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実在の人物
2017/07/29 11:20
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
イギリス人探検家、イザベラ・バードが旅する日本。
明治の始めに東京から北海道までの旅を計画するってどんだけ無茶なの・・・
お世辞にも快適とは言えない旅の様子がリアル。
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私は、既に顔も名前も大抵の店員さんに覚えられてしまっている、馴染みの書店に足を運ぶ際は、自分にとって“当たり”の漫画を買う、その自信を持っている
なので、たまに自信を持って買った漫画の中に、意図せず、“大当たり”が混じっていると本当に嬉しい
この『ふしぎの国のバード』、まだまだケツの青い私ごときが自信満々に推薦しても、他の読み手の方の心を動かせないだろうが、それでも言おう、厚みと深みがある、と
乱用されがちで信憑性がいくらか低下しつつあるにしろ、佐々大河先生に関しては、期待の新鋭、そう評しても良いだろう。むしろ、そう紹介しない方が失礼だ。例え、新人漫画家であろうと、高い実力の持ち主であれば、それに見合った紹介をされるべきだろう。何せ、中身が見えない以上、私らは表紙と帯の推薦コメントや紹介文で、質の高さを予想するしかないのだから。この帯を作った担当編集者さん、愛があるな
表紙を見れば、内容は一目瞭然だが、あえて、ざっくり言うと、旅エッセイ系
ヒロインが少しの荷物を背負い、有能な通訳の男を一人だけ連れ、明治時代の古き良き日本の東京から旅立ち、未開ゆえに夢がある北海道、いや、蝦夷を目指す、そんな感じかな
ヒロインであるいイザベラ・バードが実在していた、女性冒険家であるってのが、この『ふしぎの国のバード』の他のモノより大きな魅力だろう
ハッキリ言えば、私は彼女を知らなかった。他の読み手もそうだろう、とは適当な事は言えないが、恐らく、ほとんどが知らなかっただろう。だからこそ、知らない有名人が凄い事をしようとしている漫画はワクワクしながら読める
あくまで、素人感覚ではあるが、実在の人間を主人公にし、ストーリーを組むのは相当、大変なんだろうな、と思う。生半可な知識と、中途半端な想像力で、話を作れば、自分の経歴に傷を付ける云々の前に、誰にも出来ない事を成し遂げた著名人の顔に泥を塗りかねない、そのプレッシャーが佐々先生の実力をかなり引き出しているに違いない
背景や建築物、小道具、人々の服装を見るだけでも、佐々先生が十分な取材を行っているのが伝わってくる。それでいて、昔も今も、毎日を本気かつ前向きに生きている民の笑顔は、他の者にも元気を分け与えてくれる、そんな当たり前を、ちゃんと描いてくれている
バードさんが日本を知り、驚き、歓び、文化にショックを受け、それを真実としてではなく、ありのままの事実として受け入れる、その姿勢は正に信念がある者のそれだ
この人なら、大抵の事をやり遂げるだろう、そう、理屈抜きで確信させる強さとしなやかさが、彼女にはあるのだろう
また、凄腕通訳である伊藤との信頼関係が、ぎこちなくとも、難所を一つ越える毎に強まり、ベストパートナーになっていく過程は、十分に読み手を惹きつける
やはり、伊藤の掴み所がないようでいて、意外に判り易い性格が、読み手の好感度を高めているに違いない
また、作中で英語を喋れる者の台詞のみが、しっかりと書かれている点も面白いな、と思った
次巻が実に楽しみだが、どうやら、不定期連載のようだ。まぁ、内容が内容だからな。定期連載にな��て質が落ちるくらいなら、先生のペースで、質をもっと高くしてもらえる方が、一漫画読みとしてはありがたいので、気長に待とう。幸い、何度も読み返しても褪せない色がある、この一巻には
個人的にお気に入りの話は、やはり、バードさんと伊藤の旅が始まる第1話『横浜』だ
この台詞を引用に選んだのは、直前に挙げた事と同じで、二人の旅が本格的にスタートする事を示す会話だからだ。やっぱ、一人旅も悪くないが、信頼できる誰かと一緒、そう考えると、ワクワクしてしまうのも確かだ
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るろうに剣心が江戸に流れ着いた頃、東北から蝦夷を旅行したイギリス人女性がいました。イザベル・バードのコミック化、滅んでしまった近代以前の日本の文明文化が少しだけ残っていた日本を知る旅に私も連れて行ってもらった気持ちです。
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アニメイトの新刊コーナーで平積みされていて興味を持ち購入。
主人公のバードさんが表情豊かで面白い(笑)
イトも何だか可愛いし(◍ ´꒳` ◍)b
当時の風習とかも知ることができるし道中の紆余曲折があるのも興味深いです。
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開国して間もない日本を旅し、旅行記を書き上げたイザベラ・バードを描いた漫画である。
これは抜群に面白い。知的好奇心と、漫画としての面白さを大いに満たしてくれる逸品だ。新鮮な驚きに満ちた旅はそれそのものが極上の楽しみを提供してくれているが、それを余すことなく紹介してくれる描き方は本当に達者なもので、良い題材を良い作者が描いてくれている幸福を深く感じた。
巻末の初出を見てみると、どうも不定期な連載のようであるし(しかも月刊誌の連載である)、コミックとしての刊行はおそらくかなりゆっくりとしたものだろうが、時間を掛けてでもこのクォリティを保ってくれれば、と思う。
文句なしに星五つ。期待して次を待ちたい作品である。
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『日本奥地紀行』を記した冒険家イザベラ・バードがマンガ化されるとはまさか思わなんだ。明治初期の日本は現代人からも想像つかないので、イザベラの目線で見るとまさに異文化。国外に出るとガイジンとして国や都市を彷徨う楽しさがあるが、アレに近い感覚。しかし、中島京子の『イトウの恋』にも書かれていた通訳ガイドの伊藤鶴吉、あまりにカッコよすぎないか?
