電子書籍
しつけとは、
2021/02/25 23:35
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
年上の言うことを「黙って聞くように」させることですよね。あんまりいい言葉ではないのが本書を読むとよくわかります。
紙の本
カミナリオヤジはいらない
2001/02/27 08:11
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よんひゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
論の展開に無理がなく、すらすらと読めるが、「いまどきの教育はなっとらん!」的なおやぢ感性の持ち主にはけっこう衝撃的な内容かもしれない。要するに「むかしのしつけはしっかりしていた」というのは、まったく「うそ」ないしは「思い込み」だというのを、ていねいに解き明かしている。
戦前とかの話じゃなくて、高度成長期まっただなかのわたしの子どものころの母親と比べても、いまの母親は格段にしつけ熱心だし、教育の責任が家族にすべて負わされてご近所とか親戚とかの援助がない中で、よくやっていると思う。子どもに積極的に向かい合っていこうとする父親の姿だって、最近は珍しくもなんともない。もちろん物質的にはとても豊かになっていて、いまの大半の子どもは、父母の愛情と関心、たくさんのモノに囲まれて暮らしている。この本で紹介されている統計では、多くの家庭で「うちのしつけはうまくいっている」と感じているし、凶悪な少年犯罪の割合は先進国の中では日本はごく少ないということだ。統計に関しては、自分でここに書いたように、もとのデータを見られない状況では、あまり言いたくないが、ここで言われている内容は、実際に小学生の子どもを持つわたしの実感とあまり食い違いがない。
こういう中で、マスコミや識者とやらの脅迫的な言辞が、しつけに対する不安をあおっている、というのは、そのとおりだと思う。「ふつう」が最重要視され、そこから少しでもはずれることに恐怖を覚える心のもち方が、その根にあるのは言うまでもあるまい。別にはずれたって、または、もともとはずれていたって、それはそれでたいしたことにはならないのであるが、そういう実態は目に入ってこず、抽象的な不安ばかりがふくらんでいるように見える。
教育に対する家族というものの責任が大きくなってくると、家庭が逃げ場のない牢獄のようになってしまう危険もまた大きくなる。教育の危機があるとすれば、それこそが現代的な形であり、「しつけを厳しく」という言説ではまったくその処方箋にならない。では、「むかしはよかった」と声高に言う人々は、いったいなにを目指しているのか。そこのところを考えるには、新書という箱の容量が足りなかったようだ。とても刺激的な本であるだけに、著者のこれからの展開をぜひ見ていきたい。
(初出は「キムチの気持ち」)
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日本人のしつけは本当に衰退したか??筆者論には衰退してはいないと書かれているが…よく読むと…。ってまぁね、考え方が違えば基準も違うわけですよ。
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この本を読んで思った。「マジでしつけは衰退してんのか!?」でもいろいろ文句のつけどころも…一度は読むべし?
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実際には日本のしつけは衰退したわけではないことがわかる。
もともとの日本のしつけは非常に程度が低く、現状が最も高いようだ。
そもそも家庭内でのしつけはされておらず、ほとんどの場合無しつけで、たまにコミュニティによって出るもの杙打たれる方式でしつけが行われていた。
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とても参考になりました。家族史にも触れられていて、これから教育を考えていくヒントになりました。たくさんの文献が紹介されていたので、興味を持てたものを読んでみようと思います。
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「昔のしつけはしっかりしていた」というのは極めてあやしいということを順を追って冷静に検証していく書。家庭の形は多様であるから現在の社会問題が親の責任が原因なのか冷静に検討し直す必要があると結んでいる。
メディアに簡単に踊らされてしまう私たち。本当の問題をきちんと見抜くことが出来なければ情報に飲み込まれてしまうんだろうなと怖くなった。
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マスコミや世論で語られている「学校の教育の崩壊」「しつけの崩壊」がどのようなメカニズムで起こるのかの一考察が語られていると思います。もちろんこれが全てではないとは思いますが。序盤は少しつまらないのですが終盤非常に面白い論の展開が見られます。読む価値はありですね。
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しつけ本を読むなら、その前にこの本を読んだ方がいいかも。良かれ悪かれ人はしつけを受けて、今があり、先入観や、予備知識を持たない人はいない。だから、これを読んで、世にある「しつけ」というものを、一度ただしく認識するべきだと思う。
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「新しい時代を拓く心を育てるために」(1998)という、有名な中教審答申がある。サカキバラ事件を発端とした、心の教育ブームの火付け役である。
この答申では、日本の現状は「家庭の教育力が低下してきている」「父親の存在が家庭になくなってきている」「家庭のしつけが衰退している」状態であるという。
世論調査でも、こうした現状認識がされているようである。
少年事件が起きると、学者・文化人・コメンテータが常識のようにマスコミで語るイメージである。
しかし、こうしたイメージは正しいのだろうか。
本書は、これらの命題を問い直すことを目的としている。
「当然だ。常識だ」とされている前提を疑ってみる、という習慣をつけたいと思う。
どうして「青少年の凶悪犯罪の増加している」と思われているのか。
テレビがそう言うからでしょう。
テレビというメディアはいつも事実に基づいたのメッセージを発信しているわけではない。
本書のようなメディアを通して社会を見ることも必要なのではないだろうか。
本書が絶対に正しいとは思わない。
思い込みに負けずに、自分で考えることを学びたい。
1.家庭の教育力は低下しているか。
→歴史的考察から、「昔」より現在の方が家庭は教育力を持っている。
2.家庭の教育力低下が、青少年の凶悪犯罪の増加を生みだしている。
→青少年の凶悪犯罪は減少している。
3.家庭の教育力を高めることが、現在求められている方向である。
→現在は、子どもの教育への最終的責任を家族が一身に引き受けざるをえなくなっている。
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[ 内容 ]
礼儀正しく、子どもらしく、勉強好き。
パーフェクト・チャイルド願望は何をもたらしたか。
しつけの変遷から子育てを問い直す。
[ 目次 ]
●「家庭の教育力」は低下した?
