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沖縄県久高島にある、山村留学センターでのドキュメンタリー。携帯やゲームのないセンターで、十数名の中学生たちが時にはぶつかりあいながら共に成長していく様子を描く。
子供たちの中には、心に傷を負った子や一般の社会では排除されてしまうような感覚の鋭い子もいるが、この島では「特殊な子」として扱われることがない。それぞれが一つ一つの個性として受け止められ、理解あるスタッフ、温かい島の人々、沖縄の陽気な風土によって、心身共に健康を取り戻し、健全に育っていく。
長期間に渡り、子供たちやスタッフに適度な距離感で寄り添いながら取材を続けた筆者に、敬意を表する。
近年、「不登校」や「発達障害」が取り沙汰されているが、どんな子にも個性があり、それぞれの心に寄り添いながら全ての子を責任を持って育てていこう。そう考えるゆとりのなさや、多様性への適応のなさが、不登校や発達障害を生み出しているのではないか。
この本を読んで、そう感じた。