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著者は、これまで1000人以上の最期を看取り、それらの人々の人生の締めくくりの時期に出会った数々の「決断」に間近で接してきました。
本書は、私たちが避けて通れない「死ぬときの決断」について、テーマごとに実例を挙げながらわかりやすくまとめた一冊です。
詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=6130
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タイトルにつられて読んだが、「死ぬまでに決断」ではなく「死ぬまでに考えておくこと」、というのが正しいように思う。。。
著者が今まで出会い、その中で決断、考え抜いた患者たちの事例をもとにまとめている。やはり医者の視点のため、4章の「病気を医者任せにしないために」が、最も詳しく、考えさせられる内容となっている
「既存治療が行えない程、進行した場合、長くても1年」をどこまで意識出来ているか(感情では割り切れない)
「緩和ケア、延命治療を受けるかどうか」といった点は、誰にも訪れる可能性が高いが、正しい知識を持っている人は少ない
確かに、死は誰にも訪れる。自分ではなくても家族の誰かに訪れるかもしれない。それに対しての知識が欠けているのは確かだ。そして、それを勉強すると「なんで、そんなことをするのか」「縁起でもない」「私が死ねばいいと思っているのか」といった、非常にネガティブな受け止め方をする人は多いのではないか。
この本を最初に手に取ったときは、死ぬまでに何を準備すればよいか、という具体的な内容だったので、その点では期待外れではあったが、色々と考えさせられる内容であったのは間違いない。
●メモ
・数十年前は医者に任せればよかったが、現在では、医者は「この中から検討して選んで下さい」というもの。
インターネットにより情報過多となっている我々は「正解のない選択」を求められる
・がんが進んで、歩行困難でトイレにいけなくなる。それは「ごく当然」の事象であり、そうなった場合に残った時間は一般的には短い(週単位)が、その知識があるか。そうなった場合に「家に帰りたがっているが、この状態で介護を数か月は無理」と思っている人もいる
・自分が求めている内容を提供する医者はいつまでもいない。医者はそれぞれ役割、得意分野があり、病気を治す医者は痛みの緩和が苦手かもしれない。
遠くの医者よりもアクセスのしやすさを優先させるなども考えられる
・終末期に医療費、介護費を不必要に節約してしまうケースもあるが、実際には期間を考えると、そこまでの費用がかからないケースが多い
・葬儀は「残された人のため」のものだが、残された人々に無用な気づかいを生ませないための一定の関与はしたほうがよいかもしれない
・健康な時に考えた成功と死が近づいた時に考える内容は大きく異なる。
・「悪液質」はがんにより栄養が体にまわらなくなる状態のこと。これにより衰弱死してしまう。この知識がないと「栄養をとらないといけない」という強迫観念により食事が大きなストレスとなってしまうことがある
・ほとんどの医者は「治療のやめかた」を習っていない。
・免疫治療で治るケースは(著者が知っている限り)、ほとんどない。それにも関わらず治そうという希望にすがり、死ぬ準備ができなくなるケースがある
・家族と会える回数は限られている
あっという間に人生は終わる
行動を起こす、それに勝るものはない
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病気を調べると、情報の海の中でおぼれる。調べれば調べるほど不安になる。
人は絶対、が好きだが、治療に絶対はない。正解はないという痛みに向き合うことになる。
『「抗がん剤は効かない」の罪』
エリスABC理論=Aは出来事、Bは信念、Cは結果。出来事と結果の間には信念がある。信念によって結果は変わる。人は見たいものだけを見る。おいしい話ほど魅力的に映る。
世の中は、良くも悪くも度を越した信念で動く場合がある。
治療したからといって命が長くなるとは限らない。
自宅なら自分のペースが可能。「日本ポスピス緩和ケア協会」で緩和ケアのできる在宅クリニックを探す。
体力低下から自分でトイレに行けなくなるのは当たり前。
遠くの名医より近くのヤブ医(往診医)。遠くの医者にかかるのは、体力もたいへん。
立つ鳥跡を濁さず。死期が近づいたら自分で過去を整理すること。
葬儀は残されたもののためだが、お金のことを考えるなら、自分の意志を伝えておくこと。
成功者はどこか偏りがある=度を越した信念。人のまねをしないこと。
誰かのために生きることは、死ぬときに穏やかな気持ちになれる方法。
緩和ケアは併用する。治療をしないわけではない。
骨や神経の痛みは、緩和治療でも簡単には消えない。
療養型の病院は認知症の患者のため。ガンの場合はホスピスへ。
人の終末期は、栄養不足のやせや衰弱ではない。
不治の病
自分は大変な思いをしている病、未来が不安病、なくならないとわからない病。