紙の本
ミステリというよりはSF?, 2015/8/18
2017/01/09 21:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Amazon カスタマー - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本新ハヤカワSFシリーズの一巻であったとしても全く違和感がありません。いやむしろその方が腑に落ちます。即ち、記念すべき新ハヤカワSFシリーズ巻頭の〈リヴァイアサン〉3部作のアダルト版?、ほんのちょっとだけ改変された歴史、機械じかけへの偏愛、ピンチョンばりの不穏でトンデモなディテールの背景に、力強くわかりやすい二本筋のプロット、しかし展開は予想外・・・。この作者の前作のアマゾンレビューがいささか芳しくなかったため暫し購入を躊躇しましたが、この本はスゴイ、最高です!スチームパンク?いやいや作者のメンタリティーはジャンルSFも遥かに超越(というか踏みはず)していて、これではお堅いミステリファンにとっては「?」な内容でしょうが、SFファンの私は超絶受けまくりで、久々に寝食忘れてワクワクする読書体験をさせてもらいました。翻訳も素晴らしいです!
投稿元:
レビューを見る
まー詰め込みすぎやわな、面白いけどのめり込めない。この世界観で半分かせめて2/3の長さやと印象も違うと思う。
投稿元:
レビューを見る
楽しかったです。離れがたかった。
実は300頁辺りまでのれなかった。
楽しげだけれどなかなか集中できなくて。
(二段組に慣れていないのが大きい)
でも400頁辺りから俄然面白くなってきて
あとはラストまであっという間。
みんな愛おしい。悪役さえも。
いま
過去をかたることも
悲しみ泣くことも赦されていない
残されているのは
読むことだけ
ただそれだけ
ただそれだけが
なにかを証明できるかもしれない
そうして今夜も
読んでいる
投稿元:
レビューを見る
主人公のジョーに対し、最初はなんだこのしみったれたおっさん、と思うけれども、最後にはきゃー格好いい! 抱いて!ってなる。あ、ネタバレしてるじゃないか。でも、しみったれたおっさんのままでも嫌いじゃない。
しかしこの本の魅力的なキャラクターはジョーだけじゃない。イーディーやポリーの素敵さもたまらない。
しみったれたおっさんの話から、多分予想しない方向に物語が展開するのだけれども、序盤の冗長さが若干辛い。どういう話なのかよく分からないまま読み進むしか無い。
1/3読めば勢いがついて後は終わりまで一気に読み進むことが出来るのだが(それでも2段組700P超えの大ボリュームである)、そこまで読めるかどうか、かなぁ。
ただ、何処削ればいい?と聞かれると首を傾げるところであり、冗長っていうか長いだけなのかもしれないなーと思う。なんだろう1冊のボリュームが大きすぎるので、文庫上中下巻になるといいんじゃないかな。
続編が読みたい。あと映画でも見てみたい。
どんな美女が演じるんだろうっていうあこがれがある。
投稿元:
レビューを見る
長い。長すぎて疲れた。なんなんだろう、ミステリではないな多分。感覚的にはSFです。ハマる人には傑作だろう。私はそうではなかったが。
巻き込まれ型の主人公の周囲は、怪しげな機械や怪しげな人物やらで雪だるま式に膨らんでいく。場面が変わるたび、そこに絡むエピソードに費やすページが多くなかなか本筋に入らない。早々に満腹感に見舞われた。二本立てのもう一方は女性エージェントのお話。こちらの方が相性がよく、読み応えもあり面白かった。
“なんでもあり”のお話です。ジャンルも、スチーム・パンク、悪漢小説、冒険スパイと多岐にわたってるし、リアリティがないから、謎の団体が、誰が、どこで何をやってもお構いなしに進んでいく。後半ハイになるけど、読後感は空虚な感覚の不思議な一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2016.1.28読了
面白い小説なんだろうと思う。
とにかく何でもあって、破茶滅茶で、けれどしっかり構成されていて、ムードもあって、文章も上手ではあるけれどもかなりクセがあって、物語も面白いようでもあるが、破綻しているようでもある。ページ数もかなりあるんです。
これ、ページ数があるのはいいんだけど、結構読み辛いんだよね。でも、後半三分の一は、面白くてグングン読み進めてしまいました。
そんな訳で面白い小説なんですが、私はあまり好きじゃない。
投稿元:
レビューを見る
イギリスの作家ニック・ハーカウェイ、2012年発表の小説。ジャンル的にはSF?ミステリー?
非常に才気みなぎる作品だし、題材はとても面白いのだけれど、冗長の極み・・・好みの問題かもしれませんが・・・。
第2次大戦直後にラスキン主義者という手仕事を至上のものとする技術者集団によって開発された謎の最終兵器を廻っての騒動を描いた作品。時計職人のジョーはその最終兵器のキーとなる装置の修理と設置を依頼され、それと知らぬままに装置を起動してしまいます。ゼンマイ仕掛けの黄金のミツバチが群れをなして飛翔するその装置の様がとても魅力的。
現代のジョーの物語りの合間合間に第2次大戦当時のラスキン主義者たちの物語りが挟まり、更にジョーの物語りも過去の記憶のフラッシュバックが絶え間なく入り込み、また非常に饒舌で気取った文体も相まって、読んでいてほとほとうんざりします。
面白そうなのに全く楽しめない、イライラの募るばかりの作品です。
投稿元:
レビューを見る
最初は読みづらかった。場面転換について行けんとこもあって。あと翻訳に?っていう部分も...
