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衰退しかかっている王国の王女セシリアが、乗り込んだ海賊船で思いがけず再会したかつての想い人、元家庭教師の海賊王アルトゥールに調教されていくお話。
具体的かつ細かな描写のラブシーンが、「調教」の感じを良くだしていたと思います。
一口に調教といっても、セシリアの想いは残っている上にアルトゥールの言動にも愛が見られるので、辛くはなく甘いお話でした。
強気で王女らしからぬ行動と言動をする、ツンデレなヒロインが可愛らしいです。
臣下の裏切りを数々目にしたことで人を信じられず、海賊に攫われた大好きな侍女ミリアの救出を始めあらゆることに一人立ち向かっていく姿は健気で、芯の強さには好感がもてます。
そんなヒロインを助け守ろうとするヒーロー・アルトゥールも、セシリアを自分のものにするためならばどんな手段も厭わないという姿がかっこよく、熱い気持ちが伝わってきます。
セシリアの国を裏切り敵国側につく海賊になったと認識されており、調教と呼ぶにふさわしい強引さがありますが、その合間にヒロインへの優しさが見えるのが良い。
物語の終盤、ヒロインが海賊船に乗り込むきっかけとなった侍女ミリアの恋も描かれます。
一冊で二度楽しめる作品です。