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2006年から続くBSのcool japan司会の鴻上尚史が書いた本。クール・ジャパンがクールでないのは周知だが「コスプレはよくてフィギュアはダメ」という文句が気になり読んだ。
日本人はそう思わないが外国人にとってクールなものがあるというのは承知していたが、外国人、特に西洋人が理解できない日本人のセンスに少なからずショック。たとえば、仔牛の時から育てた牛を加工場に送り出した高校生が涙する(食用なのに泣くことはないだろう)、とか、赤ちゃんとつきっきりで寝る(親は別室でセックスするだろう)、とか。
文化と意識の違いが国によってあること、というか、自分たちの常識が世界ではそうでないことを知り得ることができる貴重な本。そういうギャップをうまく認識させるのは鴻上尚史ならではだろう。
長期的に投資をして長期的に取り組むことで文化の壁を越える場を作りプロデュースをしていかないといけない、という巻末の文は本文とテイストが違うが、鴻上尚史の的を射た指摘で、こちらも必読。
2009年外国人の思う日本のクールベスト20
(アイスコーヒーやママチャリも人気)
1.ウォシュレット
2.お花見 ただし紅葉は理解できない
3.100円ショップ
4.花火 線香花火は侘び寂びな哲学っぽいと思われるそう
5.食品サンプル かっぱ橋にお店もある
6,おにぎり 海苔は好き嫌いが分かれる
7.カプセルホテル
8.盆踊り
9.紅葉狩り
10.新幹線
11.居酒屋 注文しながら食事ができる(最初にまとめてでなくてOK)飲みだけでない、メニューが多い
12.富士山登山 山自体を愛でる感覚はない 1215年ラテラノ公会議で決めた告解義務付けを書いている
13.大阪人の気質 ボケのノリのよさ
14.スーパー銭湯
15.自販機・コンビニ
16.立体駐車場
17.ICカード
18.ニッカボッカ・地下足袋
19.神前挙式
20.マンガ喫茶
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一気に読みました^ ^ え〜そこ?^^; といいたくなる視点、たくさんあるんですね〜(・_・; ただ単に、日本は素晴らしい!ではなく、ものの考え方、そのものを見直すいい機会になりました(^ ^)
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NHK-BSの「cool japan」の内容に、鴻上尚史の考えを加えたもので、政府が進める「クールジャパン」戦略とは一線を画する。むしろ批判的なことも書いている。
日本人論としても面白い。
印象に残ったところの一部を紹介する。
・(番組出演の外国人の言葉)「日本人は時間を守るっていうけど嘘だよ。だって、終業時間をだれも守ってないもの。会社は6時までだっていうのに、みんな、8時とか9時までダラダラいるよ」
・(定年後、60代の日本人男性が、公園をきれいにするボランティア活動をしていることを紹介。それに対して、出演者のオランダ人が大笑いした。鴻上さんはそれに対して怒りを感じる。その時のオランダ人の言葉)「だって、社会とつきあう前に、自分の家族とつきあうべきでしょう。社会から必要とされる人間になる前に、家族から必要とされる人間にならないと」
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「クール・ジャパン⁉︎ 外国人が見たニッポン」鴻上尚史
日本文化評論。特になし。
NHK BSのクール・ジャパンの司会をしている鴻上さんが、番組や自分の海外経験から書いた、クール・ジャパンとは?を問う一冊。
特に、鴻上さんの持論であるという、「世間」と「社会」に生きるという括り、つまり日本人は世間に生きて社会は苦手(すごくざっくり説明しすぎなので語弊がありますが…)という観点から、モノだけではなくて日本文化の立ち居振る舞いといったことにも言及しています。
とはいえ学術的な評論ではなくて、彼が外国人と関わる中で感じている肌感覚的なところが大なので、読みやすく入りやすくでありつつ、例えば外国人と深く話したことがないような純培日本人がこの本を読んで、うんうんなるほどやっぱり世界の中での日本はこういう国なんだな、としたりしてしまうのはどうかなと。
