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はやりの脳科学を検証するとともに、それが一般大衆に受け入れられる原因にも言及。直接的な批判はないが、ちくりちくりとテレビ脳科学者のことを出してくる所、苦笑。
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これを読んだ後、テレビで出てくる「脳科学」という言葉に対する見方が変わった。と同時に、私たち一般視聴者のあり方についても考えさせられた。また、脳科学だけではなく、科学全般について、私たちがどのようにかかわっていかなければならないのかこいうことについても考えさせられる一冊だったと思う。
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前々から脳画像はその読み取り方や解釈に問題(特に脳と心の因果関係の解釈)があるのではないかと思っていましたが、この著者は非常に誠実にその辺りの現実を述べています。「何ができたら解明できたと言えるか」についてしっかり自覚しなければなりません。論理的な説明や理論を二の次にする刹那主義的な態度のアホらしさに気づくことでしょう。
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[ 内容 ]
「脳科学者」の活躍や脳画像技術の進歩もあって、急速に一般社会に浸透した「脳科学」。
医療、教育、司法、マーケティングなどさまざまな分野で研究成果の応用を期待されてもいるが、その過熱ぶりに危うさはないのか―。
第一線の研究者が脳科学ブームを批判的に検証。
研究現場の現状もフェアに見つめながら、いま求められる科学と社会の関係を問う。
[ 目次 ]
はじめに メジャー化した脳科学
第1章 脳科学ブームの立役者
第2章 未来技術としての読脳術
第3章 リアリティーのある研究成果
第4章 脳科学のレトリック
第5章 研究者のダークサイド
第6章 ちいさなマニフェスト
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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いまの脳科学ブームとはいったいなんなのか、という疑問に脳研究者の立場から答えた本。脳活動をあらわした画像が必ずしも一般に思われているような意味を持っていないこと、脳トレなるものが本当に脳を「活性化」したといえるのか、タレント脳科学者と脳研究者の間、研究が社会に認められることへの誘惑と落とし穴、などが語られる。
巷にあふれる脳科学なるものに何かしらの疑わしさを感じたら、そのもやもやをかなり晴らしてくれると思う。
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世は「脳科学」ブームだが、一般にもてはやされる脳科学と実際の脳研究がいかに違うか、一見わかりやすい話がいかに科学的でないかを述べつつ、あらさがしに留まらず、「脳科学」がなぜお茶の間でもてはやされるのかを考察しようとした本。
「科学っぽく」わかりやすいストーリー(脳に関する「仮説」)に異を唱え、一方で、それを糾弾するだけではなく、なぜ巷で「脳ブーム」とも言える様相を呈しているのかを考えようとした姿勢は、単に「トンデモ科学」を糾弾する本とは一線を画すものだと思う。
また、実際に脳研究に携わる立場から、脳の画像解析の実情を語る部分はおもしろく読めた。特に、1)ある場合に脳のある部分が活動していたとしても、それが原因なのか結果なのか、また本当に因果関係があるのかは判別がつかないということ、2)脳活動とは血流を測定したものであり、信号の変化は統計値であること、また信号変化はほとんどが2%未満であること、の2点は非常に興味深かった。
難点は2点。1点目は、冒頭に挙げられている「脳トレ」や「ゲーム脳」の話題は、もはや旧聞に属す事柄になりつつあるのではないかということ。そして2点目は、おそらく著者が語ろうとした大きなテーマと思われる「『脳科学』がなぜお茶の間でもてはやされるのか」に関する考察がどうにもすっきりしないこと。わかりやすいお話が受け入れられやすいのはその通りとして、なぜサイエンスの他の分野ではなく「脳科学」が特に注目されがちなのか、というのがこの本を読んでも何だか腑に落ちなかった。
著者は「現在進行中の研究状況を一般の人に伝えていくこと」が大切と結んでいる。わかりやすすぎるストーリーでない、研究室からの地道な発信を楽しみに待ちたい。
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「その研究って、結局何の役に立つの?」
と研究について聞くとたいていの人はそう言ってしまう気がします。
研究者は現象のほんの一部を説明するために地道な研究を行わなければならないのに対し、一般の人はわかりやすさと有用性を求めている。そのジレンマと、一般の人と研究者の双方が陥りやすい思い込みの危険性を著者は脳研究者の立場から描き出しています。分野にかかわらず、研究者は同意する部分が多いのではないでしょうか。
脳トレ、ゲーム脳、脳画像の信憑性など、一般の人が興味を持ちやすい脳科学?の用いられ方についても納得させられました。
【福岡教育大学】ペンネーム:粉もん研究会会員
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脳科学と脳研究。最近メディアに取り上げられるのは前者。脳トレやゲーム脳、はたまたニューロマーケティングなど、脳活動の測定結果が社会活動に役立っている。ように見えるが、実は脳科学者達は、科学的な裏付けはとらずに、自分たちの都合のいいように結果を解釈していることが多い。一方で、学術的に研究を進めている脳研究者も、それらの風潮を黙認しているところがある。脳研究の進展は間違いないが、都合の良い結果解釈に騙されてはいけない。
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数年前まで話題だった脳トレや脳科学について研究社の立場からお茶の間の脳科学を検証した本。
実際鵜呑みにする人がいる一方で、胡散臭さにがっかりした人も多かったはずだ。私もまたその一人。
本書ではそのような人に向けて第一線で活躍する脳科学者、脳研究者として検証している。
脳トレは無意味で、筋トレのように鍛えられるものではない。たとえテストの点数が上がっても、それが脳を鍛えたという証拠にはなっていないと。
言われれば確かにそのとおりですね。