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わかりやすく面白かった。
福島県の状況がよくわかったし放射性物質についても理解が深まった。
冷静に科学データを読むことはやっぱり大切だな。
でも、それでも素人には疑問がいくつかあるのだが。
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すごく良い。おもしろかった。
私の心にいつもある言葉は、美輪明宏さんの「悩んで落ち込んだとき、必要なのは理性。 いらないのは感情」
というのなんだけど、震災の後、糸井さんが言った
(あとがきにもある)「ぼくが、じぶんが参考にする意見としては」のツイートがすごく好きで、ほんとうにそうだなぁ、といまでもお気に入りしている。
そういう背景があったので、きっといまの私に要ることが書いてあるに違いないと思って読んだ。
良いとか悪いとか好きとか嫌いとかいろいろあると思うんだけど、そういうのはいったん横に置いておいて、考えたり、勉強したり、まさに「知ろうとする」ことはやっぱりすごく大事だし必要だと思う。「本を二冊目から取っちゃう」自分のためにも。
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東日本大震災のあったあの日から、努めて冷静に、いたずらに危機感を煽ることなく情報を発信し続けてきた一人の物理学者とコピーライター糸井重里の対談形式で綴る福島のたどってきた道のりとこれからの未来。
恥ずかしながら、早野龍五という物理学者の存在も、東日本大震災発生後からのその発言内容も全く存じ上げませんでしたが、このように冷静な判断ができる学者が存在したということが、日本にとってとても幸運なことだったのではないかと思えます。
それにしても私自身知らないことが多すぎます。そして、誤ってインプットされた知識も多すぎます。
たとえば、甲状腺ガンに関して言えば、今回の被ばく事故によってその発生件数が飛躍的に増えるものと勝手に思い込んでいましたが、どうやらそうではない様子。そして、そもそも、甲状腺ガンは非常に進行の遅いガンで、ほぼ命に別状がないという話には驚きました。したがって、短絡的に全員に検査を受けさせて、その発症の有無をつまびらかにすることは、診断された人の心理的な負担にもなるので慎重にならざるを得ないという主張にはハッとさせられました。
でも、何よりも、福島の方々の内部被ばくに関しては大丈夫だったという話には安堵の気持ちでいっぱいになりましたが、それだけに、放射能被ばくに関して、キャンペーンとして広めるのではなく、当事者じゃない第三者が、当たり前に「大丈夫だ」と思えて、「大丈夫だよ」って言ってあげる。そういう「個人の弱い力がものすごく大事だ」という糸井氏の言葉が胸に染み入りました。
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これは読んで良かった。アマゾンで品切れになるのも納得。
早野先生のお話はツイートと同じく冷静で、センセーショナルなところが全くない。
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この本に出会えて良かったと思いました。 いろいろな情報で混乱していたことが 整理されてクリアになりました。 私は根っから理系はだめなんですが 理系の中に壮大な文系(?)を感じました。ありがとう早野先生。
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手頃なサイズと価格で,対談形式で読みやすく,多くの人に薦められる本。科学的な考え方とは,信頼できる人を見つけるには,といった人生にとって大事なことが学べる。
311後の早野先生のツイートはほんとに有り難かった。人々の不安につけこむ根拠の乏しい声高な雑音にどう対処していくか。それはもう地道な事実の積み重ねと冷静な議論によるしかなくて,それを率先して(それも本業とは別の活動として)やってくれたのが早野先生だった。陰膳調査やWBCでの測定など,3年間の活動を振り返っている。
そして対談相手の糸井さん。科学に疎いとは言え,原発事故後の情報が錯綜する中で,誰が誠実で誰がそうでなかったか,どの意見に耳を傾けるべきかの見極めはちゃんとできていた。センセーショナリズムへの警戒感,正義を叫ぶ人への不信感,攻撃的態度や暴言への嫌悪感といった健全で常識的な感覚は,結局のところ自分や家族を守る武器になるんだと思う。
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「地球はまあるい」
実際に見たひとはほんのわずか。
見てきたひとが言ったんだし映像もあるしせんせいからもそう教わったし。
だからわたしたちはまあるいと思うことにしている。
わたしたちは、往々にして体験していないものを実体験したような感覚になり信じて知識にしているものがたくさんある。
2011年3月11日以降、わたしも科学的な言葉がどんどん入ってきてただ悪い方向ばかり想像していたひとのひとり。
だからこそ読んだ。
起きてしまったことはしゃーない。
ここから未来をまた築き上げていこう。
スキャンダラスではないほうを選ぼう。
そう思わせてくれた一冊。
斜め読みしたので、今度は時間をかけてゆっくりと読むことにする。
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今読むべき本。薄いのに何度も何度も戻って読み返したので、時間がかかった。初めて付箋を貼った本です。たぶん何度も読み返す本になる。硝子バッチからD-シャトルの話は特に興味深かった。優れた道具があっても、どう使うかによって全然違うんだな。マスメディアに不評な理由というのが、また本質とかけ離れた理由で唖然とさせられた。6章が福島の高校生の活躍立ったのもすごくよかったな。
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twitterでおなじみ?「東大」の早野龍五教授と「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里氏が、福島第一原発事故から3年を経て、現状を改めて語り合った対談集。
糸井氏は2011年に
「ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます」とツイートした。(あとがきより)
たしか、別の機会にWeb上で引用したものを自分も保存した記憶がある。
放射線の影響については科学的に未知な部分も多いので、怖くても仕方がない、用心するのも仕方がない、実際に体調が悪くなった方もいることは否定できない。それでもなお、科学的に正しい情報を前提に語ることが、福島の復興には必要だよね、と改めて思った。
1ベクレルでも体に入れたくないのも、少しでも汚染したところに行きたくないのも、個人的感情としてはありだし、体調にしたってひとそれぞれ耐性がちがうから、反応しやすい人もいるだろう。
けれど、それが全員にあてはまるかといえば、けっしてそうではない。
そういうことは伏せて、一方的に危険を叫ぶようなやり方はどうだろう・・・?
