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金融市場、人材市場、世の中には無数の市場(マーケット)があり、一般人はその中でのプレイヤーの1人に過ぎない。
価値が無ければ見向きもされないのが市場の常なのに、普通の人は価値を上げようとする感覚に乏しく、コモディティ(一般)のままでいる。
または、自分のいるマーケットが落ち目であるにもかかわらず、必至でその場にとどまろうとしてしまう。
自分の価値に対する感覚、市場の浮き沈みに対する感覚、これらの感覚を「マーケット感覚」とする。
これからを生き抜くためのマーケット感覚を身につけるにはどうすればいいのか、という本です。
で、そのための5つの方法
①プライシング能力を身につける
②インセンティブシステムを理解する
③市場に評価される方法を学ぶ
④失敗と成功の関係を理解する
⑤市場性の高い環境に身を置く
という5つの方法で身につけましょうというもの。
さて、市場と言うからには参入してくる人の制限をしないようにしましょう。自由競争させましょう。
マーケットと言うのは新自由主義的だ。グローバリズムは地元ルールの撤廃を促す。日本人だけでやっていた仕事も安い賃金の海外労働者が職を得たり、仕事自体が海外に替わってしまうこともありうる。
さぁ大変!自分の価値を上げてうまくいきそうなところに目鼻が聞く力を手に入れなきゃ!!....本当にそうなの?
社会的に役に立つ仕事をしたい、という理由から学生がNPO法人に就職するという事例が多いことを筆者は挙げている。
企業が社会的に役に立たないわけではないのだけれど。
筆者はマーケット感覚を得るためには、大企業よりも中小企業に入って全ての業務を見通すことで感覚が養われるという。
でも、どうなのかなぁ。中小企業の仕事は一点突破型の仕事が多いのではないかと思う。
「○○業界では世界で戦えるトップシェア」という企業は強い。
けど、それって視野が狭くない?しょせん○○業界ってありとあらゆる仕事のほんの一部でしょ?
あまりに手を広げ過ぎて分社化しまくってる大企業(最近だとソニーさん)は大きすぎて即座に動けないのも事実。
ただ、いろんなことをやっているから、それを俯瞰してみれば視野が広がると思うのね。
だから企業側が「こんなことやるけど、やりたい人いる?」って社内に募集をかけて、様々な個所から人材を集めるということができる。
それが大企業ならではのいいところじゃないかな。
ただ、大企業で働いていると自分が埋没していくのがよくわかる。
どうやって大企業という立場を利用して、自分の存在を主張していくか。
大企業の中でしぶとく生きていくのもマーケット感覚が必要。その感覚は中小よりも、むしろ大企業で発揮できればすごいんじゃないだろうか。
ともあれ、日本人全員がマーケット感覚なん��身につけようとしたら、それこそ大変ですよ。みんなが起業しまくって失敗しまくってる間に、企業は人が集まらずに世界で没落。
みんながみんな勝手に行動始めたら大変だと思うんで、ある程度少人数の人たちが挑戦してほしいなぁと思うのでありんす。
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自分のそばに”価値のあるもの”が存在していてもその価値を認識する力がないと自分の周りには価値のあるものは何もないと思えてしまう。
誰にとってどんな価値があるか見極める能力
マーケット感覚の有無によって同じものが、同じ人が、全く同じ環境が、なんの取り柄のないものに見えたり、大きな価値のあるもの=売れるもの に見えたりする。
↓
自分は市場で売れる力が何もない。だから組織を離れたらやっていけない。 なんてことはない。
”どんな価値”が誰と誰との間で取引されるのか
誰に何の価値を提供するのか
売っている物の価値を正しく認識する
貯蓄市場と消費市場
一般の人は銀行にお金を預ける
銀行からすると定期預金を売る
量販店でたくさんある中から選びたい人
選ぶのがめんどくさい人
↓
セレクトショップが売っているもの
商品選択のセンスとそのセンスにあった商品を仕入れる手間
営利企業と非営利企業
営利企業でも社会に貢献しているが、人の役に立つため働くと思った就活生が非営利企業を選択するのは
非営利企業の戦略勝ち
量販店でたくさんのものから選ぶのが好きな人
選ぶのがめんどくさい人がいる。
↓
セレクトショップが売る価値
商品選択のセンスとそのセンスのある商品を手に入れる手間
商品を売っているわけではない
日本市場で売れたという価値
used in japan
accepted in japan
高校野球の価値
高校の演劇部の全国大会がエンターテインメントコンテンツとして価値を提供したいと考えるなら、
「高校生としてはうまいけどプロよりは下手な演技」ではなく「プロの演劇を見に行っても得られない何らかの別の価値」を提供する必要がある
値札や相場は他者の判断
自分にとってこの商品の価値はいくらか
ほかの誰かにとってこの商品の価値はいくらか
この商品を最も高く評価する人はどのような人たちか
この商品を誰に向けて売れば価格は一番高くできるか、もしくは一番たくさん売れるか
今自分を雇ってくれる人はいない
→今時分の労働力には値札が付いていない
→だから自分は価値がない
という発想では誰かが値札をつけてくれるまで自分で自分の価値を判断できない
もったいない
インセンティブシステム
欲望センサーを敏感に
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内容として新しさは見当たらないが(いずれもマーケティングの基本)
・「マーケット感覚」という柔らかい言葉=受け入れられやすい言葉で表現したこと
・論理思考と対になるもの、と定義したこと
そのうえで、卑近な例を用いてわかりやすく表現した点が本書のよいところであると思う。