●「村のしつけ」は幸福なものだったのか
●「教育する家族」の登場
●童心主義・厳格主義・学歴主義
●高度成長は何を変えたか
●地域共同体の解体と家業継承の終わり
●親の自己実現としての子供の成長
●「教育する家族」の呪縛
●しつけの担当者は家庭か学校か?
●「しつけの衰退」という物語
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出版社/著者からの内容紹介
礼儀正しく、子どもらしく、勉強好き。パーフェクト・チャイルド願望は何をもたらしたか。しつけの変遷から子育てを問い直す。
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世間を賑わす少年犯罪が起こるたびに、訳知り顔のコメンテーターたちは「昔は家庭のしつけが厳しく、こういう事件は起きなかった」、「最近の親は子のしつけに無関心」などとメディアで発言するが、そういった言説の虚を突くのが本書。
著者は明治時代など、主に戦前の史料をもとに、以下のような主張をする。
・旧来のしつけ観を残す山村地帯の家庭のほうがしつけを学校に依存する傾向が強いこと
→村でのしつけは目上の者への忍従・隷属。村の掟に従わない者は村八分という、封建的・排他的なもの。今では考えられない、人身売買もあった。
・親がしつけの主体となる傾向は、大正時代に入ってから見られるようになったこと
→学歴主義もこの頃から見られるように。
・「学校は要領だけ良くて自分の殻にこもりがちな子を作っている」という言説は戦前からあったこと
・「昔は良かった」という言葉には、誇張と歪曲が多い
→意図的にしろそうでないにしろ、現在の風潮をけなして抽象的な「昔」を賛美する傾向が昔から顕著です。例えば昔から頻繁に言われる「若者のモラル悪化」の言説も大抵は、具体性や実証性に欠ける年寄りのやっかみだと思う。
今流行りの「体罰をしなくなったから子供が調子に乗っている」論も信用できない。1879年の学校令で禁じられていたのに?昭和の戦争期や戦後間もない頃は頻繁に行われていたそうだけど。
以上のことから、結局、現在のほうが親の子に対する配慮が強くなっていると言える。幼い頃からの教育に熱心な傾向から、昔より子の将来を心配していることが分かるだろう。「しつけ」という言葉が頻繁に取り上げられることも、人々の子供への「しつけ」に対する関心の高さを物語っていると思う。
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タイトル通り、日本人のしつけ観をまとめた一冊です。
大まかな流れとして、子供のしつけの責任所在は
①周囲の環境
②学校
③学校と家庭(主に親)
④家庭(主に親)
と変遷してきたようです。
その背景には高度経済成長による貧困層の縮小及びそれに付随する親たちの余暇時間の増加
としています。今の親たちはしつけがなっていない、等の世間的イメージや、
昔は良かったとする懐古主義を否定し、
寧ろこんなにも教育熱心になった親たち(子供のしつけは親に責任がある)が
『熱心にならざるを得ない』逼塞した状態になっていると反論しています。
少年の凶悪事件についても、マクロ的に見れば激減していて世間が過剰反応を起こしている。
また凶悪事件も昔から多数存在していたと報告しています。
道徳教育や教師の質の問題等、その問題の捉え方を根本から覆す様は痛快そのもので、
橋本元総理や安倍元総理の教育改革に対し、
言明はせずも暗に否定しています。
この点に関しては山岸俊男氏と共通するものがあり先駆的です。
総じて面白い。
歴史の変遷を踏まえて発言しないと、言葉に重みが無いなぁ~(政治家に対して)と思いました。
歴史を学ぶって、こんなにも重要だなと感心させられました。
内容も良く、新書と呼ぶに相応しい一冊です。
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「しつけ」なんてことを良く考える年代の方は参考に。
これを読んで「正しいしつけ」を学ぶことは全くできませんが
「家庭のしつけの昔と今」「教育全般の歴史的背景」
は学ぶことができるかもしれません。
「昔は良かった」というのは常に幻想が含まれている。
高学歴・高階層の親ほど、わが子のしつけに「自信がある」
と答え、にも関わらず、一般論としては「現代は家庭の教育力が
低下している」と答える比率が高い。要するに「自分のところは
上手くいっているが、世間はひどくなっている」という状況認識なの
である。 P186
どきっ、とした人が多いのではないでしょうか。