紙の本
読みやすい
2024/05/02 12:55
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
チェーホフの短編が、新訳で読みやすく楽しむことができました。解説が素晴らしくて、その世界に引き込まれて行きました。
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好き、とかそういう言葉じゃない感じで、
私の中に残るんです、チェーホフ。
ロシア語に「トスカ」というのがあるのだとかで、
それは哀愁とか切ないとか、
日本語にはなかなか置き換えづらいものだそうで、
私はその「トスカ」というやつをいつも自分なりに感じていて、
チェーホフを読むとその「トスカ」をしんしんと感じます。
胸に深く残ったのは、
「いたずら」「ワーニカ」「ねむい」
でした。
特に、「いたずら」は、
もう私の中で忘れられない短篇になりました。
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前から読もうと思っていたチェーホフをようやく読み始めました。虐げられた人等、弱者や平民の視点で描かれているなぁという印象。あっさりと、でも少し毒がある感じ。
でも、訳がうるさいなぁ。原文のニュアンスを伝えようとしている訳者の努力はよくわかるのだけれども、やはり読んでいて気持ちが悪いのはどうしようもない。
一作毎に訳者コメントがある本は初めて読みましたが、最後にまとめてあると忘れていたりするので、この点は良いと思います
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気持ちはわかるけど、思い入れが多すぎる かも でも面白く読めました。
TOCKA 切ない、ふさぎの虫…etc
この言葉深く胸に残りました
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思い切った改訳と、思い入れあふるる解説で、チェーホフがぐっと身近に感じられる一冊。「好きだよナッちゃん」といった訳し方の破壊力がすごい。でも、それとはぜんぜん別の次元でチェーホフはものすごい。
<収録作品>
かわいい(可愛い女)、
ジーノチカ、
いたずら(たわむれ)、
中二階のある家ーある画家の話、
おおきなかぶ、
ワーニカ、
牡蠣、
おでこの白い子犬、
役人の死、
せつない、
ねむい、
ロスチャイルドのバイオリン、
奥さんは子犬を連れて(小犬を連れた奥さん)
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なっちゃんのはなしが好き!「いたずら」(今までは「たわむれ」と訳されてきた)雑誌初掲載の結末と、その後文庫化した時の結末がこうも違うなんて!もちろん改訂版の方が、味のある結末になってるけど、初版のハッピーエンドもこれはこれで考えさせられる。ロシアの広大な大地と寒さ、ロシア人の人柄、少しだけ垣間見れた。
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父がご贔屓の作家のひとり。小さい頃から背表紙だけでは見かけた名前「だから」開かなかったのだけど、身近な読者の書評をきいて、開いてみた。親子というのは、なんだか面倒くさい関係で、それでも素面で読むのは悔しい。で、一杯加減で、でさらにグラスを片手に読んでみたところ、これが、丁度いい。飲みながらチェーホフを読むのがどうやらマイブーム。ノンアルコールで臨むには、今少し時間が必要か?しかし、この人、なんて距離をもって人を観察しているのだろう。父も、多分、この距離で母を見ていたのだろうな。
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話ごとに解説があってとても親切でした。新訳だったのででとても読みやすかったです。好きな話はナッちゃんが出てくる奴と「かわいい」って奴
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どの短編も読み易いだけではなく心の奥底にずしりと響いてくる重みがある。徹底的に観察された人間の本質・精神世界を俯瞰するように体験できる短編集となっている。どれが素晴らしいなどと論じるのもおこがましい気もするが、個人的な好みで言うならば、『いたずら』が一番好きである。人の心を玩ぶその様は読了後にニヤリとさせられてしまう。原書を読めない語学力のなさが本当に残念である。また、訳者の沼野氏による解説も非常にユニークで文学的探究心・好奇心を刺激される。機会があれば是非講義を受けに行きたいと思うとともに、もっとロシア文学を純粋な気持ちで愉しみたい、そう感じさせられる一冊である。
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初めてチェーホフの著作を読むこととなった。
新訳とのことで、くだけた形の訳も多く、分かりやすいのだが文学作品が・・・という印象も持ったが、読みやすかった。
