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【あらすじ】
死を招く絵画に隠された暗号とは!? 美術ミステリー!独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、図像(イコン)。英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は、祖父の死を機に日本に戻ってきた。祖母が経営する画廊には一風変わった仲間が集っており人付き合いの苦手な千景は戸惑うばかり。そこで千景はある盗難絵画の鑑定を依頼されるが、仲介者が昔から気の合わない幼馴染みの透磨だと知って…!? 呪いの絵をめぐるミステリー!!
【感想】
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図像学を学んだ千景と幼馴染の透磨が織りなす呪いの絵画をめぐる美術ミステリー。
かなり面白かったです。
まず、設定がしっかりしている。
それぞれのキャラの個性がちゃんとストーリーの中で意味を持っていて、よかったです。
千景と透磨だけだときっとあまり面白くなかったのかな、このメンバーだから楽しめるのかな、と。
図像学って知らなかったし、おそらく一般的ではないと思うけど、
あまり知られていないだろう題材をうまく使ってるなぁ…と思いました。
ちゃんと解説めいた箇所もあり、分かりやすく。
そして何より、その題材だからこその話になっているのが良かったです。
続編が出そうな流れ。
ぜひ読みたいです。
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好きな作家さんだけど、発売に気付かなかった☆不覚
良かったです!
「図像学で絵画を読み解く」なんて、どんな小難しい物語(笑)になるんだろう?と思ったのですが、
途中で詰まることなく話にのめり込むことが出来ました。
この話、きっと続くよね?
続いて欲しいなぁ *^_^*♪
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“「そのブレスレット、昔からつけてましたね」
透磨がぽつりと言った。
「おぼえてるの?」
「ええ、まあ」
意外だったのは、千景にとって透磨の記憶が少ないように、彼もそうだと思い込んでいたからだ。しかし考えてみれば、千景が幼かったころ彼はすでに物心もついて、いろいろなことをおぼえているだろう年頃だった。
「ナデシコの花をかたどったチャームはまだありますか?」
さらに、びっくりさせられた。今千景が指先で触れていた銀細工がナデシコだ。チャームの小さな細工のひとつを、彼がおぼえているとしたら、そんなに近くで見せたことがあるのだろうか。
「あるわ。どうして?」
「……いえ、べつに」
意味深な間を置いて、透磨はそう言った。取り繕うように付け足す。
「あれが、開いたナデシコの花みたいだと思って、思い出しただけです」”[P.67]
この人の文章は美味しいところがあるって知ってるからそれをわくわくして読んでしまう。
基本敬語をつかってる透磨が京一と話す時にそれをやめたとこ良かった。
透磨が心を奪われた絵ってのが千景が昔に描いた絵だと思い込んでたけれどそんな描写あったっけな?
続きが出そうな感じ。カゲロウさんの正体とか、千景の両親とかとか。
コバルト文庫と番号は地続きだけど背表紙とか違うね。
“「頼るって、どういうことなのかしら」
「うーん、あらためて訊かれると、あたしもよくわかんないや。でも、そうだ、バカのふりをしてみるとかじゃない?」
瑠衣はそう言って笑う。深刻にならないところが彼女らしくて、それが彼女なりの気遣いなのだろうと思えた。
「そういや、昨日はめずらしいものが見られたんだよ」
明るく話題を変える。
「めずらしいもの?」
「透磨くんのうろたえたところ」
「うろたえたの?」
「顔に出さないようにしてたけど、絶対うろたえてたよ」
千景には想像もできなかった。
「屋上、行ってみたら?たぶんそこにいるんじゃないかな。彼、高いところ好きだから」”[P.232]
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表紙のイラストが魅力的だったのと、「伯爵と妖精」シリーズの作家さんだということで手に取りました。恋愛要素が多めなのかな?と想像していましたが、ミステリ色が強めです。恋愛要素少なめでも面白い人物が多いので、楽しんで読めました。活字だけなのに芸術作品を上手に描写してくれているので、架空のものでも頭に思い浮かべることができました。主人公の絵は、一度絵として見てみたくなりました。表紙のふたりの関係が少しだけ進展したところで終わってしまったので、これからの展開が楽しみです。
