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懐かしい。まだ本なんてあまり読まなかった高校生のときに影響を受けた本(歳がばれるな)。大人になった今読んでもやっぱりいい。
高校生の頃は割とまじめな方だった私は、秀美くんみたいな男の子が周りにいたら友達になれなかったかもしれない。でもきっとほんとは憧れて、羨ましいとさえ思っていたはず。自分のことを「ぼく」って言える高校生なんてなかなかいない。人に迷惑をかけたりルールから外れることを「かっこいい」と勘違いしてしまう思春期の男の子たちに交じって、秀美くんはとてもまっすぐ素直に生きてるだけなんだ。本当のかっこよさっていうのはここなんだ。
片親だとか貧乏だとか、興味本位で勝手にレッテルを貼る大人たち。「可哀想」なのかどうかは、周りが決めることじゃない。学校で学ぶことは「勉強」だけであって欲しくない。「眠れる分度器」の角のたとえ、泣けました。
お母さんもおじいちゃんも本当にすてき。そしてこんなすてきな本を生み出してくれた山田詠美にも感服です。
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【不朽の青春小説が今再び!】勉強はできないが女にはモテる――高校生・時田秀美に女は皆ときめき、男は皆あこがれた。著者書き下ろしメッセージも収録。
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素敵な少年?青年?の時田くん。高校生の彼と、ユニークで力強い養育者達。年上の素直で大人な恋人。 「でも、おまえ、女にもてないだろ」「セックスのどこが不純なんだ。」彼の素直でまっすぐな言葉たちが、大人を打った。高校生に近い気持ちなら、きっと彼の言動に羨ましさを覚える。 きらきら輝いて、自由に見えて。 大人、教師としてみると彼は異端かもしれない。それは番外編の「眠れる分度器」にも現れている。時田くんの小学生時代の担任奥田先生の話。彼も彼なりに、考えているのだ。「痛い角が六つ集まったら、360度になるんだ。まん丸です。もう痛い角はなくなってしまうんです。」父親がいないというハンデもこんな風に前向きに捉えようとする、時田くんの姿に心打たれました。
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秀美くんみたいな子が同じクラスにいたらきっと親しくはしないだろうけどなんだか楽しそうだなぁと思った。
私としては共感する部分が多くてうれしい気持ちになりました 笑
自分も学年で一番モテる女の子をみて「隙がないなぁ~」と感心してしまいます・・・
私は真理が一番好きなんですが、再読してみるとお母さんもいい女性だなぁと実感しました。
自分の子供に対して一人の人間として対等に接して、考えるなんて普通なかなかできることじゃありませんもんね・・・。
調べてみると思っていたより古い本でしたが、そんなことを感じさせずいつ読んでも新鮮な一冊でした!
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20150604
私が生まれる前から秀美くん達は存在していたんですね。知りませんでした。
真理が好きだな、突き抜けてる感じが。
題名の『ぼくは勉強ができない』はそのあとに、「けどー」が付くんじゃないかな。「わたしは勉強ができない」けど、ナントカだ!って胸を張って言えるようになりたい。
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しぶとく続く(笑)
「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画の第四弾。
山田詠美は村上春樹や村上龍と並んで
学生時代からよく読んでた作家だけど、
中でもいちばん好きで
思春期に自分っていうものを作る上で最も影響を受けた作品が
「ぼくは勉強ができない」でした。
新装文庫本の綿矢りさの秀逸な解説の言葉、
「私にとって本作は美学という科目の教科書で、ただ勉強するだけでは得られない、個人がどう世の中を粋に生きてゆくか決めるスタンスを教えてくれた。血肉となって現在でも身体の中で息づいている」
がこれ以上ないほど僕の思いを言い得ていて
「ああ~、僕だけやなく、みんなコレを読んで大人になったんやなぁ~」と分かって感慨深かった(笑)
今回再読してあらためて思ったけど、
僕に学校では決して教えてくれない「生き方」を教えてくれた17歳の時田秀美くんはフィリップ・マーロウ同様に
今でも自分にとってのヒーローだった。
しかし、なぜ四半世紀も前の作品が
これほどの影響力と支持を集めてきたのか。
まぁ読めば分かると思うんやけど、なんと言っても17歳の主人公・時田秀美くんの凛としたカッコ良さに尽きる。
