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近年、地震、津波、台風、大雨、伝染病などの、思いもかけない災害が頻発するようになったこともあり、「何があってもまた立ち直れる力」を意味するレジリエンスという言葉は、耳目に触れることも多くなった。
本書は、序章の「レジリエンスとは何か」に続く、「レジリエンスの基礎を知る」「折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる」「自分と家族のレジリエンスを高める」の三部構成からなり、生態系、教育、家庭、地域、自治体、企業、国家など、多岐にわたってレジリエンスを高めるためのヒントを紹介している。「「レジリエンス」に出会って日本に広く伝えたい! と思ってから10年、やとこの入門書をお届けで、とてもうれしく思います。一人ひとりの人生や暮らし、組織や地域、社会のレジリエンスを高めるために少しでも役に立てれば、これ以上の喜びはありません」というあとがきの言葉が、本当に強く伝わってくる1冊だ。
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今まで枝廣さんのメールニュースで断片的に読んできたことが、とても分かりやすく1冊の本になって嬉しい。全体的な概念のフレームワークとともに紹介されている、世界各地での具体的な実践事例はどれも興味深い。
以前の私は断然、環境系の取組ばかりに関心が向いていたけれど、この本を読んで改めて、今は教育というか心のあり方に興味が増しているな、とも実感した。
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世界で高まる「レジニエンス」への取り組みの動向を紹介しながら、わが国における展開の必要性を訴える。企業経営においても軽視できないテーマである。
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教育学的知見が欲しくて読んだら、思いがけず今の仕事のモヤモヤの原因も判明してしまった感。
レジリエンスとは、困難な状況に陥ってもそれを踏まえて立ち直る力。言い換えると『しなやかさ』かな、と思う。
個々人の人生も、企業の事業継続も、環境保全も、かならず困難(ストレス)に直面する場面があって、それにどう立ち向かうか。
予防はもちろん大切だが、起きてしまったことに対する対処療法について、企業の経営層はもっと大局的に考えてほしい…なんて愚痴になりそう笑
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レジリエンス 反発性、弾力性を示す物理の擁護
外からの力が加わっても、また元の姿に戻れる力
構造安定性、冗長性、人材資源の豊かさ、反応力、復活力の5つの要因で構成されている
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毎日4/26 レジリエンスもともと物理学の言葉「復元力」「弾力性」 著者は「しなやかな強さ」と訳す 生態系保護や災害に強い地域づくりなど国内外のレジリエンスの実践事例報告 里山資本主義、地産地消とも関連
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レジリエンスとは「しなやかな強さ」と訳します。
強い風にも重い雪にも、ぽきっと折れることなく、しなってまた元の姿に戻る竹のように、
「何かあってもまた立ち直れる力」のことです。
いまの日本はこの「レジリエンス力」がとても弱くなっていると著者は言います。
たとえば、効率やコストを重視するあまり、
資材の調達先を一社に絞った結果、3・11のような大きな震災の場合、企業は立ちゆかなくなってしまう。
同じように効率重視で行われているのは企業経営だけにとどまらず、
教育、子育て、地域社会、環境でも垣間見ることができます。
しかし、世界では、このレジリエンスの研究が進んでおり、
上記のような様々な面でレジリエンスへの取り組みが積極的に行われています。
世界のレジリエンス研究家とともにレジリエンスの研究を深め、
啓発活動を行ってきた著者が、レジリエンスがかつてないほど必要となっている日本と
日本人にレジリエンスの考え方と取り組み方を世界の実例を交えながら解説します。
心理学者 イローナ・ボニウェル博士
「レジリエンスには、思考の柔軟性が必要な事が分かってきました。
つまり、厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見いだす事ができる人が、逆境を乗り越える事ができるのです。」
埼玉学園大学 小玉正博教授
「にこっと笑うでしょ。
反応が強すぎる、一個一個(の結果)に対して。
長持ちしない、いちいちリアクションするから。
自分の感情出し過ぎる。
一喜一憂するのはエネルギー消耗しますよ。」
課題に対して最初から無理と決めつけていたり、自分の力を過小評価する傾向があったのです。
レジリエンスには、状況に一喜一憂しない感情をコントロールする力や、
自分の力を過小評価しない自尊感情が大きく関係する事が分かってきたのです。
一方、1時間以上にわたって挑戦を諦めなかった人たちからも、一定の傾向が明らかになりました。
課題の失敗を繰り返す中でも、少しずつ成長していると感じている人や、
いつかできるだろうという気持ちを持つ人が多くいたのです。
自分が成長前進していると感じる事ができる、自己効力感という要素。
そして失敗の中でもいつかできると考える楽観性も、レジリエンスには重要な要素である事が分かってきました。
埼玉学園大学 小玉正博教授
「一般的に“心が強い”とイメージするのは、“鋼のような”、“跳ね返す”、“硬い”、“頑丈な”というイメージを持つが、
レジリエンスというのは、楽観性のように自分のいる状況に対して前向きに、
不安とかそういうものに打ち負けないでしなやかにこなしていく。
そういう心の持ちようがレジリエンスだということが、研究の中でだんだんと明らかにされてますね。」
●心が折れにくくなるための一番大事な事とは?
