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名簿を元に電話して、話し相手になりながら個人情報を聞き出し、更に精巧な名簿を作り出すそうなので、淋しいお年寄りはうっかり身の上話をしないように気をつけないと!
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老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体。鈴木大介先生の著書。高齢者を狙った詐欺、老人食いがなくならない日本の現状。昔の日本は高齢者、お年寄りが尊敬されていたはずなのに、現代の日本は高齢者は軽んじられ、時として詐欺の対象になっている。高齢化社会で高齢者が増えているといった社会環境の問題なのでしょうか。それとも教育環境や政治環境の問題なのでしょうか。
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世の中には詐欺を生業としている人がいる。そのような人たちがどんなモチベーションで詐欺を行っているのか(特にどのように罪悪感を克服しているのか)、そしてどうしてそのような人たちが世の中からいなくならないのか、ということに迫ったルポ。
全体的に強烈。軽くカルチャーショックですらある。世代間格差とそのルサンチマンについては共感できる。それでもいろいろ引っ掛かりはある。若者が金持ちになるのは悪ではないのか(この詐欺師たちもそうだが)とか、そもそもこんな社会を作ったのは老人たちなのだから老人が悪いということになっているが、いやいや社会なんて意図して作れるわけないじゃんとか。じゃあ誰が責任を負うのかとなったら、やはり上の世代しかないとは思うけども。個人的には最終的に諦念が残った。
一つ良い諦めもあった。「電話口で詐欺だと相手にバレたとしても、金は取れる」という衝撃の話が出てくるが、これを読んで自分や家族が詐欺に遭ったらどうしようという気持ちは消え去った。こんなもの太刀打ちできるわけない。そのときはそのときだ。
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オレオレ詐欺の裏側がしっかり描かれている点はさすが。ただ、取材対象(オレオレ詐欺の犯人たち)への思い入れが強い点に少々違和感を感じる。その意味では、本書は、オレオレ詐欺の犯人たちを主人公にした、小説風味のノンフィクションと思ったほうがいいかもしれない。
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犯罪だとは分かっていても、老人喰い側に感情移入しちゃうな。
それだけ世の中が閉塞感に包まれているという事だろうけど。
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老人を対象にした詐欺の実態のノンフィクション。まるでその場にいたかのような臨場感のある描写が続くが、残念なことにすべては“想像”でしかない。テレビの“再現映像”のようなもので、実際に取材はしているのだろうが全面的に信頼することはできない。さらにNFとしては致命傷(とぼくは思っている)の誤字が多い。見出しのサイズが本文より小さいのもどうなんだろう? このあたりは編集者の責任かな。総合的に「読み物としては面白いけど、話半分に」と判断せざるを得ない。ただ、その実体は凄まじいし、彼らの主張する大義名分に思わず頷いてしまった自分が怖い。
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特殊詐欺グループの内情に迫るルポ。
高度な組織化と、優秀な人材を選抜して育成するシステム、高いモチベーションの源泉、名簿屋、道具屋、A店舗(受け子外部委託)などののビジネススキーム etc。
啓蒙されながらも被害が無くならないのは、被害者の落ち度だけとは言えないのだと分かった。
頭が切れる人間がシナリオを日々研鑽して、
騙したり脅したりの素養が、ある人間を鍛えて、実行するわけだから、そりゃ引っかかる人もでてくるな、、、と。
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小説のドラマ化、録画したもの見終わりました。
杉野くんチョイスで見はじめたけど、ストーリーが面白かった。一流企業から新卒切りにあい、詐欺に手を染めることになった若者の話。詐欺=悪!と思っていても、主人公:草野が、悪人には見えなくなっていた。。。不思議なストーリーでした。
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オレオレ詐欺などカネのある高齢者を狙う詐欺犯罪が広がっている。日本社会において、「老人喰い」は若者向けのビジネスであり、決して無くなることはない。と、著者は断言する。本書はそんな裏社会の取材を通して、その理由を明らかにする。
感心しちゃいけないことだが、詐欺グループの人材採用・教育、実行システム、成功報酬などの一連のシステムは合理的ですばらしい。人事や営業に困っている企業はぜひ参考にすべきだ。
手にできるのがゼロか百万円かというシビアな状況ほど人が成長し、能力を発揮する場所はない。詐欺の動機だって、資産も将来の保証もない若者が余生わずかな資産家から富の一部を分けてもらうことと定義してしまえば、道徳観さえ満たされてしまう。メンバーにとって「老人喰い」は利益率の高い正義の仕事なのだ。
著者は「老人喰い」を評価しているわけではないが、高齢者を優遇する社会に反省すべき点はないかという疑問を投げかけている。
