サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

hontoレビュー

  • 販売終了

日本人のしつけは衰退したか 「教育する家族」のゆくえ みんなのレビュー

  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac
一般書

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー34件

みんなの評価4.0

評価内訳

26 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

こんな本、書かないほうが良かったと思う

2007/12/29 18:00

18人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書の著者は最近、巷で起きている「家庭の子供のしつけ力が落ちている。家庭はもっと子供の教育、特にマナー教育に責任を持て」という「当たり前」の声が不満で不満でしょうがないようだ。「学校は読み書きソロバンを教える場」「マナーや躾は家庭の責任」という役割分担が著者の目には乱暴な議論に映るようで、やでもたってもたまらず本書を書いたんだそうだ。そして言わんとすることは、「そもそも日本人の大半は昔から子供のしつけなんかしていなかった。だから別に日本人のしつけ力は最近衰退したわけではない。ずっと昔から大して変わっていない。各家庭に子供のしつけの責任を負わせるのは酷なこと。子供は『社会』で育てましょう」ということらしい。ここまで読んで常識のある普通人なら著者の感覚に疑問を持つだろうし、こういう感覚の人が「教育学者」をしていることに慄然とすらするだろう。そして著者はこの結論を導かんがために次々と戦前の文章を引き合いにだしては自分の推論が正しかったことを証明しようとするのだが、それ自体が、ある意味「お笑い」となっている。

著者が「しつけなんかしていなかった日本人の家庭」の代表として選んでいるのが「農村の貧農」や「都市の最下層労働者」で、彼ら戦前の日本社会の底辺層が如何に育児に興味を持たず、子どもの躾を放棄し、それを社会に丸投げしていたかを延々と述べては「だから昔から大半の日本人は子供のしつけなんか家庭で行なっていなかった」として「故に、それを家庭に期待するのは間違い」と結論付けようとするののである。んな、アホナ。著者がそもそも意図的に?無視しているのは、日本の社会が戦前と戦後でまるで別の国のように大きく変容したということである。戦前の日本は今とは大きく違う階級社会だった。戦前の中流家庭は今でいう上流で、昔の「上流」は今の日本には無くなった「貴族社会」だったのである。所得格差がものすごければ、教育格差はもっとすごくそもそも義務教育は小学校6年で終わりで旧制中学に進学するのは生徒の1%程度に過ぎなかった。

戦前の下層階級や農民(小作農)は、まあ、今で言うホームレスみたいなもので、彼らの子弟はそもそも中学以上には縁の無い労働力として社会に放り出されていたのである。こうした下層階級の子供達は、確かに日本社会がしつけ、育てたのだが、それがどういうものかというと戸塚ヨットスクールや相撲部屋みたいなところと言えば分かり易い。いじめやいびり(いわゆる「可愛がり」「いじり」)は当たり前で、中にはいじめが過ぎて死んでしまう子供も多かったことだろう。ただ当時はそれが当たり前だったので今みたいに事件とはならなかっただけである。

戦後、日本はGHQの指導もあって極端な財産税を課して貴族から財産を巻き上げ、地主から土地を巻き上げて貧乏人にばら撒いた。その結果、日本は世界でもまれば平等社会と成り、戦前の水呑み百姓は戦後は大地主となって大金持ちに化けた。そして戦前は文字すら読めるかどうかあやしかった連中が、その子や孫を上級学校たる高等学校に進学させるようになったのである。そもそも高校は義務教育ならぬ高等教育である。本来、そこは大学に進学するための準備を行なう場所でもある。そこへ今や日本人の90%が進むのである。戦前とは大きく事情が変わったわけだから、戦前の事例を持ち出して「だからこいつらに家庭でも子供の躾をさせるのは無理」と論陣をはることは出来なくなるんである。社会の階級差が薄れ、教育格差が薄れ、所得の上昇が起きたのなら、自ずと戦前の都市の下層階級や農村部の貧農も、昔のままではいられなくなる(こんなことは、私には三歳の子供でも分かる話だと思うのだが)。所得が上昇し、子供を以前は小学校卒で労働力としてこき使っていた連中が子供を高校まであげるようになれば、自ずとその子等に対しても、戦前の中産階級が行なっていたような「厳格な躾」を行なうことが求められるのである。もしそれが出来ない、やりたくないというのなら、それこそ相撲部屋や戸塚ヨットスクールみたいなところを作って、そこへ放り込むしかあるまい。時代背景も社会事情もまったく異なる戦前と戦後を比較しても意味が無いし、そこから自分に都合の良い「事実」のみを切り取っても、それでは何も証明なんかできないことに広田くんは気がつくべきだった。

戦後、我々は「権利」を手にした。それがうれしくて権利の行使ばかりに関心が行って、権利の裏側についている「義務」を忘れてしまったようである。社会の構成員であるということは、行政を突き上げては要求を貫徹し成果を勝ち取るだけでは駄目で、市民として当然行なわなければならない様々な義務も果たしていかなければならないのである。このことから逃げ回るのが習い性になると広田くんみたいな発想になってしまう。広田くん、学者として生きていくつもりなら、こんな本、書かなければ良かったのではないか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2006/06/03 12:22

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2006/06/11 01:29

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/06/24 08:01

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/10/03 12:30

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/12/16 17:33

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/01/01 23:41

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/26 22:02

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/08/30 21:01

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/11/20 15:46

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/01/18 17:21

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/05 19:52

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/09/07 11:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/11/18 10:12

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/02/29 14:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

26 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。