モノはとにかくたくさん紹介されているのですが、まあこれは日本に来た外国人がcool(?)と思ったモノたちで、ほとんどすべては外国のマーケットに定着していないだろうから、彼らが日本という場の中でcoolと感じただけで、本当に海外でも定着する可能性があるのは一握りなんではないかと思ってしまいます。
とはいえ、その潜在的な可能性があるのに出て行っていないのも事実で、、べったり地場に受け入れられるかどうかのテストマーケティングは意味があるんだろうなあと思う。
ネット通販で見聞きしたことのない異国文化のモノを手に取る可能性って規模感としてどれくらいか知らないけど、やっぱりジワジワと口コミで拡がる効果は地味だけど絶大でしょうね。あとはTV。
そう考えると、海外への影響力調査というのがマーケティング戦略のために重要ですよね。JETROとかでも出してたりするのかな。
個人的には、禅、わびさび、内向的な精神性、味わうということ。みたいな、どちらかというと売り物にならなそうなものをクール・ジャパンと思っている(というかクール・ジャパンという言葉にはしたくない)ので、わさわさしてる日本人論は楽しいけど違和感あるかなあ。
(3)
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官製「クール・ジャパン」への批判や日本礼賛的言説への異議は共感を覚えたが、内容の大部分を占める日本・外国対比論に違和感感じまくり。
カプセルホテルと公共交通網が終夜運行でないことを結び付けているが、24時間運行しているほうが例外的だろうに。飲酒と食事を同じ店で行うなんて、日本独自の文化では全くなく、世界中に酒飲みながらおいしいもの食べて楽しめる店いっぱいあるじゃん。というような、日本独自でないものを日本独自であるかのように/海外でも例外的・限定的なものを外国の常態であるかのように提示するもの。
タイムカプセルなんて、ホントに「多くの日本人は小中学校の時に」埋めたの? 著者は実際埋めたそうだが、私も知識として、というか、フィクションなどでそういうならわしの存在は知っているが、実際に体験した人を(著者以外は)知らず、多くの日本人がやってると言えるほど時代世代地域を超えて広まっているとはあまり思えないのだが? というように、ホントにそれは日本の代表例なの? というもの。
特定理論・解釈の類推・演繹についても、あまり納得いかないものが多かった。関係か分類か、じゃないのでは。「サル・パンダ・バナナ」なら日本人もかなりが動物を1グループとするのでは。ここは、「ヒト・ウシ・イルカ」とか、「ヒト・ウシ・ステーキ」とかで外国人に聞いてほしかった。後者でもし動物が1グループで括られるなら、その前に出てきたウシは所詮(屠殺して食らうべき)家畜という認識とずれるわけで、そのずれに考察の余地があるし、もし同素材ということでウシとステーキが1グループにくくられるなら、外国人も分類ではなく関係による認識を行うんじゃないか、という話になる。
古代ギリシャ産の「論理」的思考から一神教が生まれたかのような言説も、古代ギリシャは全く一神教的でないということを無視して乱暴すぎるだろう。
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毎週録画して見ている番組の一つにHNKのクールジャパンがある。これは、その司会者の鴻上尚史さんの著書。番組を見ているので、ほとんどのエピソードは記憶にあるものだが、テレビでは声に出せない本音が聞ける内容にもなっている。クールジャパンの政策がヒットしたのか同課は知らないが、ここに三年の海外からの旅行者は驚く伸びを見せており、日本国内で働く外国人の数も200万人というから驚く。日本独特の価値観や勤勉性の賜物の、芝らしい商品、文化の輸出は、ただ、おたく、マニア任せではいけない。マニアは大好きだからこそ、頼まなくてもディープなものまで次々と発見するが、それほど興味のない人にも日本に観光に行ってみようとさせるなら、日本のものを買ってみようとさせるなら、そこは国をあげて、それぞれの産業ごとに、多くの会社が垣根を越えて、まず売り込む相手国の文化・好みを知り尽くすコーディネーター、プロデュサーの育成こそ急務だ!
