紙の本
忍者の視点から大坂城落城までを描く
2022/05/12 17:01
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投稿者:いけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
忍者の霧隠才蔵が主人公として主に描かれている本作。忍者だからかなり面白おかしく描かれているのかと思いきや、そんなことはない。どこか世の中を俯瞰して見ている才蔵の生き方に憧れてしまう。
隠岐殿と落ち延びていく最後はとても綺麗に終わっていて、豊臣家が滅んでしまう虚しさを微塵も感じさせない。
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戦国忍者風俗物として割り切って読む。俺らは...もといドラマはドラマ、小説は小説。文字数も少ないのでスラスラ読めました。獅子王院の白い顔が思い浮かぶ。
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徳川家康の首をとりに駿府に向かった才蔵や佐助たち。風雲は荒れ、やがて大阪夏の陣、冬の陣が起こる――。
司馬遼太郎の本を読んでいると思うんですが、この人の小説はどこが山場であるのか予測がしにくい。いや、私が日本史をほとんど知らない(真田幸村がどの時代の人であるのかも知らなかった)ことが原因でもあるのですが、小説の終わりごろまで読んで「あれ、この話ってどこで終わるつもりなんだろう…?」と思ってしまいます。幕末維新ものは、大抵その人が死ぬことで終わるんですが。
まぁそのことはあまり関係無いんですが。下巻では、ついに家康が大阪に攻め込みます。
そこで才蔵と佐助が忍術を使って、東軍の軍勢をおびき寄せるところが、下巻の見所といえば見所ではないでしょうか。忍術にかかった側は、何故自分がそんな行動をとったのかすら分からない。あとから考えてみても種が分からないからこその忍術です。
結論から言うと大阪の陣は負け戦だった訳ですが、『技術は売っても誰にも仕えぬ』と豪語したいた才蔵は、結局はどうするのか。果たして、才蔵の本命は誰なのか(笑)。
後半に入ってちょっと読むペースは落ちてしまいましたが、まあ面白かったです。
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2006/12/22 fri
下巻も読み終えました。
大阪夏の陣で豊臣家は滅んでしまうわけですが、大阪(坂)方についた才蔵。家康の首を狙うべく、挑むわけですが…。結局大坂は負け戦をすることになるのですが、才蔵の男(漢)っぷりがカッコイイ。才蔵自身、女に興味があるのかないのかよく分からなかったが、最後の最後まで女に翻弄されていく。結局、才蔵がこの風雲に乗じた鍵は女。それほど女を魅了する才蔵を実際に見てみたい気がした。
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登場人物たちの掛け合いが面白くて、娯楽性があり楽しく読めました。才蔵は節操はないけれど、かっこいいです。
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こんなに「天地で従うのは己のみ」を貫いてるのに。サッパリ綺麗に知略で幸村に負けを認めたり、自分で思っている以上に実力を認められて感動したり。
随所随所で出てくる美女達も見所ですね。
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下巻は幸村のもとに転がり込んだ才蔵が、佐助と組んで家康の首を狙いに行くところからスタートします。上巻では物語のけん引役・才蔵がほぼ一人で行動していたため、目を引くバトルシーンが少ない感じもありましたが、下巻になると一転、伊賀とも甲賀とも違う忍の業をもつ風魔軍団との死闘あり、夏冬大阪の陣での各武将達の死闘ありで、一般的な戦国活劇も十分楽しめます。物語終盤、腐敗した豊臣上層部に翻弄される義の武将達の悲哀が、現代日本にそのまま当てはまってしまいそうで、なんとも歯痒い気分になりました。たとえそれがどれだけ魅力的で自由の風に包まれていたとしても、誰もが才蔵のようには生きられないのだから。
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【メモ】徳川方忍者、風魔獅子王院との対決・名古屋城・大阪冬の陣、夏の陣・隠岐殿を落とす・「関が原」の小幡勘兵衛・「雪かあられか大宮の 月の宮居のわびずまい 世を憂しと住む影法師 憂しや憂し 酔うも憂し うたうも憂し 恋うるも憂しや影法師」
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大坂冬の陣に西上してくる徳川家康の首をねらうため、霧隠才蔵らは駿府城下に潜入し、徳川の忍者、風魔獅子王院たちと血闘をくりひろげる。そして、駿府城内に忍び込んだ才蔵は、家康の寝所の天井裏に立つのだが…。人間性を抹殺された忍者たちの中で、いかなる組織にも属さず、ただひとり人間らしく生きようとした才蔵の悲哀を通して、忍びの世界を現代の眼で捉えた長編小説。獅子王院あっけない。才蔵と武蔵の闘いをもっとみたかった。
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猿飛佐助って自分の中では少年猿飛佐助なんですよ・・・でも、この物語では・・・。霧隠才蔵があまりに格好いいだけに悲しい・・・。
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亡びるものは、亡ぶべくして亡びるのだそうです。そうかも。
才蔵がお国と別れるときに、そなたを想うたこともあった、って言って潔く去ってしまうところが印象に残ってます。
それにしても才蔵かっこよすぎでした。
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大阪冬の陣に西上してくる徳川家康の首をねらうため、霧隠才蔵らは駿府城下に潜入し、徳川の忍者、風魔獅子王院たちと血闘をくりひろげる。そして、駿府城内にしのび込んだ才蔵は、家康の寝所の天井裏に立つのだが・・・・・。人間性を抹殺された忍者たちの中で、いかなる組織にも属さず、ただひとり人間らしく生きようとした才蔵の悲哀を通して、”忍び、の世界を現代の眼で捉えた長編小説。
2008.11.16 読了!
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本当に主人公差し置いて申し訳ないが、真田幸村かっこええ!!の一言に尽きる。あと後藤さん!男としての生き方格好良すぎますから!そして豊臣家の駄目っぷりも露見したこの巻。確かに、いくら武将が良くても上があんなんじゃね、世代交代ってやつですね。もしも、豊臣家が政権握ってたら、と思うとちょっと悪寒が。まあ、上巻と下巻の前半で才蔵の仕事が終わっていたので、あとは歴史の流れと今後を描いた巻という感じでした。それにしても後藤さんの死ぬシーンは落涙もの。男らしすぎる。涙で文字が読めません。
落ちは、まあ、順当と言った感じで。(自分の中では『梟の城』の落ちが凄すぎた)
しかしながら、夏の陣、冬の陣は知っている地元がわんさか出て来て最高に楽しかった。そういう戦いが行われた場所と考えながら散歩する楽しみが出来たのもこの本の収穫。
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※上下巻併せてのコメントです。
エンターテイメントとして大いに楽しめますし、
霧隠才蔵と猿飛佐助らの戦闘、忍術シーンは読んでてワクワクします。
ただ、才蔵が女性にモテすぎるのが、女の私からすれば却って鼻白んでしまいます(後半は“誰とくっつくか”的な感じになってるし)。
それに個人的には才蔵より、素直で飄々とした佐助の方が好きですね(笑)。
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互いに微妙な距離を保ち反目しつつも認め合い惹かれ合う才蔵と佐助の関係性が絶妙。ラストの伊賀と甲賀の共闘には涙が。