それでは多くの人に届かないんじゃないかなぁと思うが
対談者の二人は、実に冷静に事実だけを肯定して話をすすめているので好感がもてるし、信頼できる。
「5万円入りの財布」とか「振り子の話」とかたとえ話が秀逸。
薄い文庫本なのでいろんな人に読んでもらいないなぁ。
ただ今Amazonでは在庫切れ?早く増刷してほしいな。
自分は近所の書店で手に入れることができました。
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2011年3月11日。地震、津波、原発事故という凄まじい災厄が立て続けに発生し、日本中が大混乱に陥っていた。情報も錯綜していた。メルトダウン、セシウム、シーベルトなどの聞き慣れない横文字が突如テレビや紙面に踊り出し、さらに「チェルノブイリ級の過酷事故」という(今となっては根拠のよく分からない)報道は、終末を連想させるのに十分なインパクトだった。あのときは私自身も正気を失っていた。
しかし、そんな中、少数ではあるが、正気を失っていなかった人たちがいた。間違っていなかった個人がいた。何かを雄弁に語る前に、先ずはそういう人の話に耳を傾けよう。「知ろうとすること。」という書名には、そんな思いも込められているように感じる。
早野さんは、何万人もの人の被ばく量を測定したデータに基づいて、「福島原発の事故の規模に対して、福島の人々の内部被ばくや外部被ばくの量は、幸いなことにかなり低い」(p.101)と結論付ける。事実を積み上げて提出されたこの結論は十分に信頼が置ける。
また、本書の中で直接の言及はないものの、糸井さんの心の中には、「なぜ早野さんはあのとき正気を保っていられたのか」「なぜ早野さんは間違わなかったのか」という問題意識もあるように見える。それに対する早野さんの応答も(直接の言及はないものの)、行間から読み取ることができる。終始和やかなムードで対談が進んでいるが、早野さんのこの「科学者としての態度」を目の当たりにして、思わず背筋が伸びた。
ただ、ひとつ。これは無い物ねだりかもしれないが、放射能によるいわゆる海洋汚染についてはどうなのか、という疑問に対する早野さんの見解も聞いてみたかった。
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あの原発事故では、リアルに「俺、ていうか、日本終わるかも」という恐怖を感じた。
「原発なんて、なくてまったく問題ないなら、ないほうがいい。でも、それは『はい・いいえ』だけじゃ言えない」
とは本書の糸井重里さんの発言だけど、自分も含めた多くの人がそういうスタンスだと思う。アンケートで言えば「どちらかというと反対」の状態。
「お前は原発推進派か、それとも反原発派か」
そう問われて、ひどく居心地が悪い思いをしたのを覚えている。
「どちらかというと反対」という答えを認めてくれる雰囲気ではなかったからだ。
俺は今もどっちかに偏っている人の意見に違和感を感じるし、自分が手にする情報がすべて正しいとも思えない。だから原発関連の話で気が滅入ってしまうこともしばしばだ。
でも、目を背けたり忘れたりはできないから、自分なりに情報を集めたり、専門的なこともなるべく理解しようともがいている。
同じような思いを抱えている人に、一番読んでほしい。
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3.11の大震災から3年経った今、知らなきゃいけないことや考えなきゃいけないことを、糸井重里氏と早野龍五氏が淡々と語りあっている一冊
根拠のない風評被害が発生しないためにも事実を事実として伝える、受け止めることの大事さを考えさせられました
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面白かった。図表や数式が一切なく、対談文だけにした点にポリシーを感じる。
自然と磁場反発しがちな感覚側↔︎ロジック側は、お互いが努力して寄り添いましょう、そしてそれを自然なものにしていきましょう、という思いがよくわかった。
帯にある「文化系↔︎理科系」、この対比が書かれているのではなく、そういう分け方をなくした普遍的なコミュニケーションを大事にしましょう、と読めた。
お2人のあとがきには、コミュニケーションというキーワードを"クラウド中心"とした熱い思いが、それぞれの文体で本音に近い書き方で示されていて、これらを先に読んでもよいかもしれない。
文字を小さめにしてあと10%内容増でもよかったかも
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ほぼ日やツイッターなど通してこういった人々の発信にはずいぶん助けられていたことを改めて思い出す。
あの事故以来いまだに福島県産の食べ物をどうしても敬遠してしまうという人も、福島県内でたくさんの不安を抱えて子育てをしているような人も、一読してみてほしい内容。きっと少しはほっとできると思う。
原発の事故そのものは取り返しがつかないことだけれど、この経験をきっかけとして科学的に考え、アプローチする態度が身につけられれば、という思いに共感。
その実践としておこなわれた、福島の高校生たちが身近な問題を自分で調べてまとめ、海外に自ら発信し交流をしたという報告が示唆的でよかった。
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マンガ化して絵の描写でイメージを沸かせながら読んでみたい。ドキュメントではなく、時系列の対談形式で、福島第一原発事故という事実に向き合う人の姿勢について言及。対談なので、頭に入ってきやすく浮かぶ疑問を聞き手の糸井重里さんが、例えや感嘆を交えて、うまく引き出してくれている。
まえがきとあとがきを先に読むと、どういうスタンスで、事実と向きあっているのが分かるので、いいかもしれない。