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私は泥臭さが足りないのでこういうのは欠けてるけど、やりたくねえなあ、というのと、売り方変えてこられたのだなあ、というのと。
今までのに比べるとキレはあまりないと思う。
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気になった話題が自分の仕事にどんな影響を与えて、それがおいくら万円なのかを常に意識しろってことよね。
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スキル+マーケット感覚に加え、ポジティブシンキング(折れない心)が必要。ここは書いてないけど、ちきりんさんはこのポジティブシンキング力も半端ない。
シリコンバレーは失敗に寛容なのではなく、「失敗経験がない人など、まったく評価しない」というのがビビッときた。自分は凄く失敗することが苦手だ(った)から、いかに"学び"を選べる失敗ができるかも考えていかなければと感じた。
インセンティブシステムを理解するっていうのは、広告的に言うとインサイト発見かなぁー。
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それぞれの市場で売られているものは、モノではなく、なんらかの価値である。身の回りの市場を見たときに、そこで取引されている価値は何なのか。それを理解できる能力=マーケット感覚が、これからは重要になる。
需給バランスとマーケット感覚
途上国から安く優秀な英語人材を獲得できる今、英語ができるだけの日本人は不用。それでも英語を学ぶか?例えば発展が予想されるインドネシア及びイスラム教について勉強した方がいいのではないか?
重要なのはノウハウや知識を覚えることではなく、過去に経験のない場面に遭遇したときにも、自分で判断できる独自の基準や肌感覚を持つこと。
マーケット感覚が優れてて、これが海外で売れるだろうということがわかっても、それでどうやって儲けるかはきちんと考えないといけないと思う。こういうモノを持っていますということを、どう伝えるか、どう認知してもらうか、までを考えて実践して初めて価値が生まれると思う。
非伝統的な、今まで価値がなかったものに価値を見出すプライシング能力を身につける。
「人間が動く理由や仕組み」、すなわちインセンティブシステムについて、日々ほんの少しだけでも深く考える癖をつければ、市場の動き方についても、少しずつ理解できるようになる
自分の欲望に真正面から向き合う
問題に直面したら、「どうすればみんな自発的に、望ましい方向に動いてくれるだろう?」と考える。
最初のステップである「学校での学び」を延々と続け、いつまでも「市場での学び」というふたつめのステップに移行しない人がいます。そういう人にとっては、「学ぶ場所」として思い浮かぶのが、学校と研修プログラムだけ。
「失敗しないように十分に準備する」とか「うまくできるようになるまで勉強する」のでなない。そんなやり方では準備と勉強だけで一生が終わってしまう。そうではなく、「とりあえずやってみる→失敗する→市場からフィードバックを得る→それを参考にして、もう一度やってみる」というプロセスをできるだけ何度も繰り返すことが重要
これはもう一度読まねばならんな。
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「マーケット感覚」が無ければ航空会社とWeb会議システム開発会社が競合になると気が付かない、というのは確かにその通りだと思った。
クリステンセン=レイナーの「job to be done」という考え方と同じなんだろうなぁ。
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マーケット感覚が今後必要な能力であると理解。
市場化した現代において、マーケット感覚を磨くことが必須。
マーケット感覚を鍛える5つの方法
①プライシング能力を身につける
②インセンティブシステムを理解する
③市場に評価される方法を学ぶ
④失敗と成功の関係を理解する
⑤市場性の高い環境に身を置く
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市場化の部分の内容は大前研一さんの、日本の論点に近いものを感じました。
それでいて親しみやすい文体なので、分かりやすく肚におちます。
生き残るために何をしなきゃいけないかというのを個々人がもっと考えなくてはいけない時代になった。
であるがゆえに、既存のモノの考え方を打ち破って、もっと抽象的に、大きな枠で考えた方がいいよね。ってことだと思います。
本に出てた具体例でいうと、自分の部屋を片付けられない人(=自分)にとって、確かに自分の部屋を片付けてくれる人がいたら大きいお金を払ってもいいのかもしれない。
そのノウハウを教えてくれる人にもお金を払ってもいいかもしれない(こんまりさんの本が海外でも売れていると聞きました)。
あと「自分が不満なのは何なのか→自分が求めている理想的な状態とはどのようなものなのか→自分が欲しいものは何なのか」、「どうしたら自発的に動いてもらえるか」。
これを考えるのって仕事でも大事ですよね。自分の見解を求められる場面で活きてきますよね。
他に考えたことといえば、自分的マーケット感覚を働かせるとするなら、『自分のアタマで考えよう』との2冊セットで売ったらどうかなって思いました(ありきたりかな?)。
オーディオブックで再読していたら、続きモノになっている気がしたのです。
失われた20年では日本が社会主義的な状態であったこと、今後は市場経済へ移行していかなければならないことが主張されてました。ではどうすればよいかは自分のアタマで考えようでは割愛、となっていたところ、この本にそれに対するひとつの回答が書かれてきているのです。
併せ読み、とてもおすすめです。
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やっぱすごいわーーー
文句なしの☆5つ!
