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個人的には主人公に賛同しがたいが世の中にはこういう人もいるのだと勉強になった。彼自身はPTSDになってたのだろうか?
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死生観も宗教心もまったく異なる米軍兵士の実録に憤っても虚しいが、こんな輩が自らを正当化し、愛国心を唱えるような国に生まれなくて良かったとつくづく思う。これからの日本もどう転ぶか不安ではあるが、ここまで排他的な民族ではないと信じたい。でも、世界で唯一の被爆国が、世界で唯一の投爆国に卑下してぶら下がり、自衛権だなどと小間使いをやるようなら、やがて国土はテロの格好のターゲットになるんだろうなぁ。
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クリント・イーストウッド監督の同名の映画の原作。著者は、イラクに従軍した後、その経験を活かしてPTSDとなった兵士のリカバリのためのNPO団体を立ち上げたという背景から、勝手に贖罪の手記だと思っていた。実際は、全くその反対だった。著者は米海軍特殊部隊SEALに所属して主にイラクに派兵され、狙撃手として射殺した相手の総数が公式記録で160人のアメリカ人史上最多のスナイパーである。人を殺したことをどう考えているかについて、「敵を殺したことはみじんも後悔していない」、「野蛮で、卑劣な悪魔 - それが、私たちがイラクで戦っていた相手だった」、「もっと多く殺しておけばよかったと思っている」、「戦争における自分の役割については良心の呵責はない」といった言葉が一貫して並ぶ。仲間の命や国家の威信は何よりも重いが、彼にとって敵の命は悲しくなるくらい軽い。
著者は常に戦場に行きたがる。たとえ傷病が原因であっても、妻に止められても、仲間が戦場にいるときにその場にいないことは、後ろめたい気持ちにさせる。自分の能力を証明したいという気持ちもあるのだろうか。そこには戦争反対を唱える人が期待するような人を殺すことへの躊躇いは一切ない。兵士としてのトレーニングの結果なのだろうか。人間の個としての攻撃性や、集団となったときの外部に対する冷酷さについて考えさせる。そういう本だ。それは著者の意図するところではないのだが。
本書は、入隊前の人生(農場での仕事やカウボーイとしての経験)から始まり、米海軍特殊部隊SEALへの入隊、そこでの過酷な訓練から実戦配備、そして史上最も活躍することとなったスナイパーとなり、除隊するまでの時系列に沿った自伝となっている。
その中に妻タヤとの出会いも含まれる。本書中ときどき、タヤがそのときにどういう状況でどのように考えていたかについてメッセージが挿入されているが、親しい第三者の視点が入ることで物語の質が高まっている。タヤは妻として著者のことを愛しているというが、不在がちであり家族よりも国家/仲間を優先する夫に対して激烈なストレスを抱えることになった。そして著者自身もそのことについては不満を抱いていないが、ストレスから心理面、体調面に大きな変調を来たしているように思える。
イラク戦争の一面の真実を描いているが、全体を描いているわけではない。ましてやイラク戦争自体の意義についてはほとんど何も語らない。あくまでも現場の非常に優秀なアメリカ兵士から見た戦争が描かれている。
あとがきによると、著者が皮肉にもPTSDの悩みを相談しにきた元兵士に殺されるという衝撃的な事件の前に、すでに相当のベストセラーになっていたということなので、この内容がアメリカでは多くの人にそのまま受け入れられたということだろう。もちろん戦争をむやみに美化するするものであるとか、命の大切さやイラク戦争の意義への反省がなされていないなどの批判も多かったことだろう。また、SEALでの訓練やイラクの戦場での描写が興味本位の人にとって読む理由になったことも確かだろう。それでも、著者の主張に心から賛同する人も数多くいるということもおそらく正しい。
ここに書か���ていることを事実として当然理解できるし、著者のように感じることがいるであろうことも推測することもできる。立場が人を作るということでいうと、そういった仮定をすることが意味があることかわからないが、自分がそうなっていたかもしれないということも想像することもできる。それでも、著者の行動に感情移入することはできない。自分が世の中の情報のソースとしているSNSで著者や著者を支持する人の主張を見ることはほとんどないだろう。自分の嗜好によってフィルタリングされているからだ。一方で、著者の言葉に心から賛同する人のSNSには、その嗜好に沿った言葉が並ぶ可能性が高いだろう。少なくともこの本がベストセラーとなったアメリカなら。ネットによる情報社会の「フィルターバブル」とはそういうことだと思う。
読まれるべき本だとは思わないし、賛同もしない。それでも逆に自分としては、この本でなければ触れることのなかった意見や情報に触れるという意味において、何かしらの理解が得られるような本であったのではないかと思う。
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同名の映画の原作本。
アメリカ海軍特殊部隊SEAL所属の狙撃手クリス・カイルの手記。時折、彼の妻の手記かかれている。
現場の記録として、重要な記述もある。
「別の場所では、化学兵器に利用されるはずだった化学あ物質の詰まったドラム缶が見つかった。イラクに大量破壊兵器はなかったと言われているが、そう言う連中は完成した核爆弾しか頭にないらしい.... 理由はおそらく、ドラム缶に描かれていた輸入先がフランスやドイツだったからだろう。」....