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題材が図像術というのが、斬新で面白かった。
谷さんの文章はどこか温かさがあるし読んでて
ほっとするのだけれど、ストーリーは図像術以外、簡単に解けるようなものだったし、続編のための伏線をはりすぎて若干散らかり気味だった感じは否めない。
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絵画に隠された意味を読み解く図像術。なんだか「ダ・ヴィンチ・コード」を思い出したけれど、こちらの方が親しみやすいミステリー(^^)適度のドキドキ、ハラハラ、ラブキュンが心地好い♪千景と透磨のこれから、キューブのメンバーの実力、千景の両親の事など、まだまだ気になる事がたくさんあるので続編が出ると良いなぁ(*´ω`*)
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帰国子女のお嬢様然としたヒロインの態度を、どこかの執事とお嬢様的な要素ととらえると、萌え。
多少つっこみどころはありでだが、呪いの絵画をめぐる美術ミステリとしては、とても面白いお話だったので、今後にかなり期待。
http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3603.html
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図像学のスペシャリストという切り口のミステリー。これはまだどうかよく分からない感じだが、過去に誘拐されたことから記憶に難のある帰国子女の千景と画商の透磨の恋愛模様は続きが読みたい。そして、祖母の鈴子さんが素敵だ。
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新しいジャンルのおはなしだった。
ミステリー…かどうかは
わからないけど、
知識が増えて、読んでて楽しいほんでした!
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美術ミステリーという言葉に惹かれて読みはじめました。この本を読んで初めて図像学という言葉を知り、美術の世界はものすごく奥が深いのだと再認識しました。登場人物それぞれ違う個性を持っていて、読んでいてとても楽しかったです。
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図像を読み取ることができる千景。
日本へ帰ってきたばかりの彼女は、
苦手な幼馴染・透磨とともに絵の取引に関わることになる。
盗まれた絵にあるはずの図像は、
人を死に至らしめるほどの影響力をもつという。
誘拐された過去の傷から、透磨との過去の記憶はない千景と
辛辣な物言いに真意を隠す透磨。
2人のやり取りがじれったいのと、
絵画の行方がどうなるのかが交互に折り重なっていて
読みやすかった。
もう少し、絵画についての割合が多いほうが好み。
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絵画に何か意味を込めて描く手法を「図像(イコン)」というのを初めて知ったのですが、これがなかなかおもしろいです。祖父の死を機に主人公の千景は英国から帰国。祖母が経営する画廊に集う面々と盗難絵画の鑑定依頼されたりします。祖父の遺言がときめきます。透磨のツンツンデレが特にいいです(笑)
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図像学者の主人公・千景と老舗画廊の当主・透磨(犬猿の仲)が、盗難にあった「図像術を使った呪いの絵画」を探す間に互いを意識しあっていく?話。
幼馴染設定が後半になればなるほど意識されて、読んでいて思わずにやにやしてしまった。
まだ二人の恋は始まったばかり、千景の中では始まってすらいないようにも思えるので、続編に期待。
ミステリーとまではいかないにしても事件もの。
さらっと読めるので、電車内で読むのにいいかもしれない。
恋愛要素が強いわけでもないので、男性でも気軽に読めると思います。
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紅茶の香り漂う洋館に集うは、風変りな人々。
絵画ミステリという帯に、期待半分怖さ半分で購入。まったく詳しくないけれど、絵画好きなので期待する一方、昔流行ったダ・ヴィンチのあれと同じような唖然とするミステリだったらどうしようという怖さがあった。
しかし、いい意味で期待は裏切られた。互い素直になれない二人の距離を描いた作品として読めば、にやにやしてしまいそうなほど楽しい。これはもちろんシリーズ化するんだよね、と思わせる伏線が随所にあって、続きが気になって仕方ない。続編出たら、間違いなく購入決定。