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綿矢りさ 著
タイトルからして、もっと家庭的な温かいものを
少し想像していたが、そうではなかった。
流石、綿矢さんらしい観察力の鋭さが際立つ。
最初は、何だか暗いという感じとは違う、ネチネチした感じの女性、奈世の登場から始まり、どうやら、絃という繊細な…神経質な?男性と同棲生活を送ってるらしい 明るい同棲生活の始まりのはずが何故か不穏な空気に包まれた感覚で物語は展開される。
しかしながら、解説でも最初触れてたように、綿矢さんの才能溢れるものに、期待感しか抱けず読んでしまっていた。
奈世は不思議な女だ…観察力凄いのに、KY的な雰囲気だ それに比べて、常識的かと思えば、観察されてる事に怯えてさえいる同棲相手の絃も変な奴だって気もする。
こんな相性合いそうにない2人が、よくもまぁ…同棲する気になったなぁ、なんてことが気になった。
しかし、恋愛って付き合い始めは勿論、恋人として付き合ってる時は、多分、相手の良い部分しか見えないものだと思うし、嫌だなと思う部分さえ愛おしく誤解?いや感じて盲目的になってしまうものだ。
でも、一緒に生活することは現実的で、相手の見えなかった部分、アラ…?本性みたいなものが垣間見えるものだ こんな事を気にする人だったのか?とか、自分の神経質さを棚に上げて相手の気楽さに苛々したり…しかし、それも慣れて 慣れる事自体愛情かと思えたり?しかし、最初は、本当はよく知りもしない他人と暮らすのは、ウキウキというより面倒な事が際立ってくる。
この、登場人物のカップルは何だか不思議で不穏な雰囲気に包まれているものの、それは第三者から客観的に見ているからだという事に気付かされる。
奈世の感じ取る絃の所作や考え…
絃の感じ取る奈世の所作や感じ方に対する人間像
これは、小説ならではの二人称になっているから
どちらの考えにも不満を持ち、共感したりする。
男と女の感じ方の違いさえも顕になる
もともと、自分という個体と相手とは違う人間なんだから、違ってて当たり前だし、付き合ってる間は、お互いが相手に必死に合わせようとしているから、気が合う、相性が合うと思い込んでしまうものだけど、やはりそれは、似ていて非なるものなのかもしれない。
斯く言う、自分自身も、思い当たる節はある
よくつまらない事で、諍いを起こして、相手に(主人)に怒りを覚えても、10秒我慢して、深呼吸してから次に繋げよって耳にするが、怒ってる時に、そんな余裕はない事の方が多い(笑)
文面の中に 奈世が思うこんなのがあった…
「あれ、そういえば絃が起き出す前は何を考えてい
たんだっけ。大切なことを考えて考え過ぎて、
皺のよった眉間の感触だけ残っている。
あることをいっしんに考えていたのに、ふっと
別の事に気を取られた瞬間、何を考えていたのか
忘れてしまうことはよくある…」
なんて…そんな事は私にも、しょつちゅうある。
結局…何にそんなに怒ってたのかも、話を逸らされただけで、それにも腹が立って、最初何につ���て争っていたのかも、、だんだん、どうでもよくなってくる。
つまり、元を正せば…きっと、そのくらいつまらない揉め事に過ぎないのだって思ってしまう。
家族に対しては…何故か、そこに引っかかって、
何それ?って気分を害す事あっても、
不思議と外の世界では人に寛容な気分で接する事が出来、冷静でいられる(つまらない事に、怒りの感情が起こらない)
なら、何故って思うが、同居人に対して厳しい。
同じ空気の中で長い間生活しているというのに、
自分の事をこんなにも知らなかったのか?理解してないのか?って愕然としてしまう事がある。
それとは、反対に一緒に長く居るからこそ、気が許せるというか、意外に相手の性質を知って思いやったり思いやられて、嬉し恥ずかしくも思ったりするものなのだが…。
しかし、小説の中で お互いの思惑を二人称で描いてくれている、この作品を読んで、自分もそんなふうに、相手を冷ややかに見たりショックを受けたりしてる分…相手も自分に対して、そうなのかもしれないなぁって 何だか、久しぶりに謙虚な気持ちになれた作品でした(変な感想だけど…(笑))
それにしても、綿矢さんは作風は違っても冴えているなぁって思った。
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綿矢りささんの本はこれが初めて。
そういえばインストールも蹴りたい背中も読んでなかったな。。。
結婚したい女性と結婚するのが面倒な男性の話。
前半が同棲、後半が再び一緒になるまで。
前半の
私あなたのカルシウムになりたい
や後半の
年齢はいっているのに、全身を羽毛で覆われている、むくむくのひな鳥
は、よくこんな表現思いつくなーって感じです。
前半は重たい女性を、後半はおばさんの表現です。
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結婚に対して非常識なほど夢見心地な奈世が、なんだか見ていられなかった。
「絃が全て」という言葉に対して、
そんなに依存して楽しいの?あなたの人生それでいいの?
