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憎しみの言葉から生まれるものは不幸でしかない。
ヒトラーがユダヤ人皆殺しを叫んだように、在特会が聞くに堪えない汚い言葉を投げつけるように、ワルゲンツィンはアジソンの末裔たちの抹殺を教唆する。
作者が選んだこの長い物語の結末は、人の善なるものを信じるものだった。私はこれを了としたい。善哉、善哉。ハレルヤ!
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ラストは一気読みでした。
本当に色々な要素が詰まった長編でした。緻密に設定されたSFというわけではないし、長い時間を描く群像劇だから、一人一人のエピソードがそれほど深く語られる訳でもない。それでもその時間を様々な角度から描くことで、なんとも言えないおもしろさがある。これはいい作品でした。
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よかった。
やっぱり、教えられ刷り込まれた
怨みに基づいた人間の行動であるなら、
(確かに局地的な偶然のケースかもしれないので
別の結末をたどったケースもあるだろうけど)
こういう終わりかたじゃなきゃ。
で、3冊読んで物語は完結したのだが、
あのひと、あのはなしのその後、
という形をアクションでもコメディでも
ラブロマンスでも、外伝を希望するのです。
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面白かった!
どうなることかと思ったけど、落ち着くところに落ち着いてよかった。これまでの登場人物のその後が気になります。外伝的なものは出ないだろうから、勝手に幸せな方に想像するしかないけど(笑)
ただ思ったのは、ある意味人類は共通の"敵"がいないとひとつになれないのだろうか。と、いうこと。
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最終巻。これ、私は一日、二日で読んでしまいましたが連載で10年ぐらいかかっているんですか?それをずっと読んでい人とは感想が違うだろうなあと思いました。が、とりあえず一挙に読んでしまった者の感想という事で。
読書でその本の世界にどれだけ深くはまり込むことができるのかっていうのが自分の読んでよかった、面白かったというバロメーターになっています。ノンフィクションでは知らない世界をのぞかせてもらった、こんな新しい事を知ったという楽しさがそれだし、フィクションではどれだけ作り物の世界を肌で感じることができ、登場人物をリアルに感じ取ることができるのか、というのが自分の中の評価ポイントになっています。勿論、突拍子もない世界や荒唐無稽の話でも良いな、と思う作品はありますがそれはかなりレアケースでやはり主人公の思いに共感できた、とかその行動に信念に頷けるものがあった、というお話の方が自分の中の評価点は高いという事があります。
という訳でこのシリーズ。この作家さん、前から大好きな作家さんの一人です。最初に読んだのは多分短編の「ヒトはかつてニイナを」か「もう一人のチャーリー・ゴードン」だったかでどちらの作品も物凄い感銘を受けたのを覚えてます。(まあ多感な思春期に読んだのもあるかもしれませんが。)時代物ロマンスを書かせたら当世随一、と思っております。黄泉がえりも面白かったし。
で、長編3巻だしどんな話なんだろう、と期待して読み始めたのですが。
群像劇というか個々のカップルや人の話は面白いんだけど全体として読みだすとどうにもツッコミを入れたくなる所が多々あって冷めてしまう。SFとしてというかそれはどうなの、という所が結構あって…。
大体、地球から逃げ出した人たちはどのような基準で選ばれたんだろう、とか選ばれる過程でそれなりに情報は漏れたのではなかろうか、とか。そこだけでも一冊かけそうな感じがします。そして転送組。時間が差し迫っていたのはわかりますがとりあえずは道具、それからはマウスとかで実験してからじゃないと実用は難しいんじゃないでしょうかね。今の時代でもとりあえず転送機を一台現地に送って、テストでものを送ったり送り返したりしてから、とかなりそうですよねえ。それでも事故はあるだろうけど。そして物を一緒に送れないならターミネーターのように裸で現地に転送されたのか?と思ったらポケットにライターとか言ってるし。服着たまま転送されるなら小荷物ぐらい、一緒に送れるような気がするんですがどうなんでしょう。
後はコミュニティでも同性愛者とか居ないのかなあとかマイノリティはどういう扱いを受けているんだろうとか気になりました。特に転送組は男女同数じゃないだろうしな。宇宙船組もホワイトカラーばかりが選ばれていたとしたらロボットも積まずにブルーカラー職を彼らが行うことを承知したのだろうか?
まあそれはそれとして、と矛盾点とかは放っておいてカップル話だけを楽しもうよ、と言えばそれなりに楽しいのかもしれませんが色々と気になってしまい素直に楽しめませんでした。そして最後、衝突が避けられたのは良かったのですがアジソン一族が��だ人々を率いる立場に居るのは出来過ぎだと思うんですよね。それ、いいのかなあ…。大体、着陸の事考えずに出発したのか…。宇宙船ごと海に降りるとかダメ…ですかね、ダメかな?
という訳で色々と気になる点が多く、純粋に楽しめませんでした…。細かいところを気にしないならいいんでしょうけどね…。
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うーむ、他の人も言っていたことではありますが、これの連載を10年追って読むのと3巻イッキで読むのでは大きく感じ方が異なると思います。
ちなみに私はジャケ買でのイッキ読みです(笑)
一つ一つのお話は面白かったです。各話のカップルの在り方にホッコリしたり、各話のラストでガッカリしたりと楽しませてもらいました。
ただ全体を通すとどうしても設定のスケール感を活かしきれてないような気がして物足りなさを感じてしまいました。
世代を重ねるという魅力や新天地での開拓、人々の対立等魅力的な要素はあったんですが、どうにも一話一話完結してしまい、大きな一つの物語という視点を抱けませんでした(泣)
でもこれは連載が10年という長期だったこと、また連載ということで一つ一つの話の魅力を持たせる必要があったことが原因だと思うのでしょうがないのかもしれません。。。
(SF初心者からするとちょっとストーリーが都合良すぎる感もありましたが、これは捉え方次第なのかな…?)