カッコ良いと言っても喧嘩が強いワケでも、スポーツ万能なワケでも、飛び抜けてイケメンなワケでもなくて(笑)、
(秀美くんは人気者ではあるが、性格はむしろ穏やかでヘラヘラして、威厳がないし貧乏人であります笑)
偏見に支えられた大人たちや
媚びへつらったり、間違った美意識で動いてるクラスメートたちとの戦い方、向き合い方、苦悩する姿が、とにかく男前なのです(笑)
(僕が学生時代に初読みした秀美くんの感想は、なんと色気のある男だろ~だった)
母子家庭は不幸なのか。
避妊具を持つことは不純なのか。
優しそうに見える子がクラス委員になってはいけないのか。
(そこにあるのは勉強ができなきゃ委員長の資格がないという大人たちが決めた暗黙の了解だ)
大人たちが植え付ける偏った価値観に一人立ち向かい、
大人たちが作った暗黙の了解や常識に異議を申し立てる
詩人のようにロマンチックな少年。
父親の顔すら知らない秀美くんを
「一度言ったことは簡単に引き下がらないカッコいい男になるのよ」と言って育て上げてきたのは母親であり、おじいちゃんの愛である。
クラスのみんなに向かって「僕は勉強ができない」と平然と言ってのけ、
「恋は勉強より楽しいのだ」と先生やガリベンくんに
この世の真理を提示してみせる心意気と気概。
自分を過大評価することなく、
人生で大切なのは決して学校の勉強ではないのだと言い切る颯爽とした姿は、
本当のカッコ良さや男らしさを求め真実を模索していた青臭い学生の僕には本当に衝撃的だった。
そして年上の女性である桃子さんとの恋愛の中で
人は恋人とでなくても寝てしまうことがあると知ったり、
人生を構成しているのは殆どが無駄と呼ばれる領域で
恋愛には不健全で淫らな精神が必要だ���いうこと、
事実は事実で定義とは違うということ、
自分の中にある嫉妬の感情や憎しみの感情の存在に気づいたり、
書物が人間にもたらす効用や喪失感を初めて知ったり、
秀美くんが物語の中で人生の勉強をこなしていくと同時に
読む側の僕らも見過ごしていた大事なことにふと気付かされていく。
(この小説が凄いのは、今読んでもストンと腑に落ちたり、目から鱗の瞬間が沢山得られること)
「大学を出ないとろくな人間になれない」という大人はいても
「いい顔の人間になりなさい」と諭す大人の少ない事実。
(秀美くんはまさにそう言われて育ったのだ)
カッコいい生き方とはなんぞや
など
この小説には本当にいろんなことを教えてもらった。
彼氏と自由恋愛する秀美くんの母親。
近所のおばあちゃんに恋をしては秀美くんのムースで髪を整え、秀美くんのお気に入りの服を勝手に拝借するお茶目なおじいちゃん。
バーで働く秀美くんの恋人の桃子さん。
可愛く見えるための努力を惜しまない幼なじみの真理。
美しく病弱な副委員長の黒川礼子。
すべてを計算し尽くす、媚びた美少女の山野舞子。
先生と生徒ではなく、男同士として接してくれるサッカー部の顧問の桜井先生。
魅力的な登場人物がひしめき、
難しいことは抜きにして
純粋に青春ストーリーとして楽しめるのがまた素晴らしい。
歯切れのいいリズミカルな文体。
メッセージ性とユーモアの絶妙なバランス。
懐かしいホームコメディの香り。
青春と呼ばれる季節に生きる者の苦悩と喜びを瑞々しい感性で描いた
今でもまったく色褪せない名作です。
是非とも若いうちに読んで欲しいなぁ~
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多様な価値観にぶつかる少年の話
17歳の時田秀美は誰でも一度は感じたことのある思春期に浮かんでくる感情に正面からぶつかっていく。世間一般の正解ではない自分にとっての正解を探し、クラスを友人を教師を母親を自分の視点で見つめる。時に、自分自身に悩み、その理由を探り、母親や教師の助言に少しづつ世の中の見方を自分自身の中に形成していく。勉強も恋愛も家庭も一つとして同じもののない、生ものの感情に正面からぶつかる少年の話。
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「勉強ができる=世間の常識を盲信する」と考えると、秀美の言動には耳の痛い思いをさせられたりもします。
学校生活の場面が多いので、過去の自分を振り返って「アイタタタ…」と反省させられまくりでした。
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新潮文庫から出ているこの本がずっと気になっていた。
2年くらい前かな?私の一行フェアで、多部ちゃんがこの小説の「いやになるほどの自分があるの?」という一行を挙げていたんだよね。そのとき私は本屋でバイトしていて、毎日のようにその帯を見ながら「買おうかな~どうしようかな~」と悩んでいて、結局買わないままこれだけの月日が経ってしまった。
しかし!
