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予期せぬ死。遺された者はどうやって気持ちを整理するのだろう。死者の思いを想像することで救われることがある。一つの方法を教えてくれた作品。
死は、終わりと同時に遺された者にとっては始まり。遺された人たちが新しいスタートを切るまでの物語。
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東日本大震災で亡くなった人の心や大切な人を亡くした人の心、それに寄り添う心。実際にはもっと生々しく厳しいものかもしれないが、スッと自分の中に入ってくる文章でした。もっと年数が経過して読み返してみたいと思いました。
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読み返すほどに「響く」音
震災を経て、たくさんの方々が大切な人を失っただろう。
私は、近しい人を失うことはなかった。
そんな自分が震災を思うとき、
どんな心持ちでいればいいのか。
4年以上たった今になっても、
正直わからない。
確かなことは忘れてはいけないってことで、
ただ、その方法もわからないままだ。
忘却という暴力と、
解説で星野さんはおっしゃっているが、
まさにその通りで、
否応なしに、記憶は薄れゆく。
最近、祖母を亡くした。
思っていたよりも
心に穴が開かなかった自分にびっくりした。
普段離れているせいもあって、
亡くなったという実感が薄いせいもあるのかもしれないが、
どこかで元気でやっているだろう、
というどこか楽観的な、
どこか牧歌的な想いが胸に広がっている。
葬儀は生きている人が納得して送り出すためにあると
坊さんはそのときしゃべっていたが、
どうしてもその言葉には納得できなくて、
どんな形であれ、
生きている人間が故人を想う気持ちがあれば
どんな形式だって、
送られる側は許してくれるんじゃ亡いかなって思う。
もっとやりたいこともあったろうし、
世の中への恨み言もたくさんあるだろうけど、
そういうのをひっくるめて、
死ぬ瞬間は、生きてきてよかったって
思えるんじゃないかなって、
楽観的がすぎるけれど、
そんな風に思いました。
妙に心に響いたBGMとともに
LAMP IN TERREN 「クライベイベ」
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つまらない。読むのがつらくなるほど下手な文章。DJや会話でつないでいくスタイルだが、登場人物を識別するために会話の中に『ゴホッ、ゴホッ』とか咳を多用するのは見苦しい。
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タイトルに魅かれて読んでみた。
ん~なんだろう。
手放しで、良いね!って感じでなないんだよな。
もちろん、つまらないとかってことでもないんだけど。
もやもやする。
伝えたいことはわかる。
こういう考え方もあるよっていう、ひとつの提案として読むのもいいのかも。
この本を読んで気持ちが楽になったり、癒されたり救われたりする人が沢山いるなら、いいなって思う。
読む人によって、感想も色々変わるんだろうな。
私は、もやもやした(笑)
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深夜2時16分、海辺の小さな町の杉の木の上から、そのラジオは「想像」という名の電波に乗せて放送される。
軽快なお喋りで番組を進行するDJアークだったが、徐々にアークの置かれている状況や、ラジオを聴くことの出来る人間とそうでない人間との違いが明らかになっていき……。
2015年6月5日読了。
タイトルだけで購入し、あらすじも読まずに読み始めました。
途中で根底にあるのが東日本大震災だと気付き、いろいろと納得。
いとうせいこう氏の構成が巧みで、とても優しい物語に仕上がっています。
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東日本大震災から4年経ったその日に印刷されたこの本。
津波の被害にあったと思しきDJアークが送り続けるラジオ放送。死者と生者の間を繋いで迸る言葉。
死者と共にこの国を作り直して行くしかないのに、まるで何もなかったように事態にフタをしていく僕らはなんなんだ。
僕らは死者と手を携えて前に進んできたんじゃないだろうか?
亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。(P.141)
生きている僕は亡くなった君のことをしじゅう思いながら人生を送っていくし、亡くなっている君は生きている僕からの呼びかけをもとに存在して、僕を通して考える。そして一緒に未来を作る。(P.147)
亡くなったけれども悲しみを持つ余裕が今はないという人には僕の声は残念ながら届かないし、逆にひょっとしたら生きて悲しんでいる人にもこの番組は届く。(P.170)
言葉を失って茫然としている時間が、僕らにはどうしても必要だ。(P.173)
第2章が小難しくて、だけど第4章に繋がると、徐々に作者が言いたいことが分かってくる。
今の世の中に大事にしたい言葉の数々。
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受信機も電源もいらない「想像」で受信するラジオ、パーソナリティDJアークは放送を続ける中で次第に自分やリスナーの置かれた状況を理解していく。電子書籍のサンプルがきっかけで読んだのだが、第二章からは驚きの展開だった。また、DJアーク達はラジオ受信できない人たちと違う形で同じステップを踏んでいるように思える、読者に逆さの視点からの立ち直りを促しているような。お話を読むというよりラジオの最終回を聞いた感覚で、表紙のようにやわらかな雰囲気の一冊。
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3.11モチーフですかね。
とある男性が想像で発信してるラジオに纏わるエトセトラ。
いつの間にか、死への向き合い方について
考えさせられてしまって、読後ボーッとしてしまった。
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いとうさんの思いが詰まった作品。
偽善やひとりよがりと言われることも、あらゆる批判もすべて飲み込む覚悟で、ただ一心にこの物語を"彼ら"に捧げたいという祈りに似た強い思いを感じる。
胸が痛くなる。涙が出てくる。
すごい本だと思った。
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先の震災後を舞台としているが、それに限らず「死」をどう捉えるか…を考える一冊。
万人が中二の頃に悩むような、そんな内容かもしれない。
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亡くなった人と話すことは不可能。けれど想像力を巡らせるとそれは可能になる。生きているからこそ、亡くなった人の想いに想像を巡らせ、生きている人は今の「生」に感謝しつつ、「1日1日を大切に生きて行こう」、そんな風に思わせてくれる小説でした。
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東日本大震災の後、被災した人たちの亡くなるまでのわずかな時間の想像のやりとり。
それで、生きることへの未練が少しでも減るといいなー。同じ境遇だから分かり合えることもあるのだろうか。
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いとうせいこうはノーライフキングで既にその感性に圧倒されているけど、想像ラジオは単行本を手に入れ読む前に無くし、文庫で再入手してようやく読めた。饒舌に静謐なこの短い書物は、悲しみも希望も、書かれなかった行間から、各々の想像の中で読む書物となっているようだ。
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東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出しベストセラーとなった著者代表作。野間文芸新人賞受賞。