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震災当時、小学生だったので原子力発電所が大変なことになっているということくらいしか知らないまま大人になってしまいましたが、今になってでもどういう研究が行われていたのか知ることができて良かったです。
放射線の実験をする研究室で、高い反応が出たから機械に異常がないか探したら外から放射線が持ち込まれていたという話、興味深かったです。
目に見えないので、あっても気づかないし、無くてもあるのではないかと不安になることがある。
そういう伝えづらいものに対して、しっかり検査してデータとして真実を伝えてくれた人がいたということの有り難さをとても感じました。
声を大きく上げる人は信用できないという話もたしかにと思いました。慌ててしまう時にこそ冷静に判断していきたい。
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とても大切なことを伝えている良書だと思います。
放射線に関わる一技術者として、科学的な見地としては正しいと感じました。
でも、本書ではあまり触れられない、確率論としてリスクがゼロではないことから、自分は、それでも、という思いが原発に対してはあります。
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福島の原発事故直後から放射線の影響について、継続的に客観的事実を発信し続けている物理学者の早野龍五氏と糸井重里氏の対談。
早野氏があとがきで述べているように、当時、科学の思考や言葉がいかに一般に伝わらないかということはイヤになるほど突きつけられた。例えば、「安心」と「安全」の差は今はほぼ通じるようになったが、当時は「こういう条件であればこう考える」ということがなかなか伝わらなかったように思う。そこは当事者との意識の差であったり、あとはやはり表現の問題だ。
早野氏がいかに事実を分析し発信し続けたかというのは、尊敬するとともに個人の力に頼ってしまっている部分に危うさを感じる。
知らなかったことがすんなり読めるのはさすが。糸井重里氏に対しては、正直、いつも若干批判的な目で見ているのだが、毎度のことながら読んでるうちに「やるなぁ」と思わせられてしまう笑
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インターネットが普及して、情報が簡単に入手、発信できるようになったが、それに伴い、過度な誇張や嘘も多分に混じっている状況だ。
そんな中で事実をきっちり捕まえることが必要だと改めて感じた一冊。
糸井重里氏のあとがきに書かれた姿勢に共感した。
特に参考にする意見は
よりスキャンダラスでないほう
より脅かしてないほう
より正義を語らないほう
より失礼でないほう
よりユーモアのあるほう
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早野龍五氏、糸井重里氏の対談で本文が綴られる、文庫オリジナルの書籍である。
東日本大震災直後から早野氏のTwitterを見てきた人間としては思い出もあるというか、毎日出てくるグラフが懐かしかったりもするというか、改めてデータの整理・見方・使い方を確認させられた日々を思い出した。
専門書ではないので、何が起きて、どのようなことが行われたのかを知る、そして、次(ないほうがよいが)にはどのように行動するか、という一冊。
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放射線に関する「科学」の本と思って読み始めたが、「コミュニケーション」の大切さ、難しさだった。周りの人に勧めたくなる!
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いまだに「福島産」というだけで拒絶する人がいる。福島に近いというだけでも拒絶反応を示す。スーパーで「茨木産」という表示が増えたのを見て「福島産を隠すための陰謀だ」という。国や電力会社の発表する数字は信用できないと自分たちで計測している人もいる。がれき処理の持ち込みに断固反対している人もいる。
そういう人たちを見て、私自身どう判断していいのかわからなかった。大雑把に「大丈夫だよ」と言ってしまうのも違う気がするが、だからといって、わけもわからず「なんとなく怖い」というだけで右往左往するのも嫌だ。
この本を読むと、「冷静に判断する」とはどういうことかがわかる。「冷静に怖がる」とはどういうことかということもわかる。
計測して出てくる数字はただの数字で、それをどう読むか、どう受け取るかで全然違ってくる。
危ないものをすべてゼロにせよ、という願望は、感情としては理解できなくもないが、やはり無茶な要望だと思う。そんなに危ないのが怖いなら生きるのをおやめなさいな、と言いたくなる。
さまざまなリスクとどう折り合いをつけていくか、どれを避けて、どれは受容するか。そういう判断を「科学的な態度」というんだろう。
この地球に生きている、というのがどういうことなのか、落ち着いてよく考えた方がいい。そのための方法や考え方を、この本は教えてくれる。
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ほぼ日のサイトでみて、きちんと考えてみたいと思っていました。病院の待ち時間に読み終えました。科学者の責務というのが、幾層にもあって、早野さんは、それをしている。
冷静に事実をかたることから出発し、警鐘を静かにならすこと、そして、科学的な知見をインタープリテーション(翻訳)すること、解決のための具体策をくわだてること、公的な承認を得て多くの人に広めること、をおこなってきている。かっこいいなあ。
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自分ができていたこと,できなかったことを振り返る.そしてこれから進むべき方向を再確認.