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・西洋人は子供に良き「発信機」になれと教育します。東洋人は子供に良き「受信機」になれと教育する。
・今のテレビは「ニッポンにしがみつく」崖っぷちの感じ。
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相手を知り、自分の国のことを具体的に知ることは、やがて自分自身を知ることにつながるんじゃないかと思います 企業の謝罪会見を見た西洋の人たちは、「泣いている時間があったら、何をするのか早く言うべきだ」と思うそうです 日本人は
ストレスを忘れようとする 人間が儀式を求める時は、その存在を精神に強く刻みつけたい時です
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自分の知ってる、あるいは知らない「クール・ジャパン」と、クールじゃないかもしれないけど、とにかく世界と違うニッポンが紹介されている。そしてさすが鴻上さん、硬軟織り交ぜて独特の表現で読みやすくクール・ジャパンを教えてくれます。
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著者がNHKで司会している同名の番組のまとめのような本。
「世間」と「社会」とは著者の発見か。
官民がうまく補いながら日本を売り込んでいければ良いと著者はいうが、今の官僚には無理だろう。
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彼我の差が身近な「クールジャパン」を通して紹介されており、文化や宗教観を通じた分析も説得力がある。語学学習と合わせて勉強しておきたい内容が満載。
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テレビの番組を何度か家族につきあって見たことがあったので、家族が買った本も借りて読んでみました。共感するところもあり、「そうかな?」とあまりピンと来ないところもあり、でも全体的に興味深く読みました。日本も外国人も様々だし一括りにはできないけれど、色々な事例を知るのは面白かったです。自分はアジア圏から来日する人と接することが多いので、アジア圏の人達の話がもっと多ければと思いました。
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クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン
(講談社現代新書) 2015/4/16 著:鴻上 尚史
著者は作家・演出家。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。ラジオ・パーソナリティ、映画監督など幅広く活動。NHK BSの「cool japan 発掘かっこいいニッポン」では2006年の番組開始から司会者を務めている。
日本人が考える「クール・ジャパン」と、外国人が感じる「クール・ジャパン」は違うと著者は考える。
相手を知り、自分の国のことを具体的に知ることは、やがて、自分自身を知ることにつながる。世界にはこんな見方があり、こんな考え方がある。多様であることを楽しむことは、きっと自分自身の人生も豊かにし、深くすることになる。
そんな思いを根底として日本のクールな部分について以下の9章により紹介している。
①外国人の見つけた日本のクールベスト20
②日本人とは
③日本は世間でできている
④日本のおもてなしはやはりクール
⑤日本食はすごい
⑥世界に誇れるメイドインジャパン
⑦ポップカルチャーはクールか
⑧男と女、そして親と子
⑨東洋と西洋
日本人がクールだと思っていたものは、異国の人にとってはクールでなかったり、逆に当たり前のものがクールとして捉えられたりする。まさしくそれは国ごとの文化・環境・伝統等が生み出す視点の違いによるものからそれは発生している。
グローバル化が進んだことは世界中の人の考え方が平準化されたわけではなく、誰でも気軽に国の垣根を越えてその国・文化・モノに接しやすくなったのであり、各国の人が同じ考えを持つに至るのではなく、そういう考え視点もあるのだという理解の上に多くのモノが混ざり合っている。そんなイメージである。
そして、間違ってはいけないのは例えばアメリカ人は日本のAをクールと感じるということは全てのアメリカ人に当てはまるわけではなく、アメリカ人の中でも性別・年代・そして個人としての考えからそれは異なる。
そんな背景も十分に理解しながら本書を読むと違った視点を与えらえることと日本のクールな部分を再認識できる。
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2016/8/21
NHKで放送されているクールジャパンという番組の司会者の方が、番組の中で外国人の方と様々な意見交換をした際に得た知識や経験を基にして日本の文化について、外国人から見た視点で再評価していくような内容。自分も最初はクールジャパンはアニメやマンガのことなんだろうと単純にしか思っていなかったけれど、それは日本人が勝手に抱いていたイメージで、外国人の思うクールジャパンとは似て非なるものだった。特に外国人目線で日本のここがすごいと思う部分の一位がママチャリとウォシュレットだとはすごく意外だった。また、外国人視点での日本のいいところや、理解できないところもたくさん書いてあって、自分も、あーそういう見方もあるんだなあと新たな視点で考えるきっかけをくれたように思う。