彼は多くの戦争に参加し、多くの場所で、祖国と家族と、そして仲間のために、多くの敵を射殺した。
自分の命を的に差し出し、敵と直接命の取引をした。
あまりに多くの人の死と向き合ってきたため、人の命は突然にでも断たれることがあると受け入れ、そして人は代替要員に交換しうると考えているようだ。
その闘いの記録が、優秀なスナイパーだった一兵士の目を通して語られる。
本書には書かれていないが、彼は退役後、自らが支援してきたPTSDを患っていたとされる退役軍人によって射殺される。
おそらく彼は、その死を素直に受け入れたのだろう。
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優秀な兵士であることが延々と述べられている。日本ではベストセラーには、決してならない。映画も見られないだろう。そういう事を考えさせられる。
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クリント・イーストウッド監督映画の原作。米海軍特殊部隊SEALで100人以上の敵を殺した隊員の自伝。「敵を殺したことはみじんも後悔していない」とか、根っからの兵士なのか、軍の洗脳のなせる技なのか、このメンタルは日常的に戦争している米国のような国ならではなんですかね。平和ぼけな日本では異質に思えます。
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クリントイーストウッド監督による映画の原作。イラクでの戦闘の様子がたっぷり描かれている。伝説のスナイパー、クリス・カイルは愛国心からイスラムの戦闘員を次々と射殺してゆく。それこそ嬉々としているかのように。ボクはアメリカ人ではないので彼らの愛国心というものが理解できないし、また反戦主義というのもピンとこない。なのでこの作品がアメリカ人にとってどんな意味があるのかよくわからないというのが正直な感想だ。スナイパーの活躍を楽しみたいなら映像で見た方がいいかもしれない。
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国民性の違いなのか、共感はできませんでした。
でも軍隊っていう特殊な組織でも一般の会社、組織と変わりないんだな〜って思いました。
戦争は人をここまで変えるのになくならないのが悲しい…
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結末が悲しすぎる。
なぜ、殺されなくてはならないんだ???
国葬されることに価値はない。
自分の人生を取り戻し、自分の人生を家族とともに
再び歩みだし時にこの不幸が訪れることが運命なのか
なになのか???
アクションシーンはかなみ見ごたえあり!!!
ブラックホークダウン依頼の迫真に迫る映像でした。
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救急キットは倒れた兵士のものを使う。
後で自分が撃たれた時のことを考え、自分のは使わない
ズボンのポケットに入れてあって、底をナイフで切って
取り出す
軍隊って、ある意味、合理的だなぁ、と思う
弾丸ケースになるリストバンド自作したり
銃撃や乗り降りしやすいように車のドアを外したり
敵兵はビーチボールで川を渡ろうとする
いままた、ファルージャが激戦地になっているそう。
なんかなぁ、という徒労感。
狙撃の時、片目は閉じない。
全体を眺められるようにしておく
「アフガン、一人だけの生還」の著者とも知り合い
合間に挟まる奥さんの文章がいい。
テキサスの人。神、国家、家族。
後書きにその後のこと。
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史上最多射殺数を記録したイラク戦争の米軍スナイパーの自伝.
彼自身のユーモラスな性格が随所で伺える内容.しかし,SEALとして活動するまでの強固な意志や信念と,その後実戦で従軍してから,とりわけ死を身近に感じる場面を経てからの心境の変化というものを見ていると,心身ともに屈強な人間にとっても,戦場が極めて過酷な環境であることが窺い知れる.
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面白かったな。
非常に淡々とした日記のような文章も、読みやすかった。
国で待っている奥さんのコメントも挿入されていて、これも効果的。
アメリカ的な正義感、敵は悪と決めつけ、罪悪感もなくゲームのように殺し続ける。自分が死ぬとは全く思っていない。
丁度どこかの大統領が広島を訪問すると決まったことが話題になっているが、ものすごく、いろんなことを考えさせられた。
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最初は嫌悪感を持ったが、SEALの訓練内容等、通常知り得ない事を書ける範囲で書かれていて、貴重な内容だと思った。
全然関係ないけれど、いつも挫折している筋トレをもっと死ぬ気で取り組んだら絶対体型が変わるだろうと思えた。
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戦争で人を殺す ということに関して日本では語られない感情、動機、信念が語られる。
今ある母国を守り成り立たせているのは自分たちだという誇りと献身。
あまりに自分の感覚からはかけ離れていて呆然とするが、それが誤りだとも言い切れないのだ。
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イラク戦争の最前線で狙撃手として従軍した兵士による、リアルすぎる戦記。SEALという舞台の内実や、実践時の心境や作戦上のネタを、多少の検閲を経たもののほぼそのまま記している。とにかく強烈。
敵の射殺に対する良心の呵責は一切ない、と言い切るところにまずドカン、と来た。喧嘩やいじめ?など不明な感覚もあり、何かと感情が揺さぶられる。兵器の解説も具体的で、日本の本ではまず記されないだろう(マニア系であるか)。
退役後、会社を興すが、まさかの結末を迎えたところもまた小説のようで、何とも言えない感覚を残す。