紙の本
不器用過ぎるロマンス
2021/02/19 13:49
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
1990年代前半の、若い世代の恋愛事情が赤裸々に綴られています。パソコンもSNSもない時代に、文通で心通わす金井と萌が微笑ましいです。
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あんまり私小説というジャンルの本を読んだことがなかったから、
ぐだぐだと、よくわからん人たちのフルネームとか出てきて、
うじうじした様子を読んでみるのは、興味深かった。
というか、どうしてあんな風になっちゃうのか、
自分の私小説風とか書いてみるとあんなになっちゃうのか、
何とも不思議。
2つ目の作品は、確か「黒髪の匂う女」とかいうようなタイトルの話で、
よくよく読んでみるとさりげなく、
ちゃんと髪の毛を洗ったのか的な質問を主人公がしていて、
いや、そこかい!と…。
しかも、薫ってるんじゃないんだと思うと、
何とも私小説、恐ろしいと思った。
この人のほかの作品を読んでみると何かわかりそうな気もするが、
そんな気には、今のところなれていない。
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本作の著者を西村賢太と並べて「新私小説派」と呼ぶ人もいるそうだけど、同じ私小説でも作風は全く違う。西村賢太は社会の底辺のダメ人間を描くが、小野谷敦が描く主人公はエリート。ダメ人間がさらけだすより、エリートがさらけだす方が失うものがある分リスクが大きい。今後もつながっていく重要な人間関係がない人が、もうええわ書いたれ~と思って書くのとは全然違う。西村賢太も好きだけど、この人も好きだな。