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先日(2015年9月5日)トヨタが自動運転技術開発のため米マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学とAI(人工知能)の研究で協力するとのニュースがあった。今後5年間で60億円を投資するという。
ハンドルを握らないで自動的に運転される車というのは夢のような話だが、おそらく10年もしないうちに高速道路を走る車の何%かは自動走行しているかもしれない。
「人工知能は人類の敵か」と書かれると、まるでブレードランナーのレプリカントやターミネーターのスカイネットを思い出してしまうが、この本で紹介されるAI(人工知能)はもっと現実的なものだ。これからは、現在「道具」として使われているもの(工業製品)に、どんどんAIが実装されていく事になるのだろう。
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無駄に扇情的な表現や「〜〜は明らかです」みたいな根拠が弱い場合特有の言い切りが多い印象。情報量が多いのは良かった。
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●は引用。→は感想。
●このようにコンピュータが提示するアイデアを参考にしながら、人間が最終的な決定を下す方法は、前述のアドバンスト・チェスやタッグマッチ形式の将棋とも共通するところがあります。しかし、ロジック(論理)に基づき、あくまでも勝負を最優先するチェスや将棋の場合、結局はコンピュータの方に分があるのに対し、建築物の設計ではそれを評価する人間の主観が最優先されることから、むしろ人間(建築家)の方に分がある。
●現時点ですでに深刻な様相を呈している地球温暖化や砂漠化、PM2.5のような大気汚染、原発施設内に留め置かれている行き場を失った核廃棄物、等々。これら世界的問題は早晩、人類単独の力では対処しきれなくなるでしょう。そこに人間を超える知能を備えたコンピュータやロボットが必要とされるのではないでしょうか。
→理想の未来
●たとえばマイクロソフトの技術者らは、ディープラーニングに基づく機械翻訳技術を開発する際、ニューラルネット(ディープラーニング・システム)に何種類かの言語を集中的に学習させました。手始めに英語と中国語を学ばせたところ、これらの言語に関するニューラルネットの語学力は上がりました。次にスペイン語を学習させると、スペイン語の語学力もあがりました。ここまでは予想通りですが、不思議なことにスペイン語を学んだシステムは、それ以前に学んでいた英語と中国語の語学力も向上しました。その理由は、このシステムを開発した当のエンジニアにも、よく分かっていません。これに限らず、ディープラーニングの内部メカニズムについては、その専門家にも、まだ不明な点が数多く残されています。もちろん、そこに実装された「スパース・コーディング」などの技術は脳科学の成果に基づいて研究者(人間)が開発したものですから、不明な点はありません。しかし複雑に入り乱れる人工の神経回路網のどこをどう情報が伝わって、ディープラーニングが何らかの学習成果を導き出すのか。この点については、まだ十分解明されていないのです。
→作成者が予想しなかった成長・進化する人工知能はちょっと不気味。将来、雇用ばかりでなく、人類の生存権も脅かされるという不安も捨てきれない。大鉄人17のブレーンなど、1970~80年代の特撮TV番組がイメージしたコンピュータ。
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AIによって、これからの社会がどう変わろうとしているのか。グーグルなどAIを利用する企業は市場開拓に向けて何をねらっているのか。
今までコンピュータ発展の過程で、様々な職種が技術によって奪われてきた。最後に残された人間の聖域、つまり奪われる可能性がない安全な仕事とは、医師のほか、起業家やマーケティング・マネージャーなど、「高度な創造性と社会的知性(=社交やコミュニケーションなどの能力)を必要とする職業であるという。
奪われそうな職業は、金融関係。奪われそうにないのは、医師、教師、デザイナー、エンジニア、弁護士、ライターなど。
少子高齢化による人手不足は、医療、流通、倉庫、宅配、建設産業などで顕著。その分野でロボットが必要になってきている。これを受けて、欧米では「ロボット・ルネサンス」という開発ブームが起きているという。MIT,カーネギーメロン、スタンフォードなど。「ルンバ」もその1つ。
さて、グーグルは何をしようとしているのか。ロボット技術やAIを組み合わせ、次世代ロボットを開発しようとしている。ロボットから企業の情報や無数のユーザーの日常データを大量に吸い上げたいのだ。次世代ロボットとは実はユーザーとの間で情報をやりとりする「次世代の情報端末」なのだ。それは彼らを内側から支配するために投入する「トロイの木馬」なのだ。
「創造性について」
スティーブ・ジョブズ
「過去の経験をつなぎあわせ、新しいものを統合することができるからだ。それが可能なのは、彼らが他の人間より多くの経験をしているから、あるいはほかの人間より自分の経験についてよく考えているからだ」