と読んでいてイライラすることが多かった。1人でも立派に生きていける人こそ結婚に向いているんだと思う。
でも、結局恋愛すると客観性を失って相手しか見えなくなりがちで…
だから恋愛は好きになれない、現実に期待なんかしちゃダメだって思うようにしています。ちょっと悲しいけど。
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私が死んだら 骨のかけらをあなたの身体に収めてほしい
いつもつないでいた左手の薬指の骨 そしたらあなたに内蔵されて
カルシウムになれる
私あなたのカルシウムになりたい
なんて、ちょっとこわいかな
めちゃくちゃ怖いっす。笑
ほかの全部が同じだからこそ1つだけの違うところがすごく悲しい。みたいなはなし。でも最終的には、その人と違うところまで全部愛せるような関係を。家族、友達、好きな人、どんな人とでもそういう関係を築きたいな。
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文章のリズムが心地良くサクサク読むことができた。
奈世の考え方、その時の感情に動かされる様子は幼稚じみているようにも思えるが、時々合間に挟まれるポエムのような表現には少しドキリとさせられる。
また、急にですます口調になる語り口から感じられる自分のことなのにまるで他人事であるかのような必死なようでどこか冷めている視点の不安定さにヒヤリとする。
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もう、今の私には、自分の日記でも読まされてるのかと思う内容だった。
分かる、分かる。
そう、がんばったらどうにかなることとそうじゃないことがあるのよね。
ペースが合わないのは、性差の問題?それとも相性?
彼の存在が重要すぎて集中できない
あともう少しがんばれば、幸せになれるかもしれない。でも、愛や結婚は、あともう少し、と努力するものなのでしょうか?
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"愛"とはなんだろうか、他人から評価されるようなものなのだろうか?それとも自分の意思で評価するものなのだろうか?そんな曖昧な愛に悩む20代の心を繊細に描く綿矢りささんの作品です。
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イライラしたり、共感したり、納得したり、自分の友達のリアルな悩みに首を突っ込んでる気持ちになった。
良くも悪くも心変わりは女性の方が早いよね、単純
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3.8
奈世の気持ちもわかる
弦の木気持ちもわかる
恋人とはいえ、同棲しても、所詮は他人同士
100%わかりあえることなんてないもんなぁ
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うーん!読んでいてとてもイライラした!
絃の目線、奈世の目線でストーリーは進んでいく。
同棲する2人の物語。
明らかに結婚の意思のない絃に依存する奈世。
もう別れたら良いのにってずっと思いながら読んでいたW(`0`)W
奈世からプロポーズして、誤魔化されるシーンでは見ていられなかった。
実家に帰るシーンでも、奈世は実家に対して冷たいなーって思ってしまい、自分勝手の行動にもやきもき。どうやら奈世が苦手らしい 笑
最終的に結婚したことに驚いた!!
えーーー!結婚するの!?と何度も心の中で二度見する感じ。
でも、綿谷りささんの作品は、やはり読みやすくて、人間をよく観察されてる人だなと思った!人の心理状態をここまで丁寧に書けるなんて凄い!
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しょうがの味は熱いはメンヘラ女の話で面白くなかった。
自然に、とてもスムーズには、読みやすかった。
わたしも、結婚は自然に、とてもスムーズに進んだな〜と思いながら読んだ。
かと言って、結婚後もスムーズとはいえないけど。
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つらつらと綴られたメンヘラと冷酷男(言葉悪)の話
どんなけ相手のことが好きでも、
相手を取り巻く全てが好きでも、
やっぱりわたしはわたしが向ける目線に気づいてくれない人はいややなあ、、
でも彼に何もかも委ねられる奈世のことを羨ましくも思う。そういう人とはまだ出会ってない気がするので
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奈世も絃もまっっったく魅力的に思えず、なんでこいつらお互いの事すきなんだろ?と思った。特に絃はなぜ奈世がすきなの???さっぱり解らん。奈世のご両親めちゃくちゃいわゆる"まとも"な人たちすぎてすごい。
5年同棲したひとと結婚出来ず別れたわたしが言う事ではないのだろうけれど。そのひとといっしょにいる間に帯に惹かれて買って読み損ねていたやつ。
ほら奈世、あなたはあなたと結婚するという言葉を聞いただけで、ここまで暗い顔になる男の人と三年も同棲してきたのよ。ばかだねえ。
「…女のほうが結婚したい気持ちがあるのにずっと放っておいて、まだ迷っているような奴に、知らせる義理なんかない」
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結婚への道のり。
自然にスムーズに行く方が運命っぽいけど、じっくり向き合って揉めに揉めての結婚でも、2人が出した結論ならうまく行くよ!!
色んな形や道のりがあってもいいと思う。
幸せになれればすべてヨシ!
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よくあるんだろうな〜っていう男女のお話。
奈世が少し前の自分を見ているみたいで少しきつかった。客観視してやっと切羽詰まっていて自分じゃなくなってしまっていたんだなと改めて思った、、執着って怖いけど好きすぎて楽しかった頃にちょっとだけ戻りたくなった