自分自身のロシアに対する印象もあるが、明るいお話でも決して明るく感じることはなく、短いお話でも心を軽くえぐられるような内容のものもあり、不思議な深みがあった。
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訳者の表現が偏りすぎな部分もあるが(とくに他のロシア文学も読んだことのある自分はナッちゃんで興ざめ)、作品ごとに解説があり、全体的に講義をうけているような雰囲気で、自分のようなチェーホフ初心者にはありがたい一冊だった。
解説は、近くて遠い国ロシアのわかりづらい文化などにも及んでいて、これをきっかけにロシア文化を知ってみようと思った。
もったいない。
いままでの人生でチェーホフを知らなかったなんて。
急に詩的な羅列が入る部分など秀逸で、その言葉の選び方のセンスまで憎たらしいほど素敵である。
訳者がチェーホフを「七分の死に至る絶望と三分のユートピア希求の夢」というふうに表現しているのだが、この分配がぴったりくる人にはたまらなくだいすきになってしまう作家だと思う。
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大学のゼミでこの本からとった「いたずら」の一編を読んだ時からすごく気になっていた。そして思ったとおりはまった。
訳者による気合いのはいった解説(もはや「ロシア文学講義」である)が短編ごとに挿入されるのは、ちょっと野暮ったくはある。けどそのおかげで童話「おおきなかぶ」の謎の「一本足」くん(とても笑える)にも出会えたし、リルケの「トスカ」という言葉をめぐる切実な手紙も素敵だし、なによりチェーホフの逸話はどれも面白いので良しとする。
なかでも自分的に大ヒットは「牡蠣」だ。絶賛。大拍手。
解説にもあるけれど、ピュアな想像力を前に「わ!うれしい!」となっちゃうこと請け合いなのだ。
あと女の人にまつわる話はぜんぶいい。
チェーホフの特徴としてあげられている、
・呼びかけが届かない
・子供の話がとにかく残酷
の2点が気になる。
とりわけ「ワーニカ」における呼びかけの断絶は圧倒的だ。
子供がじいちゃんにはじめて手紙を出すが、そもそも宛名がきちんと書かれていない……という滑稽な話のなかに人間関係の根源的といってもいいような不条理を感じてしまう。それがなにしろ「生きるか死ぬか」がかかっている重大なメッセージなのにもかかわらず。
「ねむい」では子守の娘と泣きじゃくる赤ん坊……もちろん赤ん坊に「言葉」というメッセージを送るわけにはいかない。そう考えるとやはり、あの結末しか考えられない?
「言葉」が届かない状況で小説に何ができるか…というのはすごく今日性のある話というか、いや、小説が小説である限りつきまとうのかな…とか。
短編は普段あまり読まないけれど、「短編すごい!」と思える本だった。
長篇に劣るものとしての短編ではなく、この短さでしか伝えられないものがあるのだと思い知った。
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この本は短篇集なので、その名の通り短いお話がいくつか収録されています。読んでいて、昔、芥川龍之介の著作に夢中になって、繰り返し読んでいた日々を思い出しました。チェーホフと芥川が似ている点は、人間の滑稽な部分だとか物悲しい部分を鮮やかにいくつもの短篇に描き出しているところ。
この本に収録されている短篇の中では「ワーニカ」という話が特に印象に残りました。ワーニカは9歳の男の子。両親を失い、都会のお金持ちの家へ奉公へ出された彼は、奉公先でのひどい仕打ちに耐えられず、クリスマス・イブの夜に村の祖父へ宛てて「自分を引き取ってほしい」と助けを求める手紙を書きます。ちょっと可笑しく、すごく哀しく、残酷な話。
この物語に出てくる「村のじいちゃんへ」(На деревню дедушке)という言葉は、この物語から派生した慣用句として現代ロシア語の辞書にも登録されているそうです(訳者の作品解説より)。どういう意味の慣用句なのか書いてしまうとネタばれになるので書きませんが、手紙好きとして印象に残る内容でした。
(2012年に読んだ時の感想を転載)
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チェーホフがこんなにおもしろい短篇を書く人だなんて知らなかった。どの作品も不条理だったり残酷だったり皮肉っぽかったりと不思議な味わいがある。各篇の後に訳者による詳しい解説が載っていて、物語の背景や従来の訳との違いについて詳しく説明されているのもいい。
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チェーホフはこの女性を呪おうと思って書き始めながら、当初の意図に反して祝福してしまった、なぜなら、自分の存在のすべてを捧げて人を愛することができる「かわいい女」は、滑稽であるどころか、神聖であり、このような無私の行為こそが、人間を最も神に近づけるのだから。トルストイ
牡蠣、の解説にロシア版小僧の神様〜〜みたいな事が書いてあって、あー納得と思った。