専業主婦でスキルがないから稼げない?
のんのん。
キャラ弁動画作って海外で評価されたり、収納のカリスマアドバイザーしてるひととかいるでしょ。
大切なのはスキルじゃなく「誰にとってどんな価値があるのか、見極める能力(マーケット感覚)」です。
という主旨。
んでもって、そのマーケット感覚はお勉強じゃ身に付かないよ。
とりあえず市場にでてみてトライ&エラーを繰り返したり、
市場性の高い場所に身を置いたり、
インセンティブシステムを理解したりしてるうちに身に付いていくものだよ。
ってことらしい。
いつもながら、分かりやすい説明と納得の内容。
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読みながら、ハッとするよりも頷けるところが多かったので、自分が身につけてきたキャリアは偶然にもマーケット感覚を得ることができていたんだ、と思った。それと同時に、マーケット感覚の大事さを知ることが出来た。
僕はふるさと納税をあまり支持していなかったけど、この本で「ふるさと納税は地方公務員にマーケット感覚を身につけさせる仕組みとして素晴らしい」と書かれていて、その発想には全く思い至らなかった。とても鋭いと思う。
専門的なスキルは永遠に通用しないので、5年、10年単位で新しいものを貪欲に得ていこうと思った。分かりやすくて面白かった。
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ちきりん
価値ある能力に気づく能力がマーケット感覚。これにより、同じものでも、価値があり、これからの世の中に必要とされる物に見えてくる。一つのことに対してのアプローチは二つにわけることができる。論理的なアプローチとリアルな現場をイメージしながら考える方法。市場で取引されてる価値の理解がマーケット感覚。100万円の貯金が増えて喜ぶ人はその100万円分の貴重な体験を逃している可能性がある。市場の選択が何よりも大事である。自分の存在を欲しているフィールドで戦うべし。資金調達はストーリーが必要。
自分にとってのこのサービスの価値はいくら?他の人にとってはいくら?さらに別の人にとっては?このサービスを最も評価してくれるのは誰?誰に向けて売ればたくさん買ってもらえる?のかを考えてからコストプラスの思考をすること。モノやサービスの価値は人によって異なるのが当たり前。
自分は何が不満なのか→自分の求める理想は?→自分の欲しいものは何?
失敗経験がない→挑戦したことがない。失敗はスタートとゴールの間にある学びの機会であるため、失敗は成功のために不可欠な要素である。
専門性を身につけ、かつ、変化する必要があるのがこれからの世界。ワクワクしながら変化を楽しむべし。
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ちきりんさんの最新作で、誰にでもお勧めできる書籍。彼女流の生きる術を教えてくれてます。
序・1~4章はマーケット感覚の重要性を説き、5・終章は鍛える5つの方法を紹介しています。その方法は、①プライシング能力を身に着ける、②インセンティブシステムを理解する、③市場に評価される方法を学ぶ、④失敗と成功の関係を理解する、⑤市場性の高い環境に身を置くといったもの。
経理ばかりやっているからプライシングの際に、コスト発想になってしまう自分がいます…私生活では消費者(買い手)視点でプライシングを考えるクセを付けよっーと。
この著作のマーケット感覚を持った人が増えれば、日本人は世界でも戦っていけるし、無駄な規制や既得権益はどんどん替えられていくのに。
Market Sense makes the World change!!
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この人の意見はビジネスの面では論理的であり、間違っていないと思うけれども、世の中のすべてをビジネスの尺度で測るところに問題がある。教育のようなビジネスにしてはいけないものもある、という考え方がない。ビジネスの成功だけが良いことであるというイデオロギーになっている。その点を除けば同意できることが多かった。