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初めて藤沢周作品を読みました。
読んだのは4月に出版されたばかりの「界」。
不思議な雰囲気のある小説でした。
現実と記憶と幻想と時空を彷徨うような、どこが境界か、境界が必要なのか…そんなところでしょうか。
地名が題名の9つの短編で、一編20~30分で読めると思います。
主人公の行先に一緒に行ったつもりで想像しながら読みました。
それぞれ官能的な話もありながら、50代の男性主人公と“女”のやりとりがもどかしい…。
主人公が自分のパスポート用の証明写真の顔に違和感?を感じて丸めてしまうあたりに老いを認められない幼さもあるのかなと思ったりしました。
男の人はいくつになっても女の人より子供なのかな。
大人になってよ、ケジメつけてよ、ってそんな事を勝手に思いながら、
ふと亡くなった兄を思い出しました。
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羽田圭介がお勧めしてた本。描写はきれいだけど、世のオヤジたちのいいように書かれてきて若干気持ち悪い。
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各々の土地で、入り交じる思い9の短編。
新潟の温泉地で思う過去。
秋田で食べたきりたんぽ鍋。
平和記念館で兵士たちに涙した鹿児島。
飲み屋で知り合ったセンセ、化野念仏寺、京都。
女とうまく会えなかった横浜中華街。
佐渡で欠航になり一人入った理髪店。
奈良、琵琶湖のひらはっこうの風。
名古屋で夫から逃げてきた女との関係。
東京で女との些細なすれ違い。
各地で感じる空気と、別居する家族、離れた土地でスマホでやりとりする女の影
生きていく人、死んでいく人。
紀行作家、か~。
関東以外は行ったことない土地なので、
世界はいろいろあるんだなあ、と。
電話でやり取りする女が不思議な感じ。