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明治11年といえば西南戦争の翌年、文化的にはまだまだ江戸。未開のワンダーワールドをイギリス人探検家の目を通して描かれる日本の姿が実に興味深い。なにしろ日本語の会話はほにゃらら的に一切わからないw
車夫の全身刺青、大名が停泊した本陣でもノミだらけ、西洋人に対する不躾な興味、早すぎる女子の成年など、いろいろと辛辣かつ素直な西洋人の日本観が面白い。バードの日本紀行記には批判もあるようだが、この漫画は当時の日本人の優しさと矜持もちゃんと描いているところがすばらしい。春が髪結いするシーンには誇らしさすら感じた。
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明治日本を旅した、イギリス人女性の紀行文を元に作られている漫画。見つけた瞬間すぐに読みたいと思い購入しました。1つの時代が終わり、そして新しい時代が始まろうとしている日本の様子をリアルに描かれています。現代を生きる私達が、もしもこの時代の日本にタイムスリップしたら、彼女と同じことを思うでしょう。そのリアルさというのか、外から見た明治日本というのが新鮮でした。
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明治時代初頭に、東北や北海道をひとりで旅した英国人紀行作家のイザベラ・バードを描いたお話し。当時の日本の様子や、外国人の一人旅の苦労がリアルに描かれている。
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これは良いマンガ化。当時の習俗を絵にするに当たっては、資料集めも一苦労でしょう。原作では表現されてない喜怒哀楽を表情豊かに描きあげています。それを原作にない創作ということもできますが、生き生きとしている主人公を見るのは楽しいです。
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YOUは何しに明治時代のニッポンへ?
現代日本人にとっても、庶民の日常や風習はとても新鮮。いいアプローチだ。
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15/11/08 第1巻読了。日本にこんな時代があったんだなぁと。そんな日本の風景が消えゆくのを惜しんでくれた外国人がいたんだなぁと。近代化の恩恵はたっぷりどっぷり受けているけれど、古き良き日本の風習が、たしかに同じこの日本でかつて息づいていたんだなぁと思うとなんだか感慨深い。
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「ハルタ」で不定期連載中。なにより、こんなマイナーなしかも作画にべらぼうな手間暇かかるだろうテーマ(イザベラ・バード『日本奥地紀行』)を取り上げたのは驚き。それでも異文化コミュニケーション、しかも「不思議の国ニッポン」としてそつなく仕上がっている。なんとか連載続けて蝦夷地までたどり着いてもらいたい。
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このマンガで描かれる、未開で、文明から取り残され、粗野な日本は誇張ではない。昨今伝統的な日本のあれこれが礼賛され、再評価されてなんだか日本人であることが誇らしくなったりするけれど、当時日本は現代人から見るととてつもなく不潔で野蛮な暮らしをしていたのだと再評価。私たちはいまやバードさんと同じ目線で旅をしているのだ。でも、バードさんは人々の優しさや、強さを見つけてくれる。あの時代の暮らしには意味があったのだと教えてくれる。バードさんありがとう。あなたの手記も読みます。そして、イトは早くデレるといいと思います。
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明治時代の日本に、蝦夷ヶ島を目指して訪れた女性冒険家バードさん。
通訳ガイドのイト(伊藤)と共に失われつつある江戸の文化を記すために日本を旅する物語。
好奇心旺盛なヒロインと、冷静で有能なイトと、その地の人々との交流と、当時の日本の風俗がおもしろい。
何度読み返しても楽しめる作品。