この間本屋で、文春文庫から出ているこの小説を発見。しかも解説を大好きな綿矢りさが書いているじゃありませんか!そして即買い。
時田秀美という男子高校生は達観しているというか俯瞰しているというか、なんとも言えない色気をもった不思議な青年(少年…ではない、よね?)だった。
特に好きな項目は
・健全な精神
・〇をつけよ
・賢者の皮むき
かなぁ。
なんとなく東京タワー(江國香織)の透くんを想いながら読んだ。私は彼のことも好きだったんだよ。あとノルウェイの森のワタナベくんとか。
ただ秀美くんは可愛さが多いというか、愛しいと思える部分が強かった。高校生らしさがちゃんとあった上での大人っぽさなんだよなぁ。
読んでいてとても癒されました。でも考えさせられることもアリ。ありあり。
素敵な小説に出会えたなぁ。嬉しい。
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中学生の時、読書感想文で選んだ本。
もう内容は忘れてしまっていたけど、本棚から発するその存在感ある背表紙を見る度、また読みたいなと思っていた。そんな折「四半世紀後の秀美くん」が加筆された本書を発見。
思い出した。
「勉強よりも大事なことがある」という感想文を確かに書いたことを。
自分の子供に「参考書」として一冊だけプレゼントするなら、本書を選んであげたいと思う。
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ビリギャルに出て来て、気になったので購入してみました。
この作品の良さはもう、秀美くんの魅力に尽きますね。
同世代の頃に読みたかったなぁ。
でも大人の今だからこそ、
秀美くんが大人の価値観にぶつける疑問に
ハッとさせられたりもする。
もっともっと秀美くんのエピソードを読みたいと思いました。
ちなみに私は真理が好きでした。
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(15.08.23)
主人公、時田秀美は母親と祖父と3人で暮らす生徒。風変わりな母親の教えもあり、秀美自身も変わっている。そんな秀美と、教師やクラスメートと、年上の恋人とのやり取りを描いた作品。興味深くて、そしてふっと笑ってしまうようで…じんわり心が、温まるような一冊だった。
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いわた書店の選書で入っていた本。
タイトルからとても興味深い感じだった。
とても冷静な高校生のお話だが、実際にこういう友達がいるので、友達が高校生だったころはこんな感じだったんだろうなと思いながら読んだ。
主役は男子高校生、彼は母親と同じ歳ぐらいの恋人を持ち、祖父と母親との三人暮らし。
母親は息子のことを子供扱いしないからこそ、息子は年が離れた女性を身近に感じ恋人としたのか…?
とにかく同じ高校のマドンナ的女子には見向きもしない主人公。
恋愛には歳は関係ないというが、私はやはり疑問に感じることがある。
凄い現実的な話になるが、私が高校生の頃、アラサーの男と付き合っている友達がいた。
その子は「彼はとても大人で落ち着いてて…」という風に言っていたが、、実際自分がアラサーになってみると、この年で女子高生と付き合うなんて感覚がおかしいし大人ではないと感じてしまった。
なんかそういう感じで年下のほうはいいかもしれないが、正直、年上の方どうよってなる。
そういう疑問がちらほら見え隠れしながら、この本を読み進めていった。
恋愛面はさておき、主人公の考え方や冷静さは読んでて清々しいものがったのでこの小説自体は結構気に入ったので☆5!!!
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ストーリーの最初の方の秀美の考え方や環境は、何か羨ましくなる。 もし、今同じ世代に彼がいたらどうしたら彼のようになれるのだろうかと考えてしまうだろう。 話を読み進めていくなかで、発覚していく周りと違う家庭環境や苦悩。それを乗り越えてきたからこその考え方なのだと思う。 自分と比較して考えてみてもとてもリアルで、勉強になる一冊だった。
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上から目線で説教臭くて押し付けがましい小説だった。主人公は他人に対する優越感に浸っていて不愉快。なるほどその通りだなあと思うことも書いてあるのだが、登場人物のキャラもセリフも展開もいかにも「教育的」で鼻白む。とはいえ、こういう小説を苛々せずに軽く流せないところは自分の精神的未熟さの表れだとも感じた。