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ニュースでよく見かける「高齢者詐欺」
どういうモノが高齢者詐欺なんだろう。知りたいなーと思って読んでみたら、内容は全然違った。
高齢者詐欺をしているのはどんな集団か
彼らはどんな歴史を持っていて、どう詐欺に出会ったのか
詐欺を働く人間たちはどんな意識を持っているのか
そんなことがリアルに描かれていた。
生々しい描写に同情やしんどさを感じる一方で、
自分もひとつ間違えれば彼らの側だったかもしれないなと思うほどの日本社会の厳しさも感じた。
日本がどんな社会になっているのか、
その闇の部分か非常によくわかる一冊だと思う
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NHKドラマのサギデカを観て、手にとってみた。2015年に書かれた本だけど、その頃すでに特殊詐欺が始まって十数年たってたということに驚く。モシモシ、オレオレなんてそんなに騙され続けるような詐欺?と思っていたけど、いまもって増える一方。
詐欺のプレイヤーの気質というか属性というか、そういうものを本書で知り、だからなくならないし高度化しているのかと納得。詐欺は犯罪だけど、凄まじいほどの世代間格差が元凶で、筆者の言う通り、与え育てること、を社会全体で考えることが数少ない処方箋かもしれない。想像もつかぬほどの格差と分断が進み、自己責任、言葉がこれ以上跋扈しない世の中になることを祈りたい。
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見事に分化していたが、今は詐欺を軽蔑していた893がこの業界に参入してきたということ。また、受け子のような使い捨てのポジを最近の都会の若者が好むようになって、堕落化したということ。◆◆生情報(単なる名簿)を使っているSはほとんどいないということ。擦った名簿か。
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数ある名作ルポの中でもダントツに面白いのでぜひ読んでもらいたい作品。読みやすいのですからぜひ。
「オレオレ詐欺って犯罪なのに腹が立たないな」と漠然と感じてた理由が見事に言語化されています。
筆者がいうように、優秀(?)な人材の無駄遣いとも思うけど、巷の会社の仕事のくだらなさを考えると㈱詐欺本舗でモチベーション高く頑張った方がよいのでは(笑)とすら感じてくる。ただ、ご多分にもれず、儲かるところには内紛・階層構造・中間搾取が激しくなり、成長産業や優秀な組織であってもダメになっていくのは、ビジネスの必然と無情を感じることろであった。(もちろん警察や関係各機関の皆さんのご尽力によりビジネスがしにくくなったという側面も多い。)
どうでもいいけども、作中の人物が語る「隠語」の面白さに笑いっぱなしであった。「バグる」「オカワリ」って(笑)
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ここ数十年の日本の苦境の原因は、次の3つにある。
①若者の打ち立てるビジネスに対して、十分な投資がなされていない
②需要の高いサービスはいくらでもあるが、そのサービスを必要とする人たちに支払えるだけの購買力が無い
③どんなビジネスをするのにも、行政によるさまざまな法や制約や手続が必要で、その対応だけで時間と人手と利益がすべてふっとんでしまう
この3つの課題をクリアできたビジネス、それが本書で出てくる組織による特殊詐欺だと思う。組織は極限まで効率化され、若い働き手たちは高いモチベーションを持ち、とことんまで高収益を上げていく。こういう若者たちが表の世界で同じように力を発揮できれば、日本はもっと活力のある豊かな国になれるはずだ。
しかし実態はそうなっていない。なぜか。上の3つに上げたとおりである。
したがって我々は次のような、逆のことをすればよいのだ。
①老人を中心に、金のある人達は若者や新しいビジネスに積極的に投資する。
②多くのサービスを必要とする者(小さい子を持つ家族など)に対して十分に給与や行政の補助を与える。
③過去に事故や事件が起きるたびに行政が新たなルールをどんどん追加してきたが、それらが本当に必要なのか今一度考えて、ルールを大胆に廃止する。規制緩和ではなく、ルールそのものを廃止することが大事。
本書は①②の重要性について改めて気づかせてくれる。でもね、①②をすればいいだなんて、そんなことは政治家も官僚も本当は分かってるんだよね。わざとやってないんだ。
そしてその結果、現在の特殊詐欺のはびこる社会になってしまったというわけだ。特殊詐欺の被害を訴える老人を含めて私たちは、自分らが選挙で①②を敢えてしないような政治家を選んでいった結果として、特殊詐欺を実際に許してしまう社会を作ってきたんだという事実を、甘んじて受け入れなければならないのだ。
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「ほとんどの老人は、ただ自分のために金を溜め込んで使わない。金は若い連中に廻らない。これは誰のせいだ?」
読んでいる途中でうっかり、老人喰いが正しいのでは、とさえ感じました。
お金というものに安心感を覚えるのは、老いも若きも同じでしょう。だから、抱え込んでいるのだし、騙してでも欲しいモノでもある。
こういった問題はいつぐらいからあったのかなと考えてしまいました。または、これも長生きの弊害だったのでしょうか。
時代に望まれない両者の対立だと感じました。