創造性とは、全くのゼロから何かを生み出すことではありません。むしろ幅広い経験を通じて目撃したり学んだりしたさまざまな事柄、つまり一見すると無関係な事柄の間に他者が気づかない関連性を見出し、それに基づいて別々の事柄を1つにつなぎ合わせる能力です。
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マイクロソフトの同時通訳サービスに実装されたディーブ・ニュートラルネットは、スペイン語を学習すると、なぜか英語や中国語まで上達するなど、これを開発している研究者の期待を上回る汎化能力を示しています。
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ディープラーニング自体は非常に新しい技術。この分野の専門家は世界で50人しかいない説あり。
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グーグルは、自動運転車を嚆矢とする次世代ロボット用のAI型OS(基本ソフト)を抑えようとしている。
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近年のホットワードである、ディープラーニングについて知りたくて本書を手に取る。AI研究の軌跡と合わせて説明されており、非常にわかりやすかった。
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AIが人間を超える日が着々と近づいていることを実感できる。人間の存在意義を考えさせる本ってとはある意味宗教や哲学に近いかも。
エンジニアとしては、今後の金の種になりそうなのはやはりこの分野か、と再認識。
スタンフォードでこの分野のPh.Dでもとれば一生食ってけそう。
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図書館より
2020年の東京オリンピックには自動運転車を実用化させる、というニュースを聞き、運転の得意でない自分にとっては、おお!すごい、と思いましたが、一方でAIがそこまで進んでいることに驚いたのを覚えています。
そうしたAIの発展の裏には脳科学の研究が進んだことが関係しているらしく、そうしたAIの研究の流れや現状、またグーグルやソフトバンクのペッパー、将棋の電脳戦などについても触れられています。
本の中で今後10~20年間でコンピュータやロボットに仕事を奪われそうな職種、とあって、その中に「データ入力」や「小売店のレジ」といった事務だけでなく、
「料理人」や「給仕」も90%以上で職を奪われる、とありまた驚きました。
こうしたAIや人工知能にグーグルやソフトバンクといった大企業が参入するのは、今後の事業の広がりやビックデータとしての活用を見越してのことらしいです。
AIは「機械学習」というセンサーから得たデータを解析し、それを基にし認識能力や理解力を高めていく技術があるそうで、まさに人間が学習していくようにAIも学習していくようになっているみたいです。
そして、自動車や様々な機械に自社産のAIや人工知能を使い、またデータを集めAIのさらなる改良に努める、そうして生まれたAIがあらゆる産業で使われれば、世界を全産業のロボットや機械に自社のAIを使うことも夢ではない、
だから今、各国、各社がAIの開発に力を注いでいるそうで、こう考えると、本当に一つの企業が世界を支配するのも夢ではない気がします。
いったん、一つの社がすごいAIを開発し、それがシェアを占めれば、集まるデータ量が多い分、さらに改良が進み、他のシェアの低いAIは勝ち目がなくなる、ということもあり得るのかな、と思います。
人工知能が将棋でプロに勝ったり、オーケストラを作曲したりとAIが芸術や思考力、直観の点で人間に近づいていることが分かります。それは著者曰く、人間の持っていた創造性が、最近のコンピュータにも芽生え始めているとします。そして、それがいつかおそらく人間を超える、人間はそうした人工知能を生み出すだろう、とします。
なぜなら、環境問題や原発などすでに人間の手に負えない問題に対し、そうした人間を越えた知能を持つ人工知能が解決する可能性を持つから。未来へ向け、そうした人工知能といかに協力するかが大事だということが示唆されます。
人工知能の可能性について、少し恐ろしく感じるところもありましたが、その一方で希望も感じられる本でした。
山本弘さんの『アイの物語』の人間とアンドロイドの未来が本当に現実になるのかもしれない、と少し思いました。
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最近のコンピュータ知能は驚異的能力のレベルに達し、今後更に進展していく。歴史を概観し、日本の技術的立ち位置の危うさを憂い、人類にとっての未来を考える。
何となく機械より人間が偉いように刷り込まれて来ましたが、冷静に見るなら、機械の方が能力高いよね。
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20151205
グーグルやその他ベンチャー含めた多くの企業がAIの開発をしている。今は自動運転の自動車が注目。しかし、法整備など課題が多い。また、正面衝突の際に誰を守るか…など倫理的問題も。ファットテールの扱い。
また、パターンを人間が入れる方式ではなく機械自ら学ぶシステムが必要。脳の働きを取り入れた深層学習。
脳の動きを解明することでより進化していく?
