投稿元:
レビューを見る
恩田陸の作品を続けて手にとってみました。
2か月も放置していましたが、恩田陸さんの作品は読み始めると一気に読み進められます。続きの「下」に続く。
投稿元:
レビューを見る
送別会が終わった翌日に失踪した男が全く別の土地で死体で発見される。その事件の前後の男やその土地の人たち、あるいは事件を調べている人たちの行動が描かれる。上巻では進展は少しずつしているが、登場人物が出揃うまでといった感じで、下巻の盛り上がりをかなり期待させられる描かれ方であった。
投稿元:
レビューを見る
上巻を読み終わってすら物語の骨子が見えてこない、何とも不思議な作品。現実社会のようでいて少しズレたな空気にじわじわと引き込まれているので、後半への期待感が持てますね。
投稿元:
レビューを見る
水に浮かんだ町。飛び地の隣町。消えた男を追う二人の男。記憶能力。雨。
相変わらずスロースターターだが上巻後半には引き込まれる。
投稿元:
レビューを見る
ただの殺人事件ではなさそう。上巻は謎だらけ。市川吾郎の不思議な能力、水路・塔がどうやって結ばれていくのか楽しみです。伏線が散りばめられてて気になる。下巻すぐ読みます。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりの恩田陸。
この方の小説大っ好きなんだけど、どうしても「よし、読むぞ!」という気合いがいる。
恩田陸ばかりは、ちょっと手にとってパラパラと、とは行かないのだ!
私の中では、そういう位置づけになっている。
この小説を読んでいて、気づいた、というか分かった?ことがある。
恩田さんは、空間(あるいは街、世界)を創る天才なのだ!
恩田さんの小説の舞台には不思議な町、というものがよく登場する。不思議な世界、というべきか。あるいは、となり合わせの異界、とか。
「ネクロポリス」しかり、「月の裏側」しかり。
「きのうの世界」は、とある駅に降り立ち、周囲を見回すところから物語が始まる。目に映るものを順繰りに並べていく「あなたは・・・」という文章は、あたかも自分が物語の主人公かのような錯覚を起こさせ、否応なく物語世界に足を踏み出すことになる。ゆっくりと。しかし、確実に。
一気に読まされてしまった。
・・・下巻も一緒に買っておけばよかったな。
投稿元:
レビューを見る
ミステリもファンタジーも好きだけど、ミステリ+ファンタジーはあまり良い組み合わせではないみたい(´・ω・`)
投稿元:
レビューを見る
三つの塔に見守られる街。2つの塔は再建されたが1つは放置されたまま。その町の「丘」に住み着いた男。まちを調べていた男がある朝水無月橋で殺害された。被害者は市川吾郎。会社の送別会から突然消え1年間失踪していた市川。その事件を調べるために町やってきた「あなた」。市川吾郎にそっくりな男。焚火の神様を通じて市川を知っていた田代修平。市川吾郎の兄弟・若月慶吾。市川吾郎が町にやってきた理由。隣接するK市の飛び地だった「丘」。
投稿元:
レビューを見る
塔と水路の街で起こった殺人事件の真相を追及していく。
語り手や場面が章ごとに変わってめまぐるしいけど、事件の断片が少しずつ見えてくる感じや、それによって逆に謎が深まる感じがよく出ていて引き込まれる。まだ上巻じゃ何がなんだかわからないから、下巻に期待。
投稿元:
レビューを見る
恩田陸の長編である。背表紙を読んだところサスペンスなニオイに興味を惹かれて購入。
出だしはなかなかにそそられる感じでよろしかった。章立ての分け方とか、章題のつけ方、それぞれの絡み方も良かった。
序盤から中盤まではかなり良かったと思う。この町に起こっている事件やそれに関わっている少数の人々のそれぞれが薄暗い雰囲気とともに進んで行くのが先への期待を持たせてくれた。3つの塔の謎がなかなかに解明されなくてそれがまた拍車をかけて良かった。
終盤は正直無理やりまとめた感もあり、ちょっと残念。恩田陸的な感覚で現実世界の中にもちょっとした特殊な人間の能力や、世界の状況を混ぜ込んだもの自体は凝っていて良かったが、ちょっと雑な感じも受けた。特殊な能力いった点では、どうしても「常野物語」の面白さを思い出して比べてしまうからであろう。
投稿元:
レビューを見る
30代半ばの実直なサラリーマン市川が突然失踪し、一年後に、縁の無いはずのM町で刺殺体となって発見されたことをめぐる物語。○○の事件、○○による幕間、という独特のタイトルで、M町に住む双子の老婆、失踪した市川本人、市川の死体を発見した郷土研究者、M町に住む高校生、と、いろいろな人の視点で細切れに町の不思議が語られます。これぞ恩田陸作品!という独特の雰囲気と、この話はどこに向かっていくのだろうという期待と不安がないまぜになった気持ちを楽しみながら読了。まったく思いも寄らなかった終わり方。読後には何とも言えない余韻が残ります。恩田ファンにはたまらないけど、わかりやすい作品が好みの人は、不完全燃焼で物足りない、と思う向きもあるかもしれません。数多い不思議エピソードの中でも、焚き火の神様の話が一番好きでした。大変面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
こんな感じの小説ははじめて読みましたね。
特におもしろいところはまだないね。これからも同じペースで進まれると、途中で読むのやめてまいそう。のレベル。
投稿元:
レビューを見る
文庫化したので再読。塔と水路の町で起こった殺人事件と町の謎を巡る物語。恩田さんは雰囲気の作り方が上手いと改めて実感しました。特に不穏な雰囲気はその場面を過ぎても消えずに引き摺る感覚を覚えます。どこからか入ってくる猫、焚き火の神様、いつ建てられたのか分からない塔といった様々なガジェットにも惹きつけられます。初読の結末の記憶が曖昧なので、どういう風に終わるのか楽しみにしつつ下巻へ。
投稿元:
レビューを見る
恩田陸のきのうの世界を読みました。
水路が張り巡らせられている町に建っている3本の木造の古い塔。
その塔を見守ってきた土木技術集団が伝えてきた、竜が現れるという伝説。
そして、平凡な外見なのに、記憶力が異常に高い男性がこの町に現れて、丘の上で殺されてしまいます。
なぜその男性は殺されたのか、というテーマで町の中の登場人物たちの行動や考えが語られていきます。
着想や舞台設定は魅力的なのですが、物語の詰めがもう一つと感じました。
恩田陸の他の小説でも感じたことですが、おしいなあ、と思ってしまいます。
投稿元:
レビューを見る
ようこそ、ここは、塔と水路の町。
捨てられた赤い印のついた地図。
あのねぇ、雨を数えてはいけないよ。
雨を数えると鬼がくるよ。
住人は塔のことを何も知らない。
真実を隠すために、知らないふりをしているみたいだ。
溺れかけていた猫。
死んだ男は、一つの謎かけを残した。
下流で枝分かれしていて、雨の量で出口の変わる水路。
この町の秘密。
水の無い所に架けられた木製の小さな橋。
不思議な模様の毬。
ステンドグラスに描かれた、亀、糸切り鋏、天の川。
崩れたまま放置されている3つ目の塔。
川沿いに建つ洋館。
数々の魅力的な要素が、ふんだんに散りばめられている大作。
その多くの要素に負けないくらい多い登場人物。
それでも、読みにくかったり、混乱したりするようなことはないように書かれています。
「恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。」
と、言われるのも、頷けます。
雨が、この町を襲う。
雨が、この町に隠された本当の姿を描き出す。
とても美しい作品でした。
最期はやっぱり、恩田陸だった。