この作家さんは初めてでしたが今度はもう少し短い作品を読んでみたくなりました。
とにかく連載お疲れ様でした!!
追記
もし、この作品の設定に惹かれた方が居たら「天冥の標」(小川一水)シリーズを読まれるといいかもしれません。
私は読みながらどうしてもそのシリーズと比較してしまいました(^_^;)
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怨讐星域シリーズ全3巻のラスト巻。アンデルス・ワルゲンツィンが引っ張りすぎ。第二次世界大戦中の独か日本のような独裁政権に、無闇に虐殺を唱えるもののその方法は原始的、少年を訓練に駆り出し思想を洗脳するなど、読んでいてヘイトが溜まる。ラスト1話の回想型の小話は良かったが、あとはいやーな気分を残す感じだった。カジシンらしく性善説で最後まで進んだのはらしくて良いが、長らくストレスを溜めさせられた割にはカタルシスがない。
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堂々の大団円。終盤に向け、もっと盛り上げる構成もあったかもしれませんが、連作短編としてトーンを維持した現状を好ましく感じます。
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◎スケールの大きなSFをかなり読みやすく描いている。脱出シーンの老若男女はとても良かった。
△アジソン組とジャンプ組の邂逅の直接描写がないのは残念。一番期待していたのに逃げられた気持ち。
△恋愛描写が基本的に一目惚れ、且つ男→女間のものに偏りありでわくわくしない。世代間を繋ぐのが大義の宇宙船であれば、マイノリティの肩身の狭さの描写があればより面白かったのでは。
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怨讐星域シリーズの3作目(完結編)。結末は予想通りと言えば予想通り。その結末に至る描写が老人の講演による回想とすることで、いい感じでまとまった。
この作品(シリーズとして)は、SFマガジンに連載されていたものをベースにしている。そのため、各エピソードが独立していて、それぞれを楽しめる。そして、全体を通して大河的な物語の展開を楽しめる。シリーズを通して感じたのは、数百年の物語を各エピソードに分解することで、リアリティーを損なうことなく読者に長い時間が流れたのを想像させた。本作品を読んでしまって残念なのは、連載で読んだ方がより楽しめたのだろうなと思ってしまうこと。連載だと雑誌が発行されるまでの時間が、各エピソード間で時間が一気に飛ぶところ(時間の流れ)をより感じられるだろう。つまり、エピソードを時間をおいて読むことでリアリティーが増すと思った。本シリーズを読むときは、エピソードごとに時間を置いて読むのをお勧めする。数百年の時間が経過するのを実感しながら、各エピソードのある意味生々しい、その時代の有り様を感じられる。
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神様っていうのはいないんだろうなあと思う
でも進化は信じられる気がした
努力は無になるし、頑張りも関係ない
でも生きるときは生きるし、死ぬときは死ぬ
故郷がある、ということは甘えなのかな、と思うくらいの進化だと思った
こんなに刷り込まれてきたことを手放せる人間でありたい
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怨讐星域Ⅲ読了。ついにノアズアークの乗員とニューエデンの住人の邂逅の時が来た。しかし甘っちょろい話が多く、緊迫感があまり伝わってこない。特にワルゲンツィン関連の話は、戦時中の日本のようであまり好きじゃなかった。最後もコンパクトにまとまり、老人の回想という形であっさりし過ぎてもったいない。
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いよいよ、ノアズ・アーク組が<約束の地>へ。
待ち受ける転送組の怨讐が宗教がかって・・・ちょっと怖い
最後のハリウッド的大団円はちょっと拍子抜け
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大まかに言えば、約束の地にどうやって降りるかを検討するノアズ・アークの人たち
それに対する、ニューエデンの人たちの先祖代々の「アジソン一味に復讐を!」をどうするのかのお話
エデンの辺境で農業を営む兄妹
発見される不審な機械
それは果たしてノアズ・アークが放った大量殺戮兵器なのか?
ノアズ・アークの方では約束の地への第一陣をどうするのか?とか
エデンでは憎きアジソン一味を残虐な方法で殺すために少年兵にまで槍術を仕込むよう
よく語られる大東亜戦争のときの竹槍で一人一刹みたいな精神だな
そんな折、ノアズ・アークは船体を菌類に侵され墜落
果たして、2つの集団の接近の結果は?
まぁ、妥当な結末だとは思うんだけど
所々消化不良
イアン・アダムスは結局望みを叶えられなかったのかなーとか
せめて子孫同士が何かなかったのかなーとか
途中でノアズ・アークに転送された少女はどうなったのかなーとか
色々と面白そうな展開にできそうな設定がいくつかあったのに放ったらかしで終わってしまってちょっと残念というか何というか
そもそも、本当に地球は滅んだのか?
フレアに飲み込まれたと描写されているのは大統領への報告だけで、実際に観測した人たちの様子も描かれていない
なので、その情報すらフェイクの可能性もあるんだよな
あと、SFの設定的にそっちの技術があるなら、あれやこれやもできるはずなのになーというツッコミは多々あるけれども、毎度のことながらSFへの感想としては野暮だしな