また。AIが人の仕事を奪うことも。しかし、機械ができる仕事は人間がやるべきものでなく、人はもっと付加価値のある仕事をすべきとの考え方もある。
人は人間を上回る知能を持ったAIは生まれるのか?生まれたとして、人は機械と共存できるのか。
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AIとは…みたいな本は過去に数冊読んだが、
これを読んで思ったのは、
AIとは"大量のデータの奪い合い"と"そのデータの活用"の2つを指し示すのだろうということ。
今まではオンライン上のデータ(EC、SNS、閲覧記録etc)のみだったのが、
人のもつ全てに近いデータを使おうとされている。
これらのデータから人の一体なにが見えるようになるのか
気になるようなそんな気がします。
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さまざまなことを考えさせてくれる良書。
手塚信者としては、AIの進歩を手放しで歓迎しているふしはあったんだよね。でも本書を読んで、
「ん?それほど楽観的に構えられないのでは?いや、実は相当にやばい状況なのでは?」
という気がふつふつとわいてきた。多くの論者が指摘するように、AIが人類最大の敵になっちゃうんじゃなかろうか、と。
著者は「人間にしかない『何か』」があるってことで楽観してるんだけど、それって本書に登場してた「チェスや音楽は人間にしかない『何か崇高なもの』を体現したものだ」と素朴に信じる人物と同じ楽観なんじゃないかなと思う。
「強いAI」が登場したら、チェスの評価がそうであったのと同じように、人間そのものの評価ががたっと落ちちゃうと思うんだよね。そうするとどうなるか。僕たちが常識と思い込んでいる倫理や道徳が大きく変わるだろう。そのとき、社会ってのはどうなるんだろうか。そんなことを考えて身震いしてしまう。
かといって経済を考えると、AI開発を禁止することなどできるはずもなし、いや難しい問題っすわ、AI。
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KDDI総研のフェローが、コンピュータと脳科学の融合により研究開発が急速に進んでいるAI(人工知能)について、その現状と将来の見通しを解説している。
本書で著者は以下のように述べている。
◆AIの研究開発は、1950年代に本格的に始まったが、当初の技術の「ニューラルネット」(脳を構成する無数のニューロン(神経細胞)のネットワークを工学的に再現したもの)は、「脳科学」というより「数学の産物」に過ぎなかった。しかし、2000年代に入り、脳科学の研究結果をAI開発へ本格的に応用した「ディープ・ニューラルネット」と呼ばれる技術により「パターン認識能力」(音声や画像を認識する能力)が飛躍的に高まり、近年中に「言語処理能力」が大きく進化すると考えられている。
◆更に、脳科学との融合は、AIについて、「パターン認識」や「言語処理能力」などの特定の用途に使われるツールに過ぎないと考える「弱いAI」という思想から、人間と同じく汎用の知性を備え、いずれは人間のような意識や精神さえも宿すようになると考える「強いAI」という思想へ転換しつつある。
◆この技術の飛躍的な進歩により、近年は、掃除ロボットやドローン(無人航空機)などが生み出され、自動運転車などの開発が進められている。こうしたAI技術は巨大なビジネスチャンスを生み出すものと捉えられ、グーグル、フェイスブックなどの世界的なIT企業が研究開発体制を急速に整えている。日本の産業界も後れを取ってはいけない。
◆一方で、AIは進化の過程で自然発生的に自らの意志を持ち、それを作り出した人類の意図とは全く違う方向へ発達してしまう危険性(究極的には人類を滅亡させる)を秘めているとも言える(「コンピュータ2045年問題」)。理論物理学者スティーブン・ホーキング氏やビル・ゲイツ氏など、多くの有識者が警鐘を鳴らしている。また、更に現実的な懸念としては、AIが人間の雇用を奪う恐れがある。
◆AIは今や、将棋やチェスでその世界のトップレベルの人間を破り、多くの人がバッハよりもバッハらしいと感じるような曲を作るレベルに達し、更に、ある領域で学んだ事柄を別の領域へ応用する「汎化能力」を示し始めている。
本書により、AI技術が凄まじいスピードで進歩しており、それが人間の生活やビジネスを大きく変えつつあることは認識できた。
一方で、予測不可能なAIの進化が人類の滅亡を招く懸念があるとなると、未だ映画や小説の中の世界としか考えられないものの、生命科学の場合と同様に、科学の進歩の行き着くところには、従来では考えも及ばなかった問題が立ち現れるのかもしれないとも思う。
現代科学技術の最先端の一部に触れることができる。
(2015年3月了)
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よくここまで調べて書いてくれたものです。
総論として「人工知能の発達」は人類の味方だということは誰もが認めるところだと思うのですが、その裏に色んな世界があることを知り、勉強になりました!
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ここ数年話題になっているAIの話。SF好きとしてさわりくらいは理解したいと思い手に取って半年かかったか。しかし読んでよかった。問題点、期待される点、現状はこの本が出版されてからまた少し変わっているのだろうが、話についていけるくらいにはなった。
何より最後の辺りが好きだ。半年かけてでも読んでよかった。それだけの価値があった。
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AIの現状についての新書。
コンピューティングの速度がムーアの法則で上がり、それにソフトウェアの進化が加わり、人間の創造的活動をコピーできるようになってきた。そもそも人間の創造的活動自体が、過去の経験の組み合わせが中心であり、それを創造的であると祭り上げていることがほとんどである。
それなら、ビッグデータの計算能力さえあれば、組み合わせ能力自体はコンピューターには及ばず、あとはアルゴリズムで良いものを絞り込めれば良い。