けど、中盤以降、ぐいぐいと引き込まれてく。おもしろかったね。急激に主人公が強くなりすぎる気もするけど。
3代にわたる家族の物語はジョジョっぽいとこもあって、主人公を助けてくれるのはお父さんの知合いやったりする。
そのあたりに、じーんとしたりも。
中盤以降は長さも苦にならんかったけど、分厚くてポケミスのサイズでは読みにくい。上下にして欲しいかな。
投稿元:
レビューを見る
時計職人の孫,ギャングの孫のジョーの成長譚.祖父母の時代からの因縁の「エンジェルメイカー」をめぐっての攻防.神になろうとするシェム・シェム・ツィエンの半端でない存在感,「夜の市場」「ラスキン主義者連盟」機関車,潜水艦,象部隊などシッチャカメッチャカなんでもありの面白さ.
前半は⭐︎3,だけど後半は⭐︎4,後半への説明的展開で,前半が少しモタつくのは仕方ないかな.ちょっと盛り込みすぎで,長かったけど,まあ良しとしよう.
投稿元:
レビューを見る
長くて読むのに時間がかかってしまいましたが、ミステリーもSFも大好きな自分はとても興奮しました!世界の命運をかけた戦いを軸にした理工学系ファミリーの壮大なサーガだったようにも思えます。登場人物たちが時計の歯車のようにカチッとはまる終盤はまさにクロックワーク!ジョーがギャングとして覚醒し、無敵状態になるのはちょっと面食らいましたが。
投稿元:
レビューを見る
時計職人が修理した機械は、世界を破壊しかねない物だった!
国際的陰謀に巻き込まれた青年の、波乱の冒険物語☆
時計が専門の機械職人ジョーは、祖父の店をついで地道に暮らしていました。
父親は、じつは名の知れたギャング。
ある日ジョーは、何だかわからない機械を修理したことから、謎の男達に追われる羽目に。
機械を持ち込んだ奇妙な老婦人イーディは、じつは往年のスパイ。
彼女の回想がやたら濃厚で、インドの藩王や、陰謀をたくらむ秘密組織が入り乱れます。
ジョーの祖母に当たる美女フランキーも深く絡んできます。
前半は方向性がわからない状態で細かい描写が繰り広げられ、主人公は危機に陥るばかり。
後半は俄然テンポがよくなります。
ジョーが父親のことをやや見直し、封印してきた自分の半面を生かすことに。
幼馴染の兄妹マーサーとポリーや父の仲間達が、絶体絶命のジョーを助けようと奮闘してくれるのが楽しい。
作者は高名なスパイ小説作家ル・カレの息子だそう。
その事実は隠してデビューしたそうです。
主人公が父親とは別な道を行こうとする気持ちがわかるのかな?(笑)
ハヤカワ・ポケット・ミステリを日頃から読んでいる人になら、そりゃあ読んでください!とオススメ出来ます。
楽しそうに書き込んであって、読み応えあり。
これぞスチーム・パンク?というインパクトも。
冒険ものの華やかなハリウッド映画が好きな人にも、後半の展開は喜んでもらえそう☆
投稿元:
レビューを見る
ロンドン。時計職人の祖父と、ギャングのボスの父を持つ時計職人のジョーは、奇妙な二人組の訪問を受ける。どうやら二人は、ジョーが祖父や父から大事な秘密を引き継いでいると思い込んでるらしい。しかし、自分には思い当たるものがない…
大きくは時代の異なる二つの物語が進行して、それが途中から交わって新たな展開を見せる。この作品はハヤカワポケットミステリーで700ページ越えしているので、とても長い。しかも、二つの物語の二つ目について語り始められるまでが、また長く、読むのを挫折しそうになる。でも、100ページあたりまで来れると、グッと早く読めるようになる。
投稿元:
レビューを見る
長かった。そして大変面白かった。とてもとてもイギリスだと思った。
ミステリで冒険小説でSFで、そして元気なばあちゃん(失礼)が大勢活躍するあたりが実にイギリスっぽいと思ったの。
「モンティ・パイソン」みたいで。
紳士の国だけど労働者の国でもあるイギリス。
取り澄ましたところもあるけれど、下世話なところもあり、ブラックなユーモア(しかも結構なドタバタ)が大好きなのがイギリス人。
そんなわけで、最初は非常にとっつきにくいのです。
そうね、150ページくらいまで。
主人公はまだ30代だというのに、世界の片隅で時計の修理をなどを行う機械職人としてひっそりと生きている。
じーちゃんの技、じーちゃんの教えを忠実に守って暮らす堅実な日々。
そこには、大物ギャングつまり犯罪者であった父への反発も多分にあった。
それが訳もわからないうちに世界的な大陰謀に巻き込まれていくのである。
「何も知らない」と言っても信じてもらえない。