早野先生はとてもクールでカッコいい.そして糸井さんがその憧れを言葉にしてくれた.
この本で再認識した科学技術に携わる人間としての姿勢を忘れないようにしよう.
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正しく知ること、知ろうとすること。もちろんみんなが早野先生のような学者になれる訳ないけど、知ろうとすることの積み重ねが、何よりも大切な指針になっていくんだろうな。
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事実を見つめ冷静に判断する姿勢の大切さを確認させくれる内容。
原発事故を正しく判断する視点の置き場所としてこの本素晴らしい。
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とても読みやすい本。
糸井さんと早野先生の対談形式で話し言葉で語られるから、とてもスーッと頭の中に入ってくる感じ。
興味深かったのは、福島第一原発の水位計の話とか、水素原子が138億年前にできたものがリサイクルされ続けているとか、福島の高校生がCERNのワークショップに参加したエピソードとか。
最後の高校生のCERN参加の話は感動もの。ウルウルきちゃった(^^;;
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福島第一原発の事故から3年が経ち、世間の関心は当事者を除いては薄れ始めている。放射線の人体への影響をどの程度まで許容するのかという極めて難しい問題が、放置されたままになっているように思う。ある人は東京でさえもう人が住むべきではないと言い、ある人は福島県の農産物を食べて応援しようと言う。そのあまりに大きな隔たりに、考えることが億劫になってしまっている自分がいる。検証しようがないことを自分の責任で判断することはとても難しいと知った。
東京大学大学院理学研究科教授である筆者の早野龍五さんは、事故直後からTwitterを通じてできるだけ正確なデータを測定し、発表してきた。それを糸井重里さんが取り上げて今回の対談本となったわけだが、単純に原発の善悪の話ではなく、限られた情報の中からどうやって真実を「知ろうとする」べきなのか、を語っている。
早野氏の言が信用できそうなのは、彼が「分からない」ことを出発点として語っているからだろう。結論ありきではなく、放射線の被害があるのかないのか、あるのならどれくらいなのか、というニュートラルな立ち位置を取っている。これが大切なのだろう。「推進派」「反原発は」というレッテルが貼られた瞬間に、その人の語るデータは意味を失ってしまうから。
そうした「前提を置かない態度」こそ科学的な見方であろう。
ただし、糸井氏がTwitterで「福島の桃、ウマい!」と呟いているのを見て「ああ、糸井さんが食べているんだから大丈夫だ」と追従する人がいたとしたら、それは決して科学的な態度ではないだろう。
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糸井さんが強引なくらいにお勧めしていたので、購入して読んでみました。結果、読んで本当に良かったと思いました。
私自身、地震や原発事故の当事者でもなく、周囲に関係者もいないために、時間の経過と共に意識が薄れていたにも関わらず、事実かどうかも分からない報道や、恐らく誰かを責めるために誇張された情報、恐怖を煽る噂話ばかりが耳に入ってきていて、それを全て鵜呑みにはしないものの、どこかで安心しきれず、少なからずそれらの不確かな情報の影響は受けていたと気付きました。
この本を読んで、少なくとも現時点での事実はよく理解出来たし、糸井さんが弱い力の一つとしてこの本を強引なくらいお勧めしていた意味もよく分かりました。今の世の中、正しい事実を、正しく伝え広めることが、ある意味とても難しくなってるんですね。だからこそこの本では、そういう表現に走ってしまいがちな人の心理を理解した上で、誰かを責めたり批判したりすることなく、事実を正しく伝えることに徹して書かれています。
私も弱い力の一人として、読んでいない人には是非お勧めしたい一冊です。
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2014/11/9読了。
間違いなく、今、日本人が読んでおくべき一冊。原発事故発生時の情報の錯綜、風評被害の振り返りと、今の福島の状況を理解することができる。マスメディアでは得ることが難しい情報が、信頼できる形で提供されている。