自分にとってそれが大切かどうかっていうのを客観的に考える力なんだと思うんですね。
何が大切なのかっていうのをご自分の中で客観的にきちんと把握しておかれるという事ですね。
そうすると、目の前の成功失敗に一喜一憂しないで済むという事があると思うんです。
そしてその大事なもののために諦めないで頑張る。
それ以外のところは上手に諦めるっていう、そういうふうな事がまず1つ大事だと思うんです。
もう1つは、1人で頑張る力というのは限られてますので、
ほかの人と一緒にそういう事ができる、そういう環境を作るというのも大事だと思うんですね。
●ネガティブな時に誰かに声をかけるのは大変では?
だけど人にとって一番幸せな事って、人のために何かできる事なんですね。
ですから思い切って声をかけて頂くと、ご自分にとっても楽になりますし、
その人もその方に対して何かができるっていう幸せ感を感じられると思いますので、やはり両方が幸せになれる。
そういう第一歩だと思うんですけどね。
(思い切って何かお願いしたりするという事も大事?)
そうですね。
そうするとお互いに幸せになれるという事だと思います。
■目次
レジリエンスとは何か
第1部 レジリエンスの基礎を知る
(生態系のレジリエンス 折れないこころをつくる―レジリエンスの心理学)
第2部 折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる
(折れない子どもをはぐくむ学校―レジリエンスを高める教育
折れない子どもを育てる―家庭で高めるレジリエンス
温暖化にも折れない暮らしをつくる
災害にも折れない暮らし・地域をつくる
折れない自治体や都市をつくる
住民の力で、何があっても折れない地域をつくる)
第3部 自分と家族のレジリエンスを高めるには
(折れない人生・折れない暮らしをつくる)
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何があっても折れない、しなやかな強さを示すレジリエンスに関する入門書。
こころや地域社会まで色んな考え方が紹介されています。
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久しぶりに読みたいと思った本がこれ。
最初はすごくわかりやすかったんだけど
途中から分かりづらかったなあ。
ただ、予期していたように、
自分にはレジリエンス力はまったくない。。。
だから、そのような力をもっている人は
そういう考え方をするんだ~というのが
勉強になった。
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少なくとも、読むのに足かけ3年かかりました。
読みやすい部分と、読みにくい部分が混在していて、スムーズに読めませんでした。
何なんだろう、この感覚…。
とりあえず、「レジリエンス」の概念はよくわかりました。
また、その方向性は、自分の考えとも一致します。
が、行動に移すとなると、ちょっと壁がありそうなので、自分に合ったやり方を考えます。
まずは、この本にも書かれているように、何らかのアクションを起こすときに「レジリエンス的な視点でも考えてみる」からスタートですね。
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レジリエンスとは、いろいろな訳されかたがあるが、「何かあってもしなやかに立ち直れる力」というのがわかりやすいだろう。
この本のアプローチはかなり広範囲である。というのも、レジリエンスの両親、「生態系」と「心理学」の両面を意識しているから。
自己肯定感が強い人はレジリエンスも強い。わかる気がする。「どうせ俺なんか」という気持ちがあれば、復元なんか出来っこない。いわゆる心が折れるというやつだ。そういう話がある一方で、石油に頼らないということ、というようなグローバルな話も出てくる。
レジリエンスというキーワードは通底しているが、範囲が広すぎて個人で受け止めるテーマというよりも、社会がこうあったらいい、という話になっていて、そうなると何だかおまかせモードに突入してしまいがちだ。
しかし、この「おまかせ」がレジリエンスの大敵なのだ。何かへの依存度が高いと、それがなくなったときにどうにもならなくなる。たとえば石油がなくなったら。円が使えなくなったら。食料輸入がとまったら。会社員じゃなくなったら。個人レベルで見ても、多くのことに代替手段がない。
リローカリゼーションとか、いわゆるスローとか、理解していたつもりであったが、自分の身をあらためて点検すると、ちっともレジリエンスではないではないか。そもそも、僕の心はすぐ「どうせ」という言葉を吐いて折れるからね…。
とにかく「この道しかない」という考え方をしないこと。それって「折れる」とは違うはずだ。
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個人がしなやかに強くなるだけではなく、個人を取り巻く集団や環境も、どんな事が起きても挫けないものならなくてはならない、また、困っている個人を救わなくてはならないという考えは勉強になった。