮城谷昌光の得意な中国は春秋戦国時代でも、戦国末期~秦の時代を表した一冊です。
秦は中国を統一したとはいえ、現実的には一代限りの王朝ですから、残念ですね。
香乱記は春秋から続く大国、斉の国の田王子たちの生涯を書いた作品ですが、宮城谷さんの作品とは思えないくらいこの話からは後味の悪さが漂います。
劉邦という人物の開祖にしてはあまりにも血なまぐさい政略が、宮城谷節を用いても清浄化出来なかったのかも知れません。
第一巻では話はまだそれほど暗くもなく、この評価です。
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三国志がよかったので他の作品も...という事で、楚漢戦争を題材にした本書を。田横という人物は知りませんでしたが、この兄弟が王になるという占いがどう実現するのか楽しみで、すらすらと読めました。