政府機関は、超法規的措置を取りジョーを追いつめる。
ジョーがなにも知らないから、読者も何もわからない。
とにかく世界の真実をすべて明らかにする装置の秘密を、ジョーがもっていることになっているのだ。
世界の真実がすべて明らかになったら、これ以上の争いは起きないだろうというのが開発者の思惑だった。
究極の平和が訪れるはずだった。
しかし人間はそんなに強くはないのである。
真実を受けきれない人々は狂ったり暴動をおこしたり、そしてそれを悪用して神と同じ高みに登るという野望を持つものが現われるに至って、それは世界どころか宇宙すら破壊するほどの最終兵器となる。
ここでまさかの神学的展開。
“しかし神の最も顕著な特徴、神の神らしいところだと誰もが思う側面は、沈黙だ。人間のことに対するあの偉大なる神々しい無関心だ”
“祖父の考えでは、神は(かりに存在するなら)人間が心のなかで何を考えているかなどお見通しで、そんなものになんの感慨も抱かない。そんな信仰よりもっといいのは、自分らしくふるまいつづけて、神になかなかよくやっていると思われるようにすることだ。だからもろもろの教訓や本質は日常生活のあらゆるもののなかに隠れている。世界の形を学べ、そうすれば神の心がわかるだろう。”
神さまは私に『神曲』を読んだからといって安心するな。
もっともっと考えろとおっしゃる(ような気がする)。
友の死の真相を追究するため、祖父が自分に残したものの正体を知るため、そしていろいろなしがらみのため、ジョーは敵に立ち向かう。
これまでの自分を捨てて、やらねばならないことのために自ら危険に飛び込んでい…っているはずなんだけど
“なんでいつもおれが逃げるんだ。(P586)”
思わず噴いた。確かに。
圧倒的に強い、神を目指している敵に対して、ジョーはあまりに普通過ぎて無力。
だから知り合いに、父の仲間だった人たちに、じーちゃんを知っていた人たちに協力を申し出る。
絶対者に対して、元気玉のようにみんなの��を借りるジョー。
国という形が残るならと、国民の犠牲を見てみぬふりをしている国の機関に対しても言い放つ。
“目的は手段を正当化するなんて言い訳はよせ。正当化しないから。目的にたどり着けないから。結局“手段”だけが幅をきかせることになるんだ。それが現状だ。”
祖父の世代からやって来たこと、父がやっていたことなどが現在のジョーに力を与えてくれるのだけど、それがまあ格好いいのよ。
両親がいて、祖父母がいて、仲間がいて、それらがジョーという人間を作っていったのだなあということが、最後の大活劇へと繋がっていくのである。
ただし、読むのは大変しんどいです。
1時間に40ページしか読みすすまない。
何度も登場人物表を読みなおして頭を整理しながら読んだけど、とうとう400ページ辺りで最初から読み直しました。
で、満を持して残り300ページを読みましたが、読み直してよかった。
いろいろすっきりしましたから。
大満足。
投稿元:
レビューを見る
とても厚い本でした。途中、2つの時間軸で構成される。現代と、イーディの若かりし頃と、話が進む。またイーディがかっこいい。痛快な活躍ぶり。現代でもだけど語りっぷりが面白いのです。命は永遠ではないのはわかってるけど無くなったのはショックでした。
あとジョーの父親と祖父との関係が泣かせる。影で支えるって美徳だ。自分なんていいことをしたら認めてもらわずには言われないような気がする。マシューは息子として、父親として偉大だった!
投稿元:
レビューを見る
いやー長かった。1冊の本にこんだけかかったの久しぶりやわ。本の重み(内容じゃなくて重量)で腕つりそうになるし、肩凝るし…。
話の筋は単純な冒険活劇勧善懲悪もん。地味な時計職人が巻き込まれていく全世界崩壊的悪巧みを防ぐために獅子奮迅の大活躍。
それだけの話にどれだけ盛るんやと…スチームパンクありゴシックありホラーありスパイ小説あり拷問あり格闘あり銃撃戦ありエッチあり百合ありショタあり…
バラエティとかてんこ盛りとか既存の言葉では言い表せんくらいに盛りに盛って、あちこち破たんしまくってそれでもとりあえず、力技で全伏線回収してる(と思うが数えきれんので分からん)
ほんで、これが大事なんだけど、最高にオモロい。書き込みが多すぎて読みづらいくせにオモロい。なんだこのパワー、なんだこの密度、小説家ってのは血筋で強くなったりするのか(作者はジョン・ル・カレの息子)。
ハーカウェイ、見逃せない小説家、遅まきながら発見したぞ!しかし、これよりスゲ―小説書かれたとして、俺の体力がもつのか