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陪審員の法廷入門小説、といえるリアリティーある内容だった。文学としてどう よりも。
国民性のギャップを念頭に置きながら 自分の方向性を定めて読むのにエネルギーを使った。
米国の、少年法なし第1級殺人のドライな判決の過程は読みごたえあった。
良い 悪いではなく 広く視野を広げなくては。自分も司法の一端を背負う立場になる時が来ると覚悟して。
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思春期の少年による殺人事件が発生。あまりに短絡的な犯行に、物語として成り立つのかなと憂慮したが杞憂だった。訴訟大国アメリカの陪審員制度の問題点を指摘しつつ展開していく。日本の裁判員制度を考える上でも参考になった。
昔、妻によるDV夫殺害の裁判を傍聴したことがあるが、法廷で話されている内容とニュース等で報道されている内容の差異に驚いたものだ。法廷の内容だけで審議する裁判員は大変だと想像するに難くないが、自分自身が選ばれたなら誠実にやってみたい。
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楡作品。
プラチナタウン、フェイクを読んだが、なんかつまらない作家だ!ビシッと決まらない。と思っていた。
今回の陪審法廷。やっぱりつまらない。
最初から、結末も見えている。朝倉恭介シリーズに手を出そうかどうか?迷っている
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牧田研一はジュニアハイスクールの卒業式の翌日、ダンスパーティーの夜に隣人のクレイトンを射殺する。
グアテマラから必死にアメリカを目指し、養女となってようやく安寧の日々を手に入れたパネラを守るために。
養父であるクレイトンは、妻に隠れてパメラに3年間も性的虐待を続けてきた。
養父を殺害しようと決意しているパメラに代わり、研一はクレイトンに向けて銃を放ったのだ。
法廷での検察側と弁護側の攻防。
緊張感にあふれ、一進一退のまま最終弁論を迎える。
すべては12人の陪審員の判断に委ねられ、いよいよ評決の話し合いが開始された。
面倒なことは少しでも早く済ませて日常の生活に戻りたい者。
15歳の少年の人生を左右する責任があることをまったく自覚しない者。
所詮他人事でしかない者。
殺害したことは事実なのだから有罪が妥当だと単純に考える者。
陪審員たちの話し合いはなかなかまとまらない。
評決への道筋をつけたのはひとりの陪審員の発言だった。
彼女は訴える。
陪審制度は何故あるのかと。
法にのっとり、事実だけを検証し、有罪か無罪かを決めるだけであれば陪審員は必要ない。
事件に関わるすべてのデータを判例に照らし合わせてコンピューターが決めればいいと。
法の専門家でもない市民が陪審員として評決の場に呼ばれるのは、機械では測ることの出来ない「情」をくみ取れということではないのかと。
他人に起きた不幸を自分に置き換えてみる。
もしも自分だったら。
もしも自分の娘だったら。
もしも自分の妻だったら。
評議の場で交わされる会話のすべてが、リアリティのあるものに感じられた。
殺害という最悪の選択をした研一とパメラ。
贖罪の気持ちを忘れずに、強く生きて、出来れば良い未来を作り出してくれると信じたい気持ちになった。
実際にアメリカで起こった「性的虐待を受けているガールフレンドのために、彼女の父親を殺害した少年」の事件がベースになっているらしい。
その事件では、加害者の少年は終身刑の判決が下されている。
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#fb こういう結末しかないのだろうが、言葉を交わせずサラバなところに妙に感情移入して、ごめんなさい。
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余計なものが削ぎ落とされていて、わかりやすい。日本人の裁判員は、ここまで論理立てて物事を考えることができるのか。直感でクロと思ったら、そのまま思考停止すると思うが。
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アメリカでの裁判の模様を描いた小説です。フィクションですが。ストーリーはわかりやすいし、なかなか面白い。そして日本の裁判員制度について考えさせられる。アメリカは陪審制で裁判員制度とはちょっと違うが、それでも日本の裁判制度に関して考えられさせる。
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面白かった
アメリカの陪審員裁判での法廷サスペンスストーリー
アメリカの陪審員制度の勉強になります。
ストーリとしては、
中学校卒業間際の日本人少年、研一が、隣人のガールフレンド、パメラの養父を殺害
第一級殺人罪で裁かれる研一は終身刑か無罪か
陪審員の出した結論は?
といった展開です。
パメラは、長年養父からレイプを受けており、それを研一に打ち明けます。結果、パメラを救うため、短絡的に養父を殺害します。
パメラを救うべく起こした殺人事件、その背景に対する研一の気持ち。
これに対して、検察側、弁護側、陪審員といったそれぞれの立場から心情が描かれています。
弁護側の論理の組み立てには正直無理があると思いますが、それをもっても考えさせられる展開。
それがこの物語の核と思います。
自分が陪審員として選ばれた時、この事件をどのような結果を出すのか、考えてしまいます。
陪審員の由紀枝の陪審制度にたいする言葉にこころうたれます。
「なぜ、法律知識のない一般市民を陪審員として法廷に呼び、有罪無罪の判断を求めるのか。私は、そこに人間が持ち合わせる「情」が加味されることを期待されているのではないかと思うんです」
その結果、別の陪審員のことば
「..事実と法に基づいてと言っている一方で、人間として、一市民として許せる罪なのか、そうでないのかを実は法廷は求めているのかもしれないね」
そして、最後の由紀枝の手紙